黴ブログ

好きなものやことを、徒然なるまま書き散らす。

タイトルに「若者」が入ってる曲、全部名曲説

いえーいみんな元気ィ!?音楽聴いてるゥ!?

僕はというと、28歳となった今でも学生時代と変わらず四六時中音楽を爆音で聴いてはテンションをブチ上げている。

 

そんなノーライフノーミュージックな日々の中で気付いたのだが、タイトルに「若者」というワードが入ってる曲、全部名曲じゃないですか?

 

タイトルに「若者」が入ってる曲といえば、同世代の音楽好きならまず確実にフジファブリック若者のすべて」や、銀杏BOYZ「若者たち」を思い浮かべるだろう。変則的なパターンとして、忘れらんねぇよの「ばかもののすべて」とかもある。少し上の世代はサニーデイサービス「若者たち」を思い出すかもしれない。

 

どうですかこのラインナップ。全部めちゃくちゃ良い曲ばかりじゃないですか。

 

良い曲の特徴として、よく「カノン進行が多様されている」だの「テンポやアレンジを大幅に変えたとしても絶対にハマる」だの色々な条件が語られておるようだが、俺はそこにもうひとつ付け加えたい。タイトルに「若者」が入ってる曲は全部名曲だと。

 

youtu.be

 

なんでこんなにも良い曲ばかりなんだろーか!?と考えてみれば、答えは意外とシンプルだ。

 

「若者」のタイトルが表す通り、どの曲もモラトリアム特有の何者でもない自分自身を持て余す憂鬱感と感傷と、ただ過ぎ行く時間への焦りと怒りを歌ったものばかり。それが心の中で渦巻く感情や思想を波動のように演奏するロックに乗ったならば、そりゃバチっとハマるに決まってる。家系ラーメンにライス。カレーと福神漬け。修二と彰グフカスタムにガトリングシールド。そしてロックバンドと「若者」のキーワード。稀に見る、これ以上ないってくらいのベストマッチングである。

 

そして先日、俺の心を熱くさせる素晴らしい「若者」系のラインナップの中に、新たな名曲が追加された。

 

それが、惜しくも2012年に解散してしまったが、NUMBER GIRL直系の鋭角サウンドを武器に活躍したバンド・ハヌマーンの「若者のすべて」という1曲だ。

 

若者のすべて

若者のすべて

  • provided courtesy of iTunes

 

今頃ハヌマーンの魅力に気付くとか、お前全然音楽聴いてねぇじゃろがい!!!!と言われそうなもんだが、本当に知らなかったんだからしょうがないじゃない。許せよ。でもこれ、本当に良い曲。今まで知らなかったのが悔しくて1日5千回くらい延々とリピートして聴いてるもん。

 

まず何が良いって、まず歌詞がすげぇ。駅にて電車に身を投げ自殺した青年の姿を想像し、まるで「今日も皆さんクソみてーな毎日ご足労様です!」と青年に言わているような心地の鬱々とした「俺」が、まだ見ぬ明日に衝動と共に思いをはせる、という内容の歌なのだが、未だかつて、時点でここまで鮮明に脳裏に情景を描けるような歌詞の曲ってあっただろーか?と思ってしまう。ちなみにこの情報量でまだBメロ。サビ前にも関わらずこの描写力。ボーカル・山田亮一氏の作家性に驚かされてしまった。

 

そしてテレキャスターのジャギジャギとしたサウンドに乗せて半ばヤケクソに、しかし愁いを薙ぎ払うかのように歌われる

 

考えすぎて馬鹿になって 発狂しすぎて普通になっていく 

that’s killed me 歌うとは失望の望を怒鳴る事さ

*1

 

 

のサビ 。このカタルシスよ。

 

内臓潰されんじゃねーか?ってくらいにギュウギュウの満員電車に乗り込み、働けども暮らしは楽にならないばかりか、引くクジどれも貧乏クジばかりでそれを片付けても別段評価される事もない。既にアラサーなのに、未だにあの頃憧れた何者にもなれていない。ただただ焦る。そして派手にスッ転ぶ。抱き起してくれる友達なんぞその場にはいない。そんな鬱々とした俺のエブリデイに、これほどぶっ刺さってくる曲があるだろうか。いや、多分ない。共感するわー!とかそういう生易しい感情じゃないんですよ。あ、これもはや俺そのものだわ。とか思う訳ですよ。

 

そしてラスサビ。

 

心で歌うな 喉で歌え

オンボロになって初めて見える価値

that's killed me  歌うのだ 失望の望を怒鳴るのだ!! ぎゃー 

*2

 

これ。最後のギャアアアアアア!!!の絶叫までも正式な歌詞として表記しちゃうセンスよ。脱帽。

 

そう、俺たちは正に今、失望している。自分にも不確か過ぎる未来にも、どーにもならんことばかりのブサイクな現実にも。逆に「毎日楽しー!!!うぇ~!!!」とか心の底から思ってる人とかいるんですかね。きっとみんな、何かに耐えて、それでもにっこりと笑っているんだと思うんだ、きっと。新宿や池袋に行くたびに時々、人間てなんだろーなー人間多すぎるよなー。もののけ姫くらいの昔に戻って森の中で動物たちと静かに暮らしてぇなーはあ。とか時々考えるもの、俺。超ダウナーですね。ウケる。ワラ。

 

しかし、そんな失望の中にも漢字の通り、確かに望みは存在する。この「若者のすべて」は、失った望みの中にも確かに存在する望みを怒鳴ってやりゃあ良いじゃん、それしかねぇじゃん。甘えてんじゃねーぞ。と俺たちを鼓舞するのだ。

 

なんなん、この名曲。不覚にも私、仕事の帰りの満員電車の中で聴いてて泣くかと思いました。いやちょっと泣いてた。

 

どうでしょう、皆さん。失望することがあってもこんなに優しくて、もはや俺そのものじゃん。。となる歌が存在するんですよ。俺と一緒に明日からこの「若者のすべて」を聴きながら、これ俺じゃん。。となってみませんか?

 

本日のテーマソング

ハヌマーン/若者のすべて

 

*1:ハヌマーン 「若者のすべて」より歌詞引用 作詞作曲 山田亮

*2:ハヌマーン 「若者のすべて」より歌詞引用 作詞作曲 山田亮

syrup16gと私

僕の中で特別な存在であるバンドのひとつ・syrup16gが遂にサブスク解禁したらしい。どうやら解禁に際して、リスナーからのレビューを募集しているようだ。

 

syrup16g.jp

http://syrup16g.jp/review/

 

「こりゃファンとしては乗っからない訳にはいくめぇ」という訳で今回は、しょーもなくて痛々しい青春の1ページを彩ったsyrup16gと僕の出会いについて語っていきたい。

 

彼らとの出会いは10数年前。受験に失敗し、GTOに出てきそうな荒れた学校に入学した故に、イケてない学生生活を余儀なくされた高校生の頃まで遡る。部屋で毎日ギター弾いては、ロッキングオンジャパンを熟読するよくいる根暗邦ロック糞野郎だった僕の目に飛び込んで来たのが、syrup16gのライブ記事だった。

 

仄暗い赤や青の照明に照らされながら、全身真っ黒の衣装に身を包み死んだ魚のような目でストラトをかきむしる五十嵐隆氏の写真。「神のカルマ」「イエロウ」「パープルムカデ」「負け犬」「天才」といった、何だかよく分からんけどもの悲しさと殺気と狂気が入り混じったような曲名。

 

完璧だった。最高にクールだ。バンド名すらも知らなかったにも関わらず「あ、これ絶対死ぬほどカッコ良い奴だ」と直感で思った。

 

しかしPCも金もなかった高校時代。実際に音源を聴くタイミングも無く、あれやこれやと過ごしている間に、彼らは突如として解散してしまった。いけね、あのバンド解散しちゃったのかとレンタルして聴いたのが「Delayed」と「coup d'Etat」の2枚のアルバム。初めて聴いたsyrup16gは、想像した以上に暗くて重かった。

 

ただ雰囲気が暗いってだけでなく、怨念のような禍々しさを感じ、当時まだ純粋な部分が残っていたかーびー少年は「あ、これは俺が聴くべき音楽じゃないかもしれない」と思ったのである。率直にいえば若干引いてしまったのだ。ほらよくあるだろ、聴く前に直感で「あ!これ多分俺好きだわ!」と思いきや、実際に聴くと「あ、そうでもなかったわ」ってなる奴。「センチメンタル」や「Reborn」辺りは素直に良い曲だな〜と感じたものの、本格的にハマったのはもう少し経ってから。本当に悲しい時は、明るい曲なんかいくら聴いても、全く心に響かないどころか、むしろ酷い気分になるんだということを知ってからだ。

 

本当に悲しい時、人は涙を流したり、友達に愚痴をこぼしたりなんてしない。いや出来ない。ぼんやりと部屋の真ん中でうなだれ、過ぎて行くだけの時間に身を任せるだけのただの物体になり下がる。そんな時にこそ、syrup16gの音楽はじんわりと沁みてくる。女にヒドク振られた時、死にかけて救急車で運ばれた時、プチ不運の連続に耐えきれなくなった時。夏場のグリーンダカラのように、それはそれは優しく沁み渡るのである。ただの物体に静かに暖かい血が流れていく感覚だ。悲しみが限界を超えるたび、ちょっとどうかしてんじゃねーか?という位、彼らの音楽のみを聴き続けた。

 

しかし、ただ心を癒すテーマソングとしてだけ機能していた訳ではない。ギターにおけるカポタストの使い方や、様々なローコードの押さえ方を学んだのもsyrup16gのギターをコピーするようになってから。適正な位置にカポを付ければ、大幅なフレット移動をせずともローコードで簡単にコードを押さえられると知った時なんて、感動のあまりおしっこ漏らすかと思った。いや、実際は漏らして無いけども、それくらい感動したのだ、俺は。

 

また同じような趣味のクレイジーロックジャンキー共とコピーバンドを組んで、色々な曲を演奏したりもした。「生活」は勿論、「Reborn」「センチメンタル」「吐く血」「天才」に、「さくら」「ニセモノ」「イエロウ」や「明日を落としても」とかもやったな。

 

いつの間にかsyrup16gの音楽は、落ち込んだ時にひとりぼっちの部屋で聴く音楽ではなくなっていた。僕らみんなで、死んだ魚のような目をしながら、心なんて一生不安なのだ、と裏返りそうな声で歌い、Do you wanna die?と全力で叫び散らかし演奏したものだ。映画や漫画ほどドラマチックな光景ではなかったものの、あの瞬間の僕らは確かに青春していた。世紀末の如き荒れ果てた高校時代では味わうことのなかった、キラメキのようなナニカが確かにあったのだ。

 

あの頃のように頻繁に仲間と会うこともめっきり減って、何をやってるか定かじゃない奴も幾人かいるけれど、今でもsyrup16gを聴けば、しょーもないことで落ち込んでいたクソダサシャバ僧だった頃の自分と、死んだ魚のような目をしながらも、楽しく演奏した光景が蘇ってくる。

 

心の底から死にたくなるような出来事のは今でも時々あるし、それどころか年々重さは増していくばかりだけれど、それでも僕はあの頃と変わらずに、syrup16gを聴きながら、心なんて一生不安なのだ、と呟いて日々を過ごしていくのだろう。

 

delayedead

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本日のテーマソング

syrup16g/生活

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

とにかく常にツイてねえ!俺を襲うプチ不運

これまでの人生って奴を振り返ってみると、いつだって襲いかかってくるプチ不運との戦いだったように思う。

 

そう僕という奴は、どうも常にツイてないのだ。やることなすこと、必ずと言っていい程地味にダメージを負うようなしょーもない不運に見舞われてしまう。

 

最近だと、仕事を終えてさあそろそろ帰ろうかという時に限って、ほぼ毎回緊急を要する電話がかかって来る。オフィスには他に何十人という従業員がいるにも関わらず、たまたま僕が取った電話だけが毎回そんな要件ばかりなのだ。ガチめなクレームや問い合わせも多い。そうなると、当然定時でなんぞ帰れなくなる訳だ。

 

基本的に残業しねえでとっとっと帰りやがれ!という方針な為、そうなって来ると次々と帰り始める同僚を横目に上司から「またこいつ面倒な電話引いたのかよ。。」という呆れと無言の圧力を受けながらひとり対応に追われる羽目になるのだ。

 

何故に!!!毎回!!!俺ばかり!!!こうなるのだ!!!貧乏クジばかりだよぉ。。

 

振り返れば、このプチ不運の連鎖は保育園に通っていた頃から続いている。お遊戯会の直前になって何者かの手によって、出し物に使う僕の道具が盗まれる事件が発生したのだ。当然号泣する僕。確か先生に死ぬほどキレられて「え?昨日ちゃんと片付けたのにこれ俺が悪いん?」とモヤモヤした気持ちになったのを覚えている。

 

小学校時代、通っていたスイミングスクールで靴が盗まれる事件が多発した際などは、真っ先に僕のスニーカーが犠牲になった。確か合計3足くらいパクられた。

 

高校時代は入学初日にゴリゴリのヤンキーに絡まれ華々しい高校デビューのチャンスを棒に振った挙句、ババアの運転する車に轢かれた。そういえば1日で3回暴走する車に轢かれかけた日もあったっけ。

 

大学の軽音部の引退ライブの時も、入念に機材チェックしたのにも関わらず、ライブ開始して10秒で弦切れた上に機材トラブル発生。既にプチ不運玄人に成長していた僕でも、流石にアレは泣くかと思った。

 

社会人になってからは昇進の話が来たのに直前のタイミングで異動かかって、全部無しになったこともあったな。そしてたまに休みをとって旅行に行けば、毎回雨だの交通のトラブルだのに巻き込まれ、旅先で体調を崩す。

 

書いてて何だかとても悲しい気持ちになって来た。これ絶対狙われてるでしょ。明らかにおかしいでしょ。神様どんだけ俺のこと嫌いなのよ。なあ神様よぉ!!!俺のことが嫌いなんだろ!!!!殺せよおおおお!!!!俺だってお前なんか大嫌いじゃ!!!!バーカバーカ!!!!おっぱい!!!お尻!!!

 

じゃなきゃ悪霊の類だろうか。そういえば去年引っ越したんだけど、引っ越し先が心霊スポットのすぐ近くだとつい最近知った。もう俺の人生こんなのばっかり。しょっぺえ。追手内洋一かよ。変身したらラッキーマンになれるのか。アレかな、やっぱ悪霊的なものの仕業なのかな。

 

まあ、この際どっちでも良い。神様でも悪霊でもしったこっちゃないんだが、てめーらに言いたいことがある。

 

これで俺がいつかしょーもない理由で死ぬことがあったら、おのれら逆に取り憑くなり何なりして、アウトレイジばりにしばき回すからな。北野映画ばりのバイオレンス見せつけるからな。北野映画めっちゃ観てるからな俺は。「調子乗ってすみませんでした〜泣」とか言っても許さないからな。その辺覚悟しといてくれよな。

 

目には目を、歯には歯を。原因不明のプチ不運には、それを超える怒りのパワーを。悲劇のヒーロー気取っている場合ではない。こんな時こそ、テンションを上げるだけ上げて、「ふざけんじゃねえ!!!バカヤロ!!!このやろ!!!」という怒りを原動力に対抗していくしかないではないか。

 

という訳で、手始めに次の休日はアウトレイジ最終章借りてこようと思います。まだ観てないので楽しみです。

 

アウトレイジ 最終章 [DVD] https://www.amazon.co.jp/dp/B078GN9Z51/ref=cm_sw_r_cp_api_i_urw5CbDYGSZQ5

 

本日のテーマソング

KinKi Kids/Hey! みんな元気かい?

 

 

 

 

 

 

 

かっこいいロックが聴きたいならzArAme「1」を聴くべし!!

 

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時々「かっこいいロックバンドの条件って何だろう?」と考えることがある。曲のクオリティが高くてテクニカルなバンド?それとも見た目も曲の雰囲気もスタイリッシュなバンド?非常に感覚的な物のため、人それぞれで答えは違ってくるだろう。ちなみに僕は、細かい理屈など抜きにして身も心も刺激するような、衝動に満ちた音楽を掻き鳴らしていることがかっこいいロックバンドの第一条件なんじゃないだろうか、と考えている。

 

そんな身も心も刺激する、衝動に満ちた音楽を掻き鳴らしているバンドで、僕が今一番かっこいいと思うバンドがある。そのバンドが今回ご紹介するzArAmeだ。

 

そのzArAmeが先日、ニューアルバム「1」を発表した。もう死ぬほどかっこ良かった。大地は揺れ、心の火山が噴火するような心地がした。かっこいいロックが聴きたいのなら、zArAme「1」を聴けば他には何もいらないんじゃないか?と感じた。そんな訳で、今回は滅茶苦茶にかっこいいバンドzArAmeの新譜である「1」を、僕なりの視点でレビューしようと思う。

 

zarame0000.wixsite.com

 

・zArAmeって一体どんなバンドなの?

 

zArAme(ザラメ)は2014年に元COWPERS、SPIRAL CHORDの竹林ゲンドウ氏を中心に北海道の札幌にて結成されたロックバンド。the sunやmoonwalk等に在籍したギターの井齊俊行氏、初期COWPERSに在籍したドラムの戸嶋智武氏、MYCHORDの大野悠氏の4人のメンバーで、エモやハードコアにニューウェーブオルタナティブなどを基調とした、存在感のあるロックを掻き鳴らし続けている。

 

youtu.be

(動画はアルバム「11」「lastorder」収録の名曲、ラストオーダーはディスオーダー。こちらもかっこいい。)

 

今回紹介したいのが、先日発表されたzArAmeとしては初のフルアルバムとなる「1」だ。「映画を観終わった時のような感覚のあるアルバムにしたい」というコンセプトの元制作されたとのことで、正に映画のような、ドラマチックなアルバムに仕上がっている。もうね、これが本当に素晴らしいのですよ。最初から最後まで、曲の流れが良いのだ。 

 

・まるで1本の美しい映画のような名盤「1」

 

「ドラマチック?映画?一体どういうことだよ?」と言う方も多いだろう。その問いは01.lowprideを聴けば1発で分かるはずだ。アクセル全開でブチ込まれるシリアスでエッジの効いたzArAme節とも言えるエモコアサウンドが、まるで海外の名作映画のように、オープニングから我々リスナーをその世界観へと引き込んでしまうのだから。

 

その勢いは1曲目だけではとどまらない。02.スラッジから03.searchlightまで、息をつく間もなく畳み掛けるキラーチューンの連続に「何だこれ??か、かっこいい~!!」とバンドの放つロックンロールの衝動に魅せられてしまうのだ。

 

そしてこれまでのアッパーな曲調とは打って変わって、04.isolationからの落ち着いた展開も最高だ。どこか不穏な雰囲気のイントロから開かれた陽性のメロディが響く05.アネモネに、四つ打ちのディスコ感が印象的な06.coldwaverと、続くミドルチューンがどれも違ったアプローチで「次はどうなるんだろう?」と、終始ドキドキさせられる。

 

何と言うか、シンプルな構成の曲が多いのに関わらず、曲から曲への繋がりが、展開が、とにかくドラマチックなのである。楽曲それぞれの良さは勿論なのだが、聴きながら曲が紡ぎ出す物語に没入してしまうのだ。複雑なバンドアンサンブルをかっこ良くまとめる巧みさもあるのだろう。アルバムを最初から通して聴く際によくある「中だるみしてしまう」と言うことが全然ない。まるで映画を観ているように、次々と表情を変え、目まぐるしく転がっていく展開や曲たちに夢中になってしまうのである。

 

そして何と言っても、どの曲も歌われているメロディが凄まじく良い。ポップでキャッチー。しかし、ただポップと言ってもいわゆるJ-POP的な安易なポップさじゃない。印象的で耳に残る演奏やフレーズの中で、胸を締め付ける美しいメロディが、時折ハッとさせられるワンシーンのように耳に、そして心に突き刺さってくるのだ。

 

叫ぶように歌うゲンドウ氏のボーカルと、モヤモヤとした抽象的な感情を切り取ったような歌詞も相まって、どの曲のメロディも心の奥底にポトリと落ちては沁み込んでいく心地がする。

 

そんな中、ポストロックやシューゲイザーの香りもするインストの08.転生からラストへと向かっていく展開は、アルバムのハイライトのひとつだろう。暗澹たる悲しみの中からそっと手を伸ばすような、ポジティブなエナジーを感じさせる09.liquiddreamから10.微睡の流れは、「1」という美しい映画のエンディングにこれ以上ない位ふさわしいラストだと思う。

 

出来ることならアルバムを手に取って是非1曲目から順番に聴いてみて欲しい。きっと混沌とした闇の中から光が射して風景が変わっていくような、ドラマチックなカタルシスを体感することが出来るはずだ。

 

・かっこいいロックが聴きたいならzArAme「1」を聴くべし!

 

さてzArAme「1」について、つらつらと思いの丈を語ってまいりましたがいかがだったでしょうか。もしも僕が「2018年に聴いたアルバムの中で1番良かったのはどれ?」と聴かれたら迷わずにこの「1」を挙げるでしょう。個人的にその位衝撃を受けたアルバムです。

 

札幌エモコアシーンの重鎮とも言える彼らzArAmeだけれど、エモとかオルタナとかのジャンルに縛られない、素晴らしい音楽を掻き鳴らしているバンドだと思います。そう、真にかっこいいロックバンドには細かいジャンルの壁など関係なく、僕らロックファンの心に響くのだ。そうした意味でも、僕はzArAmeが今1番かっこいいバンドだと思います。

 

「最近かっこいいバンドいねぇな~」「かっこいいロックバンドが聴きたい!」と言う方に、僕は声を大にして言いたい。zArAmeが今、最高にかっこいいですよ、と。

 

本日のテーマソング

zArAme/liquiddream

摩耗してひび割れゆく毎日に 心のアイドルを持つべし!

ソーシャルゲームの「アイドルマスターシンデレラガールズスターライトステージ」にハマっている。リズムゲームを楽しみつつ、好きなキャラをトップアイドルに育成していくというゲームなのだが、これが面白い。最近は推しのアイドル・高垣楓さんの担当プロデューサーの称号を手に入れたばかりだ。

 

ふとした空き時間などにポチポチと遊んでいるエンジョイ勢なのだが、プレイしていると「アイドルは素晴らしいナア」なんてことを思う。そう、アイドルってのはとっても素敵だ。何故って我々一般のボンクラ的男子諸君の理想を体現した、選ばれし究極の存在だからだ。常に憧れ、指標となる完全な女性像。それがアイドル。なりたい!と言って簡単になれるものではない。

 

良い年した大人が「アイドル!アイドル!」言ってるのもどうなんだ?という声も聞こえてきそうだが、俺は思う。良い年した大人だからこそ、いつも心の中に唯一無二のアイドルを持っていたい、と。

 

 

「心の中にアイドル?何言ってんだ!」「お前もう立派な大人だろ?いい加減現実を見ろよ!」嗚呼、心の中のやじ馬が罵声を飛ばしてくるのが聞こえる。確かに10代20代前半の若い男女であれば、こうした一種のアイドル信仰も可愛げがあるだろう。「俺彼女いるし…」「昔は好きだったけど、今はそんなに興味ないや…」僕と同年代のアラサー以降になると、こんな風に思う方々が大半だろうと思う。

 

しかし、だからこそだ。青春のときめきや煌めく感性を失いつつある大人だからこそ、自身の理想を具現化した自分だけのアイドル、そう「心のアイドル」が心の片隅には必要なのだ。

 

「心のアイドル」とは、誰に言う訳でもなく自分の心の中にいつもいる、理想であり指標であり憧れでもある、自身を全肯定して背中を押しくれる存在のことだ。

 

最近ツイッターで「心にハム太郎を持つと良い」という旨のツイートがブームになっているが、意味合い的には非常に近い。「心のアイドル」とは、自分の心の中にいつもいて、光とそしてわずかなときめきを与えてくれる存在なのだ。故に芸能人や実際のアイドルでなくとも問題ない。好きなアニメキャラや気になる隣の部署の事務のあの娘、とかでも無問題だ。要は自身にとって「何だか良いナア、素敵だナア」と感じられる存在であれば良いのだ。あなたにとって、それが唯一無二の「心のアイドル」なのだ。

 

まあ偉そうにつらつらと語ってきましたが、要するに「妄想しまくってテンション上げようゼ!!」ってことなんですけどね。わあ、こう言うとすげぇバカっぽい。高2の夏の男子(彼女無し)の淡い期待くらいバカっぽい。「夏祭り行けば新体操部のあの娘と偶然会って、ミラクル起きて仲良くなれねぇかな!?」的なバカさがある。

 

でもそんな妄想によって湧いてくるエナジーって、中々バカに出来ないところありますよね。少なくとも僕は、そう思う。

 

高2の夏の男子(彼女無し)の淡い期待だって妄想と言われればその通りだが、その妄想によって、我々男子は精一杯のオシャレをして街に繰り出したのではないか。頭の中で「もしあの娘に会った時用の会話」をシミュレートして。結果ミラクルは起きず、むしろイケメンと一緒にいるところ見ちゃったりして「やってらんねぇわ」っつって帰ることになるんだけど、我々はそうした妄想の繰り返しによって世界と繋がり、大人の男に成長してきたのだ。

 

そう。妄想は俺たち元ボンクラ男子にとって、かつてない程に強い原動力なのだ。年々衰えていく感性に、ひび割れ摩耗していく毎日に。心のアイドルを想うことで抗いたいのだ。そしてそんな妄想が与えてくれるエナジーで、元気に生きていきたいのだ。

 

だからこそ僕は想像する。もしも漫画的ミラクルによって、346プロダクション高垣楓さんの担当プロデューサーに転生したならば。

 

きっと僕は言うだろう。「アイドルなんだから自覚を持って、あまり居酒屋で泥酔したりしちゃダメですよ」「文春砲で撃たれちゃいますよ」と。しかし呆れながらも、僕は泥酔して眠る彼女を、毎晩タクシーで家へ送り届けるのだろう。肩にもたれかかるその暖かな体温と「でも何か良いナア」という優しい空気を感じながら。

 

って何だこの妄想。想像力豊か過ぎか。後がよろしいようで。

 

THE IDOLM@STER CINDERELLA MATER 恋が咲く季節

THE IDOLM@STER CINDERELLA MATER 恋が咲く季節

 

 

本日のテーマソング

ガガガSP/線香花火

何をやっても上手くいかない日は、頭の中でアジアン・カンフー・ジェネレーション「遥か彼方」が爆音で流れ出す

我らがアジアン・カンフー・ジェネレーションの名曲のひとつに「遥か彼方」という曲がある。記念すべきデビューアルバム「崩壊アンプリファー」の1曲目で、アニメ「NARUTO」の主題歌にもなったこの曲。同世代の音楽ファンなら知らない人はいないだろう。

 

開放弦を交えながらゴロゴロと転がり刻むベースに、始まりを告げるかのように勢い良く掻き鳴らし挿入されるギター。そして

 

踏み込むぜアクセル 駆け引きはないさ

そうだよ 夜を抜ける

作詞作曲・後藤正文 アジアン・カンフー・ジェネレーション「遥か彼方」より引用

 

と力強く歌い上げるボーカル。完璧なオープニング。大好きな1曲。何気ない時に聴いても最高なのだけれど、僕は特に、何をやっても上手くいかない下り坂な日にこそ、この「遥か彼方」を聴きたくなる。というか頭の中で自然に再生される。

 

崩壊アンプリファー

崩壊アンプリファー

 

 

突然ですが皆さん、何をやっても上手くいかない日ってありませんか?ありますよね。

 

せわしない日々の中、「何だこれ、俺取り憑かれてんのか?怖っ!」というレベルで上手くいかないことって、時々ある。いい感じの喫茶店で美味しいコーヒーを飲もうって時に限って、コーヒー全部こぼした挙句、買ったばかりの服もダメになったりするからね。オリンピックやワールドカップとか、基本俺が観戦する時に限って負けるからね。大体観てないと知らぬ間に勝ってるからね。あと緊急を要する時に限って電車止まったり渋滞したりとかする。

 

もう俺が何したねん!てなる訳ですよ。神様とか信じてないけど、あいつ絶対俺のこと嫌いやろ!とか思う。マジで。

 

まあこれは比較的ソフトな例だけれど、本当に怖いのはこうした「何をやっても上手くいかない日」は、高確率で長く続くってことだ。この「何をやっても上手くいかないしロクなことにならない周期」に一度入れば、絶叫したくなるような出来事が夏のスコールのごとく次々起こる。ちなみに僕は電子レンジ、ガスコンロ、洗濯機、パソコン、ウォークマン、目覚まし時計が1週間で全部壊れたことがあります。神様てめぇ。

 

そんな何をやっても上手くいかない日は、まるでぬかるんだ緩やかな下り坂を、石ころや泥などに足を取られながらひたすら下っていくような心地がするものだ。この下り坂はいつになれば終わるのか。そんな問いも虚しく、足を取られてまた転ぶ。思わず「もう嫌だあ!」と大声をあげそうになる。しかしそんな時、いつだって僕の頭の中では、遥か彼方のイントロが爆音で鳴り始めるのだ。

 

ゴロゴロと転がり刻むベースが、始まりを告げるかのようにEメジャーで突如掻き鳴らし挿入されるギターが、そして半ばヤケクソ気味にも聴こえる

 

踏み込むぜアクセル 駆け引きはないさ

そうだよ 夜を抜ける

 

の歌い出しの力強い歌詞が、負けそうで弱ってへなへなになった頭の中で爆音で響き渡るのである。鳴り響く遥か彼方In My Headは心を超えて、小声で口ずさみたくなってくる。次第に「下り坂だからこそ、アクセル踏み込むのも良いかもなあ」何て粋なことを思ったりする。段々と気持ちが上向きになってくるのを感じる。

 

足を取られながらぬかるんだ下り坂を下る何だか上手くいかない日には、周りが全員、石ころも泥も上手にかき分けてスイスイと歩く器用な人ばかりに見えることが多々ある。

 

しかし自分がやけにしょうもなく感じるそんな時こそ、頭の中で爆音で流れる遥か彼方が、僕の足を「下り坂だからこそアクセル踏み込んで行こうぜ」と前に進ませるのだ。下り坂を利用して、力技でガンガン進んでいくようなイメージ。下り坂でアクセル全開ならば、普通に進むよりスピードが出るってものだ。

 

そんな風に石ころも泥も蹴り上げねじ伏せて進むことで、もっともっともっと遥か彼方*1へやがて辿り着けるのだろう。そんな風に思う。

 

youtu.be

 

本日のテーマソング

bacho/決意の歌

 

*1:作詞作曲・後藤正文 アジアン・カンフー・ジェネレーション「遥か彼方」より引用

英雄になれなかった俺たちはそれでも生きていく 27クラブを夢見たいつかの少年の話

かつて、27歳で死にてぇと思っていた。別に自殺願望があったとかそういうんじゃない。ただ、伝説の男になりたかった。正確にいえば27歳で死に、ロックンロールの歴史において度々語られる、かの有名な「27クラブ」に名前を刻みてぇ、と漠然と考えていた。

 

「27クラブ?何?」という方に説明すると、27クラブとは、27歳で亡くなった著名なアーティストやロックスターたちで構成される架空のクラブのことだ。長い歴史が続くロックの世界でも、度々伝説して語られる想像上のクラブ、それこそが27クラブなのである。NIRVANAカート・コバーンジミ・ヘンドリックスTHE DOORSジム・モリスンなどが名を連ねていることで有名だ。

 

ロックに目覚めた10代の頃、僕はこの27クラブに果てしなく憧れていた。思春期特有の悶々とした感情を抱えた捻くれ野郎だったのだが、そんな不貞腐れロック野郎にとって、27クラブの逸話は魅力的だった。最高にクールだった。感銘を受け、事あるごとに「刹那的に太く短く生きるわ」などと豪語していた。完全に中2病。今思えばすげぇ不謹慎でバカタレなクソガキだったんだね。

 

ネヴァーマインド

ネヴァーマインド

 

 

 何故唐突にそんな話をしたのかといえば、つい先日に誕生日を迎えて、僕自身27歳になったからだ。誕生日おめでとう俺。遂に27歳。27クラブに入れるかどうか決められる年。誕生日を迎えたその時、そんな風に中2病全盛だった頃の誓いを思い出したのである。

 

あれだけ「27で死んで、27クラブに俺は入るんだ!」とイキっておきながら、こうして27歳になってみるとどうだろうか。実際の所「何も成し遂げていねぇなあ~」と素直に思ってしまう。美しいまでの有限不実行。ロックスターどころか、まだ何者にもなれていない。有名にもなっていないし、輝いてもいない。結局のところ、俺は伝説にも英雄にもなれなかったんだ。そんな風に思う。

 

しかしあれだけ憧れた27クラブ。27歳になった今は、少しも死にたいと思わない。27クラブにも入りたくない。伝説になれなくとも、歴史に名を連ねる英雄になれなくても構わない、むしろまだまだ全然生き足りねぇ!と思っている。

 

何故かといわれたら、やりたいことがまだまだたくさんあるからだ。

 

エモコアをメロディアスに解釈して、eastern youthbloodthirsty butchersエレファントカシマシのような泥臭さと男臭さをまとった音楽性のバンドだってやりたいし、出来たら結婚もしたい。子どもは2人が良いな。そして仕事も頑張るんだ。時に落ち込んだりしつつもバリバリこなして、後輩や部下に憧れられるような存在になれたら良い。そうして何気ない瞬間に「ああ俺、今何だか幸せだなあ。幸せってこういう気持ちをいうのかもしれないなあ」とフワフワとした暖かいものを胸に感じたりしたいのだ。

 

そうした優しい肌触りの毛布に包まれたような、ほんのりとした暖かさを感じるのに、数々の願いを叶えるのに、27年はあまりに短いし足りな過ぎる。そして何より「負けてらんねぇな」と思う。

 

僕らが生きるこの世界は、随分と理不尽で不条理で、ともすれば恐怖の連続だ。「毎日全部思い通りに上手くいって楽しー!イージーモードでっす!」という方も中にはいるかも知れないが、そんなことって中々ない。むしろ、思い通りにいかないことばかりで、疲れ果て、時には不運としかいえないトラブルに巻き込まれて、3歩進んで4歩下がったり。そんなことの繰り返しばかりだ。

 

人生は理不尽で不条理で、恐怖の連続だ。「何で自分だけこんな目に…」ということも多くある。僕が電車に乗ると高確率で遅延するし。何で俺だけこんな目に。全然思い通りにならねぇぞ。でも、だからこそ「死にたくねぇなぁ」と思う。「負けてらんねぇなぁ」と思うのだ。

 

だってそんなコーヒー色のドロンドロンとした世界の中にいて、訳の分からない理不尽や不条理が原因で命を落としてしまうなど、あまりに悔しいではないか。逆に、何気ない瞬間に「ああ俺、今何だか幸せだなあ。幸せってこういう気持ちをいうのかもしれないなあ」と思えたなら、確実に俺たちの勝ちではないか。

 

英雄になれなくても、伝説になれなくても、それで良いのだ。27クラブに入れずとも全然構わない。理不尽で不条理で恐怖の連続である、腐れ切ったこのファ〇キン世の中で、ふとした幸せを胸いっぱいに感じるその日まで、俺は死にたくねぇぞ。

 

本日のテーマソング

zArAme/ラストオーダーはディスオーダー