黴ブログ

好きなものやことを、徒然なるまま書き散らす。

こんな秋の夜長には鬱くしい人間賛歌を 鬼頭莫宏「なるたる」を読んだ

ここのところ寒い日が続いていますが、皆さんお元気ですか。僕はというと、余りの寒さに連日毛布の中でガタガタ震えています。さすが秋、寒さが半端ねえ。家の中でもライダース着てるぜ。暖房?東北出身をみくびるんじゃあないぜ。そんなん節約だぜ。そして日が落ちるのも早い。午後4時を回れば辺りはたちまちコーヒー色した闇に飲み込まれてしまう。

 

しかしそんな秋の夜長はお家で音楽を聴くのに持って来い、読書をするのに持って来いだ。つい先日も1作の漫画も読み終えたばかり。鬼頭莫宏氏のなるたるという漫画なのだけれど、これがまた凄いんである。ドキドキとワクワクを超えて、絶望感にマウントポジションで心をボコボコに殴られたような読後感。何だか怖いし悲しいしやるせない、しかしページをめくる手は止められない。ダークな内容なのにも関わらず、妙に引き込まれる漫画であった。

 

新装版 なるたる(1) (KCデラックス アフタヌーン)
 

 

こちらのなるたる、竜の子と呼ばれる物凄い力を持つ謎の生命体とリンクした、選ばれし少年少女達が残酷な運命の元に集い、次第に壮絶な戦いに巻き込まれていく、というストーリー。表紙のポケモンみたいな可愛いのがホシ丸と名付けられた竜の子で、それに乗ってる女の子が主人公のシーナ。

 

現代を舞台にしたSF物ともいうべきお話なのだが、可愛らしい表紙の絵に騙されてはならない。いざページをめくったならばそこに広がるのは、アウトレイジもビックリな生々しく残酷なセックス&バイオレンスな世界。殺し殺されてのヘビィな残酷描写のオンパレードなのである。

 

この竜の子と呼ばれる生命体、本気を出したら軍隊も手におえないような驚異的な力を持っている。そんな能力を駆使してある者は世界を崩壊させる為、ある者はそれを阻止する為、またある者は大切な人を守る為、ある者は自身を傷つける者に制裁を加える為、それぞれの理由と目的の為に戦いに投じていくのだが、その様がとにかくえげつない。

漫画にありがちなご都合主義は一切無しで、メインキャラもモブキャラも次々と命を落としていく。そしてそんな死は人の恨みや怒りに火をつけて、国や軍隊をも巻き込んで血を血で洗うような争いへ発展していくのだ。それぞれの想いが錯綜していく中で挿入される、少年少女達の内面を想像させる巧みな心理描写がまた痛々しい。とにかくバンバン人が死んでいくわやたら生々しい性的なシーンは多いわで、読んでいるとドッと重い疲労感に襲われて何だかもの悲しい気持ちになってしまう。しかし一方でこの漫画、人間的過ぎる程に人間を描いた、人間賛歌ともいうべき名作だと思う。

 

自分の愛する人を何としてでも守りたい、弱くて傷だらけの自分自身を守りたい、間違いだらけの世の中をどうにかして変えたい、大切な人を傷つけた奴をどうしても痛い目にあわせたい。ただ胸の中にあるのはそんな各々の燃えたぎる愛と正義。人の心というものは実に様々で、誰かにとっては悪でも、角度を変えれば他の誰かにとっては正義だったりもする。そして決して交わらないそんな気持ちは、どうしても争いに発展していってしまう。

 

しかし、例え傷ついて失ってしまうだけだとしても戦う彼らの心は、グロテスクでもある一方、どこまでもひたすらに透き通っていて純粋で美しい、とも思う。何かを変えたい、自分自身を、誰かを守りたい。これ全部、根底にあるものをすくい取ってみれば、ただ純粋な愛や正義だと思うのだ。例え血みどろの戦いの中であろうと、傷つき倒れようとも、全てが無駄に終わろうとも、彼らの心の底にあるそんな想いはどこまでも透き通っていて美しい。勧善懲悪では無い、そんなそれぞれの愛と正義をリアルで美しい筆致で描いた名作だと思います。

 

気温も低く静かで、どうにもセンチメンタルな雰囲気漂う夜が続いている今日この頃。愉快な映画や音楽も良いけれど、そんな秋の夜長だからこそ、敢えて鬱くしくも綺麗に透き通った人間賛歌に心を預けてみてはいかがでしょうか。なるたる、おススメです。

 


【STANCE PUNKS】放送禁止 【PV】

 

漫画を読みながら、なるたるのテーマソングはこれだろ!と勝手に決めつけて聴いていたこの曲でお別れしましょう。

僕らに終わりがあること知ってる。少年、世界は死ぬほど無様だ。

それでも戦う少年少女達よ、君たちは美しい。では。

 

本日のテーマソング

LED ZEPPELIN/stairway to heaven

 

終わったつもりでもそうじゃねぇ eastern youthの新作「SONGentoJIYU」を聴いた

先日リリースされたばかりのeastern youthの新作「SONGentoJIYU」を聴いた。9月末に更新した記事で、先行公開されたソンゲントジユウを挙げさせて貰ったばかりだが、その名曲具合に負けない渾身の傑作であった。

 前作まで長い間ベースを務めた二宮氏脱退から、新メンバーに村岡ゆか氏を迎えてから初のeastern youthのニューアルバムである今作。「どうなるんだろう?」という不安と「イースタンならきっとこれまで以上にやってくれるはず!」という期待に、リリーズ前から待ちに待ったアルバムだったのだけれど、流石我らがeastern youth

ブチ上がった期待を裏切るどころかあっさりと越えていく、凄まじくカッコ良い新譜を届けてくれました。

 

SONGentoJIYU

SONGentoJIYU

 

 
一聴してまず驚いたのは村岡氏の巧みなベースの溶け込み具合。まるで長いこと一緒に活動してきたかのように、音楽にぴったりと寄り添いながらも、確実にバンドの音に新たな色を加えている。
ダイナミックに動き回るベースラインに加えて、時に和音を交え、時にスラップでファンキーにキメ、時にバックで正確にリズムを支えて、時にコーラスで曲に新たな表情を付けてと、新生eastern youthにおけるその存在感とセンスに脱帽。かつてbloodthirsty butchersに田淵ひさ子氏が加入した時のように、完全に確立されたと思われたその音楽に、演奏にまた新たな息吹を吹き込んでいるではないか。おおお、カッコ良い。

そんな本作「SONGentoJIYU」。アルバム全編を通して、かつてない程にほとばしる明るさとポジティブさに満ち満ちた、実にガツガツとしたハングリー精神の塊のようなアルバムになっているように感じました。
これまで一貫して歌われてきた怒りや焦燥感や力強い決意といった、良い意味で人間臭く泥臭い人間賛歌。そんなこれぞeastern youth!とも言うべきパワフルな楽曲に加えて、今回心をギュッと掴まれたのは「それでもやっていこうぜ!」と言わんばかりの圧倒的な明るさとポジティブさ。

そう、とにかく前向きで明るいんである。それも「きっと大丈夫だょ。自分も未来も信じて頑張ってLIけばき㋡と夢わ叶ゥょ☆」なんてのたまって根拠のない明るさをぶん投げて渡すようなポジティブではなく、絶望も悲しみも全部を全部受け入れた上で「かかってこんかい!」と宣戦布告するようなポジティブさ。

 

疾走感のあるメジャーコードが、暗闇を抜けた後のように爽やかに響き渡る07.口笛吹いて駆け抜けろでは、陽性のメロディに乗せて

割といい感じの気分なら 飛べそうな気もする

と力強く歌い出し、

ため息をみんなヤケッパチの歌に変えて今

超えてゆく 俺の答えさ

とアクセルを全開に踏み込むようなサビへと突入する。かっけぇ。最高か。

続く08.旅の空では変拍子的でテクニカルなドラムフレーズに乗せて、

立ち止まったって終わらねえ 終わったつもりでもそうじゃねぇ

と力強く決意表明。サビでは

あと一歩もう一歩 来る日も来る日も

あと一歩もう一歩 どこまでいっても

とこれからも歩き続けるわ!と言わんばかりの、強い意志を感じさせるフレーズが心にじんわりと響く。

 

二宮氏の脱退から活動休止期間を経てリリースされた本作。長い長いトンネルを抜けた後で、終わったつもりでもそうじゃねぇ!と悔しさや苦しさをも超えて明るく全開でぶっ飛ばすような、世に溢れる困難やふと立ち止まってしまう瞬間にも果敢に立ち向かっていくような、そんな素晴らしい「歌」が詰まった良いアルバムだと思いました。
そこで鳴り響ているのは絶望や悲しみや苦難をも振り切って、歩いていく力強さと希望に満ち溢れた圧倒的なロックンロール。

 

日々生活していく上で壁や困難に足止めを喰らって、「もう終わりだ、もう前には進めねえ」と思わず呟いてしまう瞬間は数多い。けれど「もう終わり」と決めつけるのはいつだって自分自身で、そこから立ち上がって立ち向かっていくのもまた自分自身。eastern youthがいる限り、立ち止まったって終わらねぇ終わったつもりでもそうじゃねぇ、とどこまでも歩いて行けそうな気がします。

「よっしゃ、いくぞ!」と気合を入れたい、秋晴れの気持ちの良い朝に聴きたいアルバム。まだ未聴の方、是非。

 


eastern youth「ソンゲントジユウ」 ミュージックビデオ

 

本日のテーマソング

jimmy eat world/sweetness

浮気だの不倫だのが流行るそんな世の中に少女漫画を

ゲスの極み乙女の川谷氏とベッキー氏の不倫事件に始まり、国会議員の不倫騒動と最近やたらと不倫だの浮気だのが取り沙汰されて、ある種のブームみたいになっている今日この頃。テレビでも昼顔なるドラマが流行ったり、毎回そんな感じの番組ばかりで何だかダウナーな気持ちになることが多いのだけれど、皆様お元気でしょうか。お久しぶりです。

儀式的なお見合い結婚の文化も縮小して、自由恋愛に結婚がメインになった昨今。男女それぞれ様々な関係性が認められるようになったのは良いのだけれど、不倫や浮気が当たり前のように流行っている、この状態は何なんでしょうね。

 

アレ見聞きするたびに如何ともしがたい気持ちに苛まれませんか?だって切ないじゃない。きっと最初はさ、「あの人素敵だなあ、どんな物が好きなんだろ」とかから始まって「あ、音楽好きなんだ?あのバンド好きなん?え!俺も好き!最高だよね!!!」とか話して徐々に交流を深めて来たはずなんだ。形はそれぞれ違ったとしても、きっとこんなプロセスがあったと思うんですよ。

そうやって交流を深めて、良い部分も悪い部分も受け入れた上で、程度の差はあれど「あなたがこの世界に一緒に生きてくれるのなら死んでも構わない、あなたの為に」と一緒に生きていく決意を固めて歩んで来たはずなんです、きっと。

 

それなのに、なぜこうも人の心はすれ違い、離れていってしまうのか。離れてしまったその距離を縮めるどころか、うつろいでいってしまうのか。人それぞれ事情は異なる為に僕のような若輩者が上から好き勝手に物申すのは生意気が過ぎる気がしますが、それでも浮気だの不倫だのは良識ある大人としてダメ!絶対!ではなかろうか。

 

そんなドロドロした思考と性欲の渦巻く世の中に何か救いはないものか。何故にそこまでしてハイリスクノーリターンなスリルを求めてしまうのか。もう誰かが傷つき涙するようなテレビや映画は見たくないよ。圧倒的救済を!圧倒的エンターテインメントを!

 

そんな暗澹たる思いの中、たまたま1本の映画を観る機会があった。シンガーソングライターのmiwa氏や俳優の坂口健太郎氏主演の映画・君と100回目の恋。

 

映画「君と100回目の恋」 [DVD]

映画「君と100回目の恋」 [DVD]

 

 

お前何でそんなん観てんだよ、JKかよ。そんなツッコミはさて置き。事故死してしまう運命にあるmiwaとその運命を変えるべく過去へとタイムリープし続ける坂口健太郎。その2人の奮闘と熱くイノセントな恋を描いたこの映画。作品自体正統派なロマンチックでポップな青春恋愛映画で、「ふーん」と作業しながら観るともなしにぼけーっと観ていたのだけれど、本筋とはあまり関係の無い部分で勝手に熱くなってしまった。

 

この2人、作中にてTHE STROBOSCORPというバンドで活動しているのだけれど、幼馴染で友達以上恋人未満な関係性。お互い内心では好き合っているけれど恋愛としては交際などの進展は無し、という設定。そんなこんなで活動しているTHE STROBOSCORPなのだが、実は同じバンドのベーシストはmiwaのことが好き、という隠れ三角関係状態。何やらドロドロな修羅場と化す予感。何それ止めて、怖いんだけど。やいベーシストよ、セコイ手を使ってmiwaと落とそうするんじゃないのか!?酒飲ませて酔わせた挙句手を出すのか!?などとゲスいことを考えていたのだけれど、こいつ、坂口健太郎に「俺、実はアイツのこと好きなんだ。。最初に幼馴染のお前に報告しておこうと思って。。」と事前報告。「何でわざわざ俺に言うん?」と返されて、「仁義は切ったからな!!!」と宣戦布告。

 

何こいつ、めっちゃ良い奴。主人公2人の恋に横やり入れてかっさらっていく悪キャラかと思いきや、ちゃんと筋は通すイケメンの鏡。三角関係という泥沼確定案件に対してどストレートに真正面から立ち向かっておる。そして最終的にはエモーションが抑えきれなくなり、人前で告白した挙句、無残にもあっけなくフラれてた。

 

しょっぺぇ。最高にしょっぱ過ぎる。でもこいつ、最高にカッコ良い。好きなあの娘は自分に興味など無く、恋敵はイケメンでギターめちゃくちゃ上手くて完璧超人でしかもあの娘の幼馴染。圧倒的に不利で正直勝ち目など少しも無い。そんな中セコくてズルい、卑劣な手を使って不倫ブームの如き、ドロドロな手法で全てを欺き持っていくかと思いきや、しっかりとした良識の元、ライバルにもキチンと筋を通して不利な状況にも真正面から立ち向かっていくスタイル。正統派だし青春だし何よりロックだと思う。ストーリー上さらっと描かれているのだけれども、本筋よりもこの展開に心を持っていかれてしまった。

 

一方ドロドロとした不倫だの浮気だののブームに気が滅入るような昨今。せめてフィクション上では、前述した彼のようなロックンロールで正統派な漢(おとこ)の登場する作品に触れたい、と思う全てのラヴァーズ達に是非とも少女漫画を読むことをオススメしたい。

 

どうやら当て馬キャラと呼ばれているらしい、こういうキャラクター。名前の通り、主人公が思いを寄せるイケメンのライバルキャラとして登場する彼ら。彼らは真面目だ。決して卑劣な手段に頼ることなく、あの娘が思いを寄せるイケメンに堂々と戦いを挑む。彼らは潔い。無残にフラれた後も決してあの娘やイケメンを恨むことなく、付き合った2人を祝福し応援したりする。彼らは優しい。いつだってあの娘の身を案じ、聞きたくないはずのイケメンとの恋の悩みもちゃんと聞いて何ならアドバイスだってしちゃう。そして何より彼らは漢(おとこ)だ。例えいい人止まりで終わろうが、1ミリも脈が無かろうが、正々堂々と戦う。

 

如何に敗北が目に見えていようとも、我々男子には戦わねばならない時がある。勝つか負けるかが重要なんじゃない、やるかやらないかが重要なんじゃ!!!そう言わんばかりの彼らの汗と涙とポリシーに毎回心を熱くさせられる。奴らの漢気に、「ナイスファイト!!」の賛辞を贈りたいし、一緒にマック行ってコーラ飲みたい。そんでその後一緒に銀杏BOYZGOING STEADY縛りでカラオケ行きたい。モンゴル800縛りでも良き。そして終電で晴れ晴れとした気持ちで一緒に帰りたい。

 

ドロドロとした出来事ばかりの報道にダウナーな気持ちにさせられることが多い今日この頃ですが、そんな心がイケメンな彼らばりの熱く青く、どこまでもピュアな気持ちで生きていきたいです。

 

と思ったらこういう所謂当て馬キャラて、主役のイケメンキャラより人気高いってパターンが多いらしいですね。いい人止まりとか書いたけど引く手あまたやんけ!

 

 (となりの怪物くん、めちゃんこ面白いので男性の方も是非)

 

本日のテーマソング

戸松遥/Q&Aリサイタル

 

 

 

戦う漢(おとこ)の歌を奏でるバンド、eastern youthの新曲MV公開に号泣

戦う漢(おとこ)の無様で泥臭くてそれでいてカッコ良い様を一貫して歌い続けるバンド、eastern youthが先日27日発売予定のニューアルバム『SONGentoJIYU』に先駆けて、新曲MVを発表した。

 

タイトルはソンゲントジユウ。この曲、もうすんげえ良い。少しも衰えることが無いどころか、前にもましてキレッキレな吉野氏の絶叫ボーカルにエモーショナルなサウンド。一聴して「あ、これは半端じゃないわ。。」と引き込まれるような、実に素晴らしい1曲なのである。以前からその素晴らしい楽曲の数々に「負けてられねぇぜ!!」と励まされ、力を貰い、涙腺を刺激され続けてきたけれど、いやあ今回も凄い。今からリリースがとても楽しみである。

 


eastern youth「ソンゲントジユウ」 ミュージックビデオ

 

ゆっくりと始まりを暗示させるようなアルペジオから、全力で爆発させるように飛び出すイントロ。もうこの時点でカッコ良い名曲確定な予感がビシバシと伝わってくるのだが、そこからこれまで以上にエモーショナルな歌声で

どう転んだって俺は俺

生まれ持った生存の実感は 誰かの手に委ねちゃいけねぇんだ

なんてoasisのsupersonicばりにアイデンティティを高らかに歌い上げる、これぞキラーフレーズ !な素晴らし過ぎるサビへと流れ込む。更には

どんな俺だって俺は俺さ 

そうだろう

 と高らかに絶叫してこれでもか!と全力でブチアゲながら、そこから更にオクターブ奏法を駆使した、高ぶる感情を爆発させるようなギターソロへと突入する。ゆったりとした歌い出しからの怒涛の展開。正に静と動。日本情緒溢れるワビサビの世界。それぞエモーショナル。

普段泣ける映画やドラマなどでも全く泣けないばかりに、「そういう冷たいところ嫌い」だの「そういう時意外と冷たいよね」だのと心無い暴言に心えぐられることの多い僕だけれど、涙腺崩壊確定な熱すぎる展開に、「こんなん泣いてしまうでしょ。。」とか思った。恥ずかしながら、気付けばちょっと目頭が熱くなって目から汗が止まらなくなっていた。

 

そしてまた、このMV自体も凄まじく良い。可愛いちゃんねーのアップを駆使し、可愛いちゃんねーに踊らせまくる構成のMVが多発している昨今において、おばちゃんを主役に踊らせ魅せる、まるで1本の映画を観ているようなこのカタルシス。楽曲もそうだがMVの完成度も尋常じゃなく高い。MV単体で見ても純粋に素晴らしい完成度の出来になっていると思う。

 

SONGentoJIYU

SONGentoJIYU

 

 

年々、年齢を重ねるごとに責任は増え、甘えることも泣くことも許されず気付けばクソバカでのほほんとした少年時代は過ぎて、モラトリアムな時代も終わりを告げて大人になってしまった我々。いつからか現代社会という戦いの中に放り込まれ、疲弊して摩耗しても泣くことは許されずに、後戻りも出来ずそれでも生きていかざるを得ない。そんな場所に来ているのだなぁと日々実感を噛みしめることが多いのだけれど、そんな中でもeastern youthはいつだって戦う漢(おとこ)のエモさも影も弱さも全部受け入れた上で、どこまでも生き、戦い続ける覚悟を歌っているように思う。そしてそんな覚悟はいつだって我々を奮い立たせて歩かせてくれる。

 

決して上から「頑張れ!」だとか「一緒に生きていこう!」とか言うのではなく、我々と同じ、確実に実在する世界で生の実感を踏みしめながら「まだ負けてらんねぇんだよ、まだやれんだよ俺は!!そうだろう!!?」と叫び、歌い、生きていく。どこまでも愚直で泥臭くて、そして優しくて最高にカッコ良い。いつだってこれからだって、「負けてらんねぇんだよ!!」と気合入れてやっていこうと思える。そんなeastern youthが僕は大好き。新譜、今からとても楽しみです。

 

本日のテーマソング

Jimmy Eat World/Kill

秋の夜長に、センチメンタルな夜に、俺は今日もTHE USEDを聴く

熱線激しい暑かった夏も過ぎ、季節はもう既に秋。徐々に肌寒くなってまいりましたが、皆さん如何お過ごしだろうか。四季の中で秋が最も好きな僕としては、「またライダースが着れるぜ!ドクターマーチンだって履けるぜ!」と実にウキウキな気分でいる。程よく涼しくて過ごしやすいし、鍋や秋刀魚も美味しいし、良いことばかりの季節だと思う。

 

しかし嫌気がさす程の熱線地獄の夏が過ぎ、そんな賑わいも消え去ったかのように草木が色を変えて涼しい秋になる度に、一抹の寂しさを感じるのもまた事実。なんつぅかやけに寂しく、そして人恋しくなってしまうんである。ぁたし今夜ゎひとりでぃたくなぃの。。。誰かに抱かれて眠りたぃの。。。文字にすると実におぞましい、きもいね。でもそんなkimochi。何だかやけにセンチメンタル過剰。

 

 秋にはそんな心のセンチメンタリズムを加速させるような、そんな魔物が住んでいると思う。言うなれば秋の魔物だ、絶対これ住んでる。恐ろしい。うえーん。

 

そんなセンチメンタルを加速させるような秋の夜長には、THE USEDの音楽がとてもよく合う。訳もなく震える心に実にぴったりと寄り添ってくれる。そんな訳でここ最近はちょっとどうかと思う位の頻度でTHE USEDばかり聴いているぞ、俺は。

 

The Used - The Used
 

 

かつて大ブームを巻き起こしたスクリーモ系のバンドの代表格として知られている、THE USED。「ぶっ飛ばすぜ!!」と言わんばかりにガツンと来るパワーある演奏に、全曲シンガロング出来そうな位にポップでキャッチーなメロディ。そしてそれに乗る血管ブチ切れそうな程にエモーショナルなテンションで歌い、絶叫しまくるボーカル。それでいて変にカッコつけたりスカしたような感じは無く、何となく男臭いと言うか泥臭い雰囲気。こういうの大好き、とてもカッコ良いバンドだと思う。

 

THE USEDの存在を知った高校時代、「へー、こういうのスクリーモて言うんだあ、カッコ良い~!!!」と部活の練習もそっちのけでイヤフォンで聴いてたのを思い出します。(と同時にあんま関係ないけど部活の練習くらいちゃんと参加しろや!!!とも思いました、今)

高校生だった2008年辺りのエモ系のバンドというと、シュッとしたスタイリッシュなイケメンがシュッとしたスタイリッシュな曲をシュッとした黒と白を基調にしたスタイリッシュな服装でスタイリッシュに歌い演奏しているようなイメージがあって「なんだかなあ」なんて思っていたのだけれど、(だいぶひねくれた高校生だったので、多分に偏見も混じっていると思うのであしからず)2002年デビューの彼らTHE USEDの音楽にはそうしたファッション的な空気は微塵も感じられず、購入したCDのライナーを読んだらやたら怒ってるような歌詞も多いし、「歌わなきゃ気が狂いそうさぁ!!!」と言わんばかりのガチンコな雰囲気がほとばしっているしで夢中になって聴いていたのを思い出します。

 

しかし、活動初期にこんな風に完成度の高いアルバムと音楽性を確立すると、後々リリースする作品において、「こういうのは求めてないんだよなあ」だの「あーなんか変わっちゃったね」だの言われるのは世のロックバンドの悲しき運命。THE USEDも例外なく、作品をリリースする度に「何か違う」だの「もっと絶叫して欲しい」だのレビューで書かれているのを目にする。

 

確かに彼らの激情ほとばしるスクリームの嵐のような楽曲に魅せられた者の一人としては、ザ・スクリーモ!な血管ブチ切れ系絶叫曲を求めてしまう気持ちは勿論ある。しかし個人的に、彼らの楽曲のキモってそもそも絶叫云々の前に時にセンチメンタルで時に疾走感のある、エモくてメロディックな楽曲にこそあるんじゃないかなーと思うのだ。

 

youtu.be

 

彼らのセカンドアルバム『In Love And Death』収録のAll That I’ve Gotなんてモロにそう。綺麗で美しい美メロに、心の奥のセンチメンタルな部分をグイグイと刺激されるような感情的な展開。大好きな1曲。

 

I'll be just fine(僕はきっと大丈夫さ)

 

とリフレインされるサビの歌詞もとても良い。前後の歌詞を見ると 「お前全然大丈夫じゃないじゃん!!」とツッコみたくなるような内容で、個人的には「これ全然大丈夫じゃないけど、無理して自分に言い聞かせるような感じで言ってる歌詞なのかな?」なんて思っているのだけれど、そうだとしたら更にエモい。こう、無理して強がっている男の切なさのようなものを感じてならない。

 

youtu.be

 

彼らのファーストアルバム収録のBuried Myself Alive。この曲なんかもそうで、彼らの代名詞である激情の塊のような絶叫系楽曲とは少し毛色の違う、正統派エモな雰囲気の1曲。THE USEDは一般的に語られるその激しいイメージとは違って、アルバムを通して聴くとこういった正統派エモ曲やバラード的なミドルテンポの曲が意外と多い。そして俺はそんな曲達が大好きだったりする。激しいだけではなく、こうした静と動で言うところの静の部分もしっかりと聴かせてくれる。しかも良い曲ばっかり。正にワビサビの世界。

 

人恋しくなるようなセンチメンタル過剰極まる秋の夜長は、こんな風にTHE USEDの音楽に抱かれるように時にしんみりと、時にアツく過ごすのがとても良い。言い知れぬ寂しさを感じるような夜は、読書や映画鑑賞も良いけれど、こんな風にエモい楽曲に身を委ねて過ごすのもまたオツなものです。

 

本日のテーマソング

藍坊主/テールランプ

銀杏BOYZのニューシングル「骨」、ロマンスがありあまってる件

先日発売されたばかりの銀杏BOYZのニューシングル、「骨」を聴いた。こちらの「骨」は、前作「エンジェルベイビー」に次いで3か月連続シングルリリース企画の2作目となるニューシングル。収録された2曲共キラキラと輝いていてとても優しさを感じられる、バンドの持つロマンチックな面を存分に堪能出来るような1枚に仕上がっているように思いました。

 

骨(通常盤)

骨(通常盤)

 

 

表題曲となる01.骨は、2016年に安藤裕子氏へ楽曲提供し、NHKドラマ「奇跡の人」のエンディングでは峯田氏のソロ音源として使用された楽曲の、バンドアレンジバージョン。

衝動的で激しくどこまでも熱い。一聴して、そんな時に過剰で愚直なまでにエモーショナルなバンドのイメージと雰囲気は今作では殆ど見られないように感じました。しかしバンドの初期から、いやむしろGOING STEADY時代から見られたバンドのもうひとつの魅力である、甘くロマンチックで優しい部分がこれでもかと前面に出した、キラキラとしたアレンジに仕上がっているように思います。そして僕は銀杏のそんなところが大好きだったりする。

 

昔からその激しさや過激さばかりが語られることが多い彼らだけれど、峯田氏の歌詞表現の核にはいつだって「僕と君の世界」とも言うべき、YOU&Iの精神があるように個人的には思っていて。

かつて「駆け抜けて性春」や「もしも君が泣くならば」がそうだったように、「BABY BABY」や「東京」や「夢で逢えたら」で僕らが惚れたように、銀杏BOYZには激しさや過激さより前に圧倒的なロマンチックさがあった。

 

夢が叶うなら 命も惜しくないわ

 

のフレーズが示す通り、以前程の激しさこそないものの、今作でもそんな少女漫画の世界観にも匹敵しそうな程のイノセントでロマンチックさが溢れている。まじロマンスがありあまってる。

 

前作のエンジェルベイビーも個人的にど真ん中な1曲だったけれど、今回も楽曲が持つ本来の魅力を最大限引き出したような、ナイスな1曲になっていると感じました。

安藤裕子氏のアルバム「頂き物」に収録されているバージョンもそうだけど、今作も僕はとても好き。

 

youtu.be

 

安藤裕子氏へ楽曲提供した際は、自身の子どもと接する安藤裕子氏を見て書いた楽曲とのことで、アルバムでは自身の子どもに向けて歌っているようなイメージだったけれど、個人的に今作では愛しい恋人や好きな人に対するような、ごく近くで当たり前のようにいる愛しい誰かに向けて歌っているような、そんなフィーリングを感じる。

考えてみれば、峯田氏の歌はいつだって不特定多数の誰かに向けてというよりも、誰か特定の人に向けて歌っているような、マイクやスピーカーの向こうの誰かひとりに向けて歌っているような気がする。

そんな優しい愛の溢れるような峯田氏のいつも以上に甘く優しい歌声に乗る、どこかフォーキーでグループサウンズの香りもする、ミドルテンポで激しさを抑えた演奏。一言で言って最高。グッと惹かれるような、とても素敵な曲だと思う。

 

youtu.be

 

カップリングの02.円光は、かつてファーストアルバムDOORに収録された「援助交際」のニューバージョン。
衝動と童貞感と切なさと愛しさが同居したようなテイストが印象的な名曲だけれど、今作ではキラキラとときめくようなダンサブルでポップ感の強いアレンジで収録されている。

 

サビのメロディがアレンジに合わせて変わっていたり、歌詞が

あの子のIDをゲットするため 僕は生まれてきたの

 

に(時代に合わせてなのかな)変わっていたりと、原曲との違いも含めて楽しめるような、初期からのファンにとって実に、楽しい1曲になっているんじゃないかなと。
ドラムのリズムも跳ねるようなどこかディスコ感のある演奏で、元のあの自暴自棄でやけっぱちでぐしゃぐしゃさとセンチメンタルが融合したかのような曲を考えると実に驚きなアレンジ。

 

しかしそんなアレンジも違和感なく不思議とマッチしており、完全に別の曲として、タイトルを変更したのも頷けるような、1曲の完成されたキラキラとしたときめきに満ちた、昨今の銀杏BOYZを象徴するような新曲として聴かせてくれる。「円光」のタイトル通り、「援助交際」とはまた違う魅力に溢れた楽曲で、個人的にこちらもすごく好きなツボをグイグイ刺激される1曲。

 

今回のシングル、2曲共これまでとはまた違ったアプローチで銀杏BOYZの魅力を示すような楽曲で、新鮮さと驚きに満ちた、実に素敵な1枚になっていると思いました。

来月リリースのシングルも今からとても楽しみ。学生時代に心を撃ち抜かれて以来、ずっと好きで活動を追っているバンドのひとつとして、これからの彼らも、とても楽しみになるような良いシングルだと思う。未聴の方、未チェックの方、是非。

 

本日のテーマソング

マヒトゥ・ザ・ピーポーfrom GEZAN/み空

LOSTAGEの新譜・In Dreamsが最高にアツいので皆聴いたら良い

今年の6月、我らがLOSTAGEがニューアルバムをリリースした。タイトルはIn Dreams。以前から書こう書こうと思っていながら、結局はこんなに遅くなってしまった。しかしこんなアツいアルバム、記事にしたためなくてはねばなるめぇ。。と筆を取った次第。好き過ぎる余り、心の中にある熱い熱量を上手く伝えきれるか自信が無いのだけれど、ぁたし、頑張るもンッ!と心のギャルを全開にして書いていこうと思います。レッツァ、レビュー。

 

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まずこちらのIn Dreams、何がアツいって曲云々の前にリリース方法、リリース後の展開がアツい。発売に当たって一般レコード店等での販売や音楽配信サイトでの配信は行わずに、ボーカルの五味岳久氏が店長を務めるレコード店・THROAT RECORDSと同店舗のオンラインショップ、そしてライブ会場のみの販売と非常に攻めた商品展開。そして宣伝広告にお金をかけずにアルバムを販売・展開し、PRする。とても攻めている。アツい、アツ過ぎる。どうりでamazonで検索しても出てこなかった訳だ。友人に教えられなければ、多分気が付くのにもっと時間が掛かったと思う。

 

CDや音楽が売れないと騒がれる昨今の音楽業界に置いて、こうした挑戦は新しいと思うし実に興味深い。配信もなく、アルバムを聴くためにはライブ会場なりオンラインショップなりで実際にアルバムを注文して聴くしかない。いち音楽ファンとしてそうした試みと言うのはとても面白いと思うし、ドキドキする。それがどんな結果をもたらすのか、現状ではまだ何も分からないのだけれど、純粋に気になるし今後も目が離せないなーと思っています。

 

そんな研ぎ澄まされたDIY精神に基づいてリリースされたニューアルバム。「これは早速注文して聴かなければ!!」とTHROAT RECORDSのオンラインショップにて注文し後日届くのを待って聴いた。一言で言って僕のドキドキは期待した通り。最高過ぎる。。!

 

一聴して、悩んでいる時や新しいことを始めようとする時、そして前に進みたい時に力を貰えるような、力強さと優しさに溢れた歌が響き渡るような、そんなアルバムだなあ、と感じました。前作の「Guitar」もそうだったけれど、過去のアルバムに比べて「歌」が前面に出ているような印象。

今回のアルバムのキーになるような楽曲のひとつ、03.窓では、

 

ほらね からかわれた ついてない日もあるさ

ところで約束の時間には 間に合うのだろうか?

 

 と歌い出して始まり、高揚感のあるメロディに徐々に盛り上がっていくようなギターのブリッジミュートのフレーズに乗せて

 

歩きながら口ずさむよな 気の利いた歌 歌ってくれよ

若者達よ恋人達よ 揺れるランドスケープ 窓の向こう側へ

 

 と困難の中にあっても歩き出そうぜ!と言わんばかりの力の籠った歌が、正に歩き始めるような開放感のあるメロディに乗せて歌われている。

そしてここからセンチメンタルで美しいメロディに乗せて、しょうもない生活の中から生まれた決意を表明するかのような、04.ポケットの中でに入る。何だこの流れ。。最高過ぎる。。この辺りで「あ、これ名盤だわ。」と確信したね、あたしゃ。

 

youtu.be

 

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 他にも、疾走感のあるメロディにドンドンと突き進んでいくような08.I told.に、繊細で美し過ぎるアルペジオと静と動の展開が印象的な、「DRAMA」収録の大名曲、海の果実を彷彿とさせる09.僕のものになれと、名曲多数。頑張れ!とか世界変えてやろうぜ!とか歌詞の中で一切言っていないのだけれど、それでも「あ、俺も頑張ろう!」なんて思えるような、そっと背中を押してくれるような、それだけの熱量と伝わるものがある作品だと思う。

 

それでいて、01.さよならおもいでよでは、これぞLOSTAGEのロックや!と言わんばかりのキレッキレなソリッドな音を聴かせてくれるし、07.戦争ではこれまた彼らのハードロックよろしく、なヘビィな側面も聴くことが出来る。

彼らのどのアルバムにしてもそうだけれど、どんなアプローチで音楽を演奏しようと、全部「僕らのLOSTAGEの音楽」にしっかりとなっているのがまた凄い。よくあるじゃない、新譜を出して「あー。。何か全然違うバンドになっちゃったなー。。」なんて思ってガッカリするパターン。決してそんなパターンに陥ることなく、今作でもしっかりと流石我らがLOSTAGE!とも言うべき紛れもない音がなっている。何気にそれってすごいことだよなーと僕は思ったりするのだ。

 

悩んでいる時、力が欲しい時、何か新しいことをやらかしてぇと思う時、そっと寄り添って力を貰えるような、そんな良いアルバムになっていると思います。

やれCDが売れないだ、ロックバンドの人気が低迷しているだなんだと言われるこの頃ですが、彼らがいるなら大丈夫じゃねぇかなあ。。何て思います。少なくとも僕はそんな風に思う。未聴の方、是非。

 

本日のテーマソング

たま/きみしかいない