黴ブログ

好きなものやことを、徒然なるまま書き散らす。

戦う漢(おとこ)の歌を奏でるバンド、eastern youthの新曲MV公開に号泣

戦う漢(おとこ)の無様で泥臭くてそれでいてカッコ良い様を一貫して歌い続けるバンド、eastern youthが先日27日発売予定のニューアルバム『SONGentoJIYU』に先駆けて、新曲MVを発表した。

 

タイトルはソンゲントジユウ。この曲、もうすんげえ良い。少しも衰えることが無いどころか、前にもましてキレッキレな吉野氏の絶叫ボーカルにエモーショナルなサウンド。一聴して「あ、これは半端じゃないわ。。」と引き込まれるような、実に素晴らしい1曲なのである。以前からその素晴らしい楽曲の数々に「負けてられねぇぜ!!」と励まされ、力を貰い、涙腺を刺激され続けてきたけれど、いやあ今回も凄い。今からリリースがとても楽しみである。

 


eastern youth「ソンゲントジユウ」 ミュージックビデオ

 

ゆっくりと始まりを暗示させるようなアルペジオから、全力で爆発させるように飛び出すイントロ。もうこの時点でカッコ良い名曲確定な予感がビシバシと伝わってくるのだが、そこからこれまで以上にエモーショナルな歌声で

どう転んだって俺は俺

生まれ持った生存の実感は 誰かの手に委ねちゃいけねぇんだ

eastern youth『ソンゲントジユウ』より引用 作詞作曲吉野寿

なんてoasisのsupersonicばりにアイデンティティを高らかに歌い上げる、これぞキラーフレーズ !な素晴らし過ぎるサビへと流れ込む。更には

どんな俺だって俺は俺さ 

そうだろう

eastern youth『ソンゲントジユウ』より引用 作詞作曲吉野寿

 と高らかに絶叫してこれでもか!と全力でブチアゲながら、そこから更にオクターブ奏法を駆使した、高ぶる感情を爆発させるようなギターソロへと突入する。ゆったりとした歌い出しからの怒涛の展開。正に静と動。日本情緒溢れるワビサビの世界。それぞエモーショナル。

普段泣ける映画やドラマなどでも全く泣けないばかりに、「そういう冷たいところ嫌い」だの「そういう時意外と冷たいよね」だのと心無い暴言に心えぐられることの多い僕だけれど、涙腺崩壊確定な熱すぎる展開に、「こんなん泣いてしまうでしょ。。」とか思った。恥ずかしながら、気付けばちょっと目頭が熱くなって目から汗が止まらなくなっていた。

 

そしてまた、このMV自体も凄まじく良い。可愛いちゃんねーのアップを駆使し、可愛いちゃんねーに踊らせまくる構成のMVが多発している昨今において、おばちゃんを主役に踊らせ魅せる、まるで1本の映画を観ているようなこのカタルシス。楽曲もそうだがMVの完成度も尋常じゃなく高い。MV単体で見ても純粋に素晴らしい完成度の出来になっていると思う。

 

SONGentoJIYU

SONGentoJIYU

 

 

年々、年齢を重ねるごとに責任は増え、甘えることも泣くことも許されず気付けばクソバカでのほほんとした少年時代は過ぎて、モラトリアムな時代も終わりを告げて大人になってしまった我々。いつからか現代社会という戦いの中に放り込まれ、疲弊して摩耗しても泣くことは許されずに、後戻りも出来ずそれでも生きていかざるを得ない。そんな場所に来ているのだなぁと日々実感を噛みしめることが多いのだけれど、そんな中でもeastern youthはいつだって戦う漢(おとこ)のエモさも影も弱さも全部受け入れた上で、どこまでも生き、戦い続ける覚悟を歌っているように思う。そしてそんな覚悟はいつだって我々を奮い立たせて歩かせてくれる。

 

決して上から「頑張れ!」だとか「一緒に生きていこう!」とか言うのではなく、我々と同じ、確実に実在する世界で生の実感を踏みしめながら「まだ負けてらんねぇんだよ、まだやれんだよ俺は!!そうだろう!!?」と叫び、歌い、生きていく。どこまでも愚直で泥臭くて、そして優しくて最高にカッコ良い。いつだってこれからだって、「負けてらんねぇんだよ!!」と気合入れてやっていこうと思える。そんなeastern youthが僕は大好き。新譜、今からとても楽しみです。

 

本日のテーマソング

Jimmy Eat World/Kill

秋の夜長に、センチメンタルな夜に、俺は今日もTHE USEDを聴く

熱線激しい暑かった夏も過ぎ、季節はもう既に秋。徐々に肌寒くなってまいりましたが、皆さん如何お過ごしだろうか。四季の中で秋が最も好きな僕としては、「またライダースが着れるぜ!ドクターマーチンだって履けるぜ!」と実にウキウキな気分でいる。程よく涼しくて過ごしやすいし、鍋や秋刀魚も美味しいし、良いことばかりの季節だと思う。

 

しかし嫌気がさす程の熱線地獄の夏が過ぎ、そんな賑わいも消え去ったかのように草木が色を変えて涼しい秋になる度に、一抹の寂しさを感じるのもまた事実。なんつぅかやけに寂しく、そして人恋しくなってしまうんである。ぁたし今夜ゎひとりでぃたくなぃの。。。誰かに抱かれて眠りたぃの。。。文字にすると実におぞましい、きもいね。でもそんなkimochi。何だかやけにセンチメンタル過剰。

 

 秋にはそんな心のセンチメンタリズムを加速させるような、そんな魔物が住んでいると思う。言うなれば秋の魔物だ、絶対これ住んでる。恐ろしい。うえーん。

 

そんなセンチメンタルを加速させるような秋の夜長には、THE USEDの音楽がとてもよく合う。訳もなく震える心に実にぴったりと寄り添ってくれる。そんな訳でここ最近はちょっとどうかと思う位の頻度でTHE USEDばかり聴いているぞ、俺は。

 

The Used - The Used
 

 

かつて大ブームを巻き起こしたスクリーモ系のバンドの代表格として知られている、THE USED。「ぶっ飛ばすぜ!!」と言わんばかりにガツンと来るパワーある演奏に、全曲シンガロング出来そうな位にポップでキャッチーなメロディ。そしてそれに乗る血管ブチ切れそうな程にエモーショナルなテンションで歌い、絶叫しまくるボーカル。それでいて変にカッコつけたりスカしたような感じは無く、何となく男臭いと言うか泥臭い雰囲気。こういうの大好き、とてもカッコ良いバンドだと思う。

 

THE USEDの存在を知った高校時代、「へー、こういうのスクリーモて言うんだあ、カッコ良い~!!!」と部活の練習もそっちのけでイヤフォンで聴いてたのを思い出します。(と同時にあんま関係ないけど部活の練習くらいちゃんと参加しろや!!!とも思いました、今)

高校生だった2008年辺りのエモ系のバンドというと、シュッとしたスタイリッシュなイケメンがシュッとしたスタイリッシュな曲をシュッとした黒と白を基調にしたスタイリッシュな服装でスタイリッシュに歌い演奏しているようなイメージがあって「なんだかなあ」なんて思っていたのだけれど、(だいぶひねくれた高校生だったので、多分に偏見も混じっていると思うのであしからず)2002年デビューの彼らTHE USEDの音楽にはそうしたファッション的な空気は微塵も感じられず、購入したCDのライナーを読んだらやたら怒ってるような歌詞も多いし、「歌わなきゃ気が狂いそうだぜぇ!!!」と言わんばかりのガチンコな雰囲気がほとばしっているしで夢中になって聴いていたのを思い出します。

 

しかし、活動初期にこんな風に完成度の高いアルバムと音楽性を確立すると、後々リリースする作品において、「こういうのは求めてないんだよなあ」だの「あーなんか変わっちゃったね」だの言われるのは世のロックバンドの悲しき運命。THE USEDも例外なく、作品をリリースする度に「何か違う」だの「もっと絶叫して欲しい」だのレビューで書かれているのを目にする。

 

確かに彼らの激情ほとばしるスクリームの嵐のような楽曲に魅せられた者の一人としては、ザ・スクリーモ!な血管ブチ切れ系絶叫曲を求めてしまう気持ちは勿論ある。しかし個人的に、彼らの楽曲のキモってそもそも絶叫云々の前に時にセンチメンタルで時に疾走感のある、エモくてメロディックな楽曲にこそあるんじゃないかなーと思うのだ。

 

youtu.be

 

彼らのセカンドアルバム『In Love And Death』収録のAll That I’ve Gotなんてモロにそう。綺麗で美しい美メロに、心の奥のセンチメンタルな部分をグイグイと刺激されるような感情的な展開。大好きな1曲。

 

I'll be just fine(僕はきっと大丈夫さ)

THE USED『All That I’ve Got』より引用 作詞作曲THE USED)

 

とリフレインされるサビの歌詞もとても良い。前後の歌詞を見ると 「お前全然大丈夫じゃないじゃん!!」とツッコみたくなるような内容で、個人的には「これ全然大丈夫じゃないけど、無理して自分に言い聞かせるような感じで言ってる歌詞なのかな?」なんて思っているのだけれど、そうだとしたら更にエモい。こう、無理して強がっている男の切なさのようなものを感じてならない。

 

youtu.be

 

彼らのファーストアルバム収録のBuried Myself Alive。この曲なんかもそうで、彼らの代名詞である激情の塊のような絶叫系楽曲とは少し毛色の違う、正統派エモな雰囲気の1曲。THE USEDは一般的に語られるその激しいイメージとは違って、アルバムを通して聴くとこういった正統派エモ曲やバラード的なミドルテンポの曲が意外と多い。そして俺はそんな曲達が大好きだったりする。激しいだけではなく、こうした静と動で言うところの静の部分もしっかりと聴かせてくれる。しかも良い曲ばっかり。正にワビサビの世界。

 

人恋しくなるようなセンチメンタル過剰極まる秋の夜長は、こんな風にTHE USEDの音楽に抱かれるように時にしんみりと、時にアツく過ごすのがとても良い。言い知れぬ寂しさを感じるような夜は、読書や映画鑑賞も良いけれど、こんな風にエモい楽曲に身を委ねて過ごすのもまたオツなものです。

 

本日のテーマソング

藍坊主/テールランプ

銀杏BOYZのニューシングル「骨」、ロマンスがありあまってる件

先日発売されたばかりの銀杏BOYZのニューシングル、「骨」を聴いた。こちらの「骨」は、前作「エンジェルベイビー」に次いで3か月連続シングルリリース企画の2作目となるニューシングル。収録された2曲共キラキラと輝いていてとても優しさを感じられる、バンドの持つロマンチックな面を存分に堪能出来るような1枚に仕上がっているように思いました。

 

骨(通常盤)

骨(通常盤)

 

 

表題曲となる01.骨は、2016年に安藤裕子氏へ楽曲提供し、NHKドラマ「奇跡の人」のエンディングでは峯田氏のソロ音源として使用された楽曲の、バンドアレンジバージョン。

衝動的で激しくどこまでも熱い。一聴して、そんな時に過剰で愚直なまでにエモーショナルなバンドのイメージと雰囲気は今作では殆ど見られないように感じました。しかしバンドの初期から、いやむしろGOING STEADY時代から見られたバンドのもうひとつの魅力である、甘くロマンチックで優しい部分がこれでもかと前面に出した、キラキラとしたアレンジに仕上がっているように思います。そして僕は銀杏のそんなところが大好きだったりする。

 

昔からその激しさや過激さばかりが語られることが多い彼らだけれど、峯田氏の歌詞表現の核にはいつだって「僕と君の世界」とも言うべき、YOU&Iの精神があるように個人的には思っていて。

かつて「駆け抜けて性春」や「もしも君が泣くならば」がそうだったように、「BABY BABY」や「東京」や「夢で逢えたら」で僕らが惚れたように、銀杏BOYZには激しさや過激さより前に圧倒的なロマンチックさがあった。

 

夢が叶うなら 命も惜しくないわ

(銀杏BOYZ『骨』より引用 作詞作曲峯田和伸

 

のフレーズが示す通り、以前程の激しさこそないものの、今作でもそんな少女漫画の世界観にも匹敵しそうな程のイノセントでロマンチックさが溢れている。まじロマンスがありあまってる。

 

前作のエンジェルベイビーも個人的にど真ん中な1曲だったけれど、今回も楽曲が持つ本来の魅力を最大限引き出したような、ナイスな1曲になっていると感じました。

安藤裕子氏のアルバム「頂き物」に収録されているバージョンもそうだけど、今作も僕はとても好き。

 

youtu.be

 

安藤裕子氏へ楽曲提供した際は、自身の子どもと接する安藤裕子氏を見て書いた楽曲とのことで、アルバムでは自身の子どもに向けて歌っているようなイメージだったけれど、個人的に今作では愛しい恋人や好きな人に対するような、ごく近くで当たり前のようにいる愛しい誰かに向けて歌っているような、そんなフィーリングを感じる。

考えてみれば、峯田氏の歌はいつだって不特定多数の誰かに向けてというよりも、誰か特定の人に向けて歌っているような、マイクやスピーカーの向こうの誰かひとりに向けて歌っているような気がする。

そんな優しい愛の溢れるような峯田氏のいつも以上に甘く優しい歌声に乗る、どこかフォーキーでグループサウンズの香りもする、ミドルテンポで激しさを抑えた演奏。一言で言って最高。グッと惹かれるような、とても素敵な曲だと思う。

 

カップリングの02.円光は、かつてファーストアルバムDOORに収録された「援助交際」のニューバージョン。
衝動と童貞感と切なさと愛しさが同居したようなテイストが印象的な名曲だけれど、今作ではキラキラとときめくようなダンサブルでポップ感の強いアレンジで収録されている。

 

サビのメロディがアレンジに合わせて変わっていたり、歌詞が

あの子のIDをゲットするため 僕は生まれてきたの

銀杏BOYZ『円光』より引用 作詞作曲峯田和伸

 

に(時代に合わせてなのかな)変わっていたりと、原曲との違いも含めて楽しめるような、初期からのファンにとって実に、楽しい1曲になっているんじゃないかなと。
ドラムのリズムも跳ねるようなどこかディスコ感のある演奏で、元のあの自暴自棄でやけっぱちでぐしゃぐしゃさとセンチメンタルが融合したかのような曲を考えると実に驚きなアレンジ。

 

しかしそんなアレンジも違和感なく不思議とマッチしており、完全に別の曲として、タイトルを変更したのも頷けるような、1曲の完成されたキラキラとしたときめきに満ちた、昨今の銀杏BOYZを象徴するような新曲として聴かせてくれる。「円光」のタイトル通り、「援助交際」とはまた違う魅力に溢れた楽曲で、個人的にこちらもすごく好きなツボをグイグイ刺激される1曲。

 

今回のシングル、2曲共これまでとはまた違ったアプローチで銀杏BOYZの魅力を示すような楽曲で、新鮮さと驚きに満ちた、実に素敵な1枚になっていると思いました。

来月リリースのシングルも今からとても楽しみ。学生時代に心を撃ち抜かれて以来、ずっと好きで活動を追っているバンドのひとつとして、これからの彼らも、とても楽しみになるような良いシングルだと思う。未聴の方、未チェックの方、是非。

 

本日のテーマソング

マヒトゥ・ザ・ピーポーfrom GEZAN/み空

LOSTAGEの新譜・In Dreamsが最高にアツいので皆聴いたら良い

今年の6月、我らがLOSTAGEがニューアルバムをリリースした。タイトルはIn Dreams。以前から書こう書こうと思っていながら、結局はこんなに遅くなってしまった。しかしこんなアツいアルバム、記事にしたためなくてはねばなるめぇ。。と筆を取った次第。好き過ぎる余り、心の中にある熱い熱量を上手く伝えきれるか自信が無いのだけれど、ぁたし、頑張るもンッ!と心のギャルを全開にして書いていこうと思います。レッツァ、レビュー。

 

まずこちらのIn Dreams、何がアツいって曲云々の前にリリース方法、リリース後の展開がアツい。発売に当たって一般レコード店等での販売や音楽配信サイトでの配信は行わずに、ボーカルの五味岳久氏が店長を務めるレコード店・THROAT RECORDSと同店舗のオンラインショップ、そしてライブ会場のみの販売と非常に攻めた商品展開。そして宣伝広告にお金をかけずにアルバムを販売・展開し、PRする。とても攻めている。アツい、アツ過ぎる。どうりでamazonで検索しても出てこなかった訳だ。友人に教えられなければ、多分気が付くのにもっと時間が掛かったと思う。

 

CDや音楽が売れないと騒がれる昨今の音楽業界に置いて、こうした挑戦は新しいと思うし実に興味深い。配信もなく、アルバムを聴くためにはライブ会場なりオンラインショップなりで実際にアルバムを注文して聴くしかない。いち音楽ファンとしてそうした試みと言うのはとても面白いと思うし、ドキドキする。それがどんな結果をもたらすのか、現状ではまだ何も分からないのだけれど、純粋に気になるし今後も目が離せないなーと思っています。

 

そんな研ぎ澄まされたDIY精神に基づいてリリースされたニューアルバム。「これは早速注文して聴かなければ!!」とTHROAT RECORDSのオンラインショップにて注文し後日届くのを待って聴いた。一言で言って僕のドキドキは期待した通り。最高過ぎる。。!

 

一聴して、悩んでいる時や新しいことを始めようとする時、そして前に進みたい時に力を貰えるような、力強さと優しさに溢れた歌が響き渡るような、そんなアルバムだなあ、と感じました。前作の「Guitar」もそうだったけれど、過去のアルバムに比べて「歌」が前面に出ているような印象。

今回のアルバムのキーになるような楽曲のひとつ、03.窓では、

 

ほらね からかわれた ついてない日もあるさ

ところで約束の時間には 間に合うのだろうか?

LOSTAGE『窓』より引用 作詞五味岳久作曲LOSTAGE

 

 と歌い出して始まり、高揚感のあるメロディに徐々に盛り上がっていくようなギターのブリッジミュートのフレーズに乗せて

 

歩きながら口ずさむよな 気の利いた歌 歌ってくれよ

若者達よ恋人達よ 揺れるランドスケープ 窓の向こう側へ

LOSTAGE『窓』より引用 作詞五味岳久作曲LOSTAGE

 

 と困難の中にあっても歩き出そうぜ!と言わんばかりの力の籠った歌が、正に歩き始めるような開放感のあるメロディに乗せて歌われている。

そしてここからセンチメンタルで美しいメロディに乗せて、しょうもない生活の中から生まれた決意を表明するかのような、04.ポケットの中でに入る。何だこの流れ。。最高過ぎる。。この辺りで「あ、これ名盤だわ。」と確信したね、あたしゃ。

 

youtu.be

 

 他にも、疾走感のあるメロディにドンドンと突き進んでいくような08.I told.に、繊細で美し過ぎるアルペジオと静と動の展開が印象的な、「DRAMA」収録の大名曲、海の果実を彷彿とさせる09.僕のものになれと、名曲多数。頑張れ!とか世界変えてやろうぜ!とか歌詞の中で一切言っていないのだけれど、それでも「あ、俺も頑張ろう!」なんて思えるような、そっと背中を押してくれるような、それだけの熱量と伝わるものがある作品だと思う。

 

それでいて、01.さよならおもいでよでは、これぞLOSTAGEのロックや!と言わんばかりのキレッキレなソリッドな音を聴かせてくれるし、07.戦争ではこれまた彼らのハードロックよろしく、なヘビィな側面も聴くことが出来る。

彼らのどのアルバムにしてもそうだけれど、どんなアプローチで音楽を演奏しようと、全部「僕らのLOSTAGEの音楽」にしっかりとなっているのがまた凄い。よくあるじゃない、新譜を出して「あー。。何か全然違うバンドになっちゃったなー。。」なんて思ってガッカリするパターン。決してそんなパターンに陥ることなく、今作でもしっかりと流石我らがLOSTAGE!とも言うべき紛れもない音がなっている。何気にそれってすごいことだよなーと僕は思ったりするのだ。

 

悩んでいる時、力が欲しい時、何か新しいことをやらかしてぇと思う時、そっと寄り添って力を貰えるような、そんな良いアルバムになっていると思います。

やれCDが売れないだ、ロックバンドの人気が低迷しているだなんだと言われるこの頃ですが、彼らがいるなら大丈夫じゃねぇかなあ。。何て思います。少なくとも僕はそんな風に思う。未聴の方、是非。

 

本日のテーマソング

たま/きみしかいない

 

 

 

 

 

それでも僕はお酒が飲めない

一昔前のラノベの如きタイトルの通り、僕はお酒が飲めない。その時の状況や体調もあるけれど、グラス2杯程飲めたら頑張ったで賞が欲しいくらい。最悪ほろ酔い1本でグデングデンに酔い「何がほろ酔いじゃ、こんなんガチ酔いじゃ!!具合悪っ!!」とか思いながら床に沈み込むレベル。酷い時には吐き気や頭痛に加えて蕁麻疹、喘息の発作なんかを起こし、謎の虚脱感に襲われて言いようのない悲しい気持ちに苛まれたりする。何だこの効果、怖っ。お酒は楽しい飲み物じゃねーのかよ、こんなん全然楽しくないぞ。

恐らく体質的にアルコールを受け付けないタイプの人間なのだと思う。成人日本人では約4割程の人がそれに当てはまるらしいのだけれど、なんたるマイノリティ。ここでもマイノリティ。悲しい。グレそうだ。

 

松竹梅白壁蔵 澪 スパークリング清酒 750ml [京都府]

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お酒の席でのマナーが見直されて、イッキ飲みなんて文化も最近では無くなってきたものの、いち社会人男性としてお酒の席での交流や機会が多いのもまた事実。そう言った場ではアルコールは乾杯の1杯にだけにして、後は密かにソフトドリンクで攻める、と全力で守りを固めるスタイルでキメることが多いのだけれど、もしアルコールに耐性があれば、楽しく酔うことが出来るのならば俺だってガブガブお酒が飲みたい。俺だって「オイオイ、お前ら飲み会だからってあんまりハメ外し過ぎるなよ?」とか言いながら全裸になって爆笑を搔っ攫いたい。(きもいね)

学生の時分より、oasisミッシェル・ガン・エレファント辺りの何かとお酒爆飲してそうなロックンロールなバンドに憧れていたことや、酒!暴力!セックス!みたいな海外のスタイリッシュな映画に憧れていた、というのもあるのだと思う。しかしそんな「俺もお酒飲んでひとりスタイリッシュにキメたり、飲み会等で皆とワイワイはしゃぎてぇ!!」なんて思いも虚しく、悪酔いしたり体調不良に襲われたりと何かとしょっぱい思いをすることも多かった。憧れが強かった分なのでしょう、いつの間にかアルコールが飲めないことがコンプレックスへと繋がっていたように思います。誰にでもひとつはあるでしょう、ガチコンプレックス。悲しさと切なさと心の弱さしかないよ、こんなん。しょっぱい。

 

誤解して欲しくないのはね、飲み会の場自体は好きなんだよ、僕は。仲の良い友人や気心の知れた仲間たちと時に楽しく、時にアツく語り合ったり、楽しくハメを外したり。お酒こそ大して飲みはしないけれど、そうやって過ごす時間は何物にも代えがたい、とても楽しいものだと思っています。(勿論、酒入ってるし何をしても良いやん!!とばかりに迷惑行為に走りまくるような場は絶対にNGだけど。お酒は適度に楽しんでこそだと思う。)

 

しかしお酒を飲めない・飲まないとなると、ひねくれ人間のハグレ者としては何となく居心地の悪さを感じる瞬間があるのもまた事実。大体の人は心優しくて、「そんな無理して飲まないでも良いじゃん~」と言ってくれるのでありがたいのだけれども。よりお酒の場を楽しむことは出来ないものか。。うんうんと頭をひねる。そこである日ハタと気付きました。正に青天の霹靂。ナイス閃き。よっ!埼玉で抱かれたい男第一位!今日も冴えてるねぇ!(なんだこのノリ)

 

簡単な話、自分でも不思議なのだけれど、いつの間にか飲みの席でアルコールを摂取しないでもコーラや烏龍茶などのソフトドリンクオンリーで、酔ってテンション爆アゲの人に匹敵するテンションを自然と獲得出来ることに気付いたのである。所謂ナチュラルハイって奴だ。何とも不思議なのだけれど、飲み会の場にいると自然とアルコールを全く摂取せずとも、周囲の楽しいオーラを吸収して自分も何だか楽しくなってくる。キャッキャウフフと高いテンションで時には宴会芸用パンツなんかを披露して楽しむことが出来る。要は自分でテンションを上げているだけなんだが、楽しい場であれば周囲とリンクして自然とこちらも楽しくなってくる。たまに全然酔ってないのに「何、酔ってんの?」なんて言われたりもするレベル。なんて健康的。ビバ、ナチュラルハイ!!

 

結局未だにアルコールは殆ど飲めないので、直接的な解決にはなってないのだけれども、こんな風に目線を変えてコンプレックスと向き合うとまた違うアプローチが生まれて何とかなったりする。時に考えすぎだよ、と言われがちな僕だけれども、考えすぎると意外な解決法が生まれたりするからそんなに悪いもんでもないんじゃねーかなーと思う。時には考えすぎるのも大事だ、これからもぶっつぶれない程度には考えて向き合っていきたい。

 


GEZAN 『八月のメフィストと』PV Full size

 

最近はこれずっと聴いている。めちゃんこカッコ良いです。

 

本日のテーマソング

GEZAN/八月のメフィスト

「泣かされる」より俺は勝手に「感動」したい

先日、映画館にて「君の膵臓を食べたい」という映画を観てきました。インターネッツによると、現在の注目作品ランキング堂々2位と中々に流行しているご様子。ベストセラー小説が原作で、意味深なタイトルに

 

ラスト、きっとこのタイトルに涙する

 (君の膵臓を食べたい キャッチコピーより引用)

 

なんてキャッチコピーも付いていて、個人的に割と期待大の映画だった。少年時代のセンチメンタルな思い出を巡る青春映画で、感動的なストーリーのとても良い作品だったのだけれど、ラストシーンで呆気に取られてしまった。あんまり良くない方の意味で。(以下ネタバレしてしまうかも、ご注意下さい。)

 

理由は単純で、「え、『ラスト、きっとこのタイトルに涙する。』て言ってたやん!!割とラストさらっとしてるやん!!!」って思ってしまったから。「ラスト、きっとこのタイトルに涙する。」の文句から「ラストシーンでこれまでの伏線とか全部鮮やかに回収した挙句、名作ミステリーばりの想像の斜め上をいく大どんでん返しが待ってるんだろうな~涙枯れ果てるくらい泣いちゃうんだろうな~やべ~超エモいやん〜」なんてことを考えてしまっていたのが原因だ。所謂自分の中の期待値が尋常じゃなく高くなりすぎて、内容が勝手に期待外れになってしまうパターン。

 

振り返れば、本でも映画でも僕はこのパターンで拍子抜けしてしまうことが多い。て言うか大体がそのパターン。その度に「何でや!!俺だって感動したいやん!!俺の感性はどうなっているんだ!!?ちっっくしょ〜!!!」とへこんで自虐的な気持ちになったりする。コレ、何でだろうな〜と考えてみたら、割と簡単に答えが出た。極めて単純な理由。要は強制的に泣かされるよりも、自分自身の感性で作品からエナジーを受け取って勝手に感動したいのだろうなー、と。

 

こうした類の作品によくある、「こんな展開、お前ら絶対泣くやろ??オラァ泣けコラァ、ここで美しい涙流してみんかい!こんな演出、涙溢れるやろ??オラァ!」と言わんばかりの泣きの演出に逆に冷めてしまっているのだろうな、と思う。決して作品の悪口や批判をしたい訳じゃないよ。作品に罪はない。全てひねくれた俺のねじ曲がった根性が原因だよ、こんなん。キレたお母さんに「あんたのそういうひねくれた所、私大嫌い!!!」と暴言を吐かれたこともあるよ、冷たい人間の仲間入りだよ、俺みたいなもんは。

 

しかしそれでも、僕はやっぱり作品に強制的に泣かされるより、勝手に感動したいと思う。作品と自分自身の感性と向き合って、作品から溢れるパワーやエナジーをひねくれ切った中でも純粋な、心の柔らかい部分で受信して元気を出したり、熱い気持ちになったり、涙を流したいと思う。かつて大槻ケンヂの小説、グミ・チョコレート・パインを読んで、青春とエモーションとコンプレックスと泥に溢れた文章に、まるで自分のことが書かれているような気持ちになって、全編を通して涙が止まらなくなった時のように。花沢健吾の漫画ボーイズオンザランの5巻で、主人公の友人のボクサーが負け続きの試合から逃げて風俗巡り旅行する回で、「さっき買った娘、俺の腹筋割れてるの見てほほえんでくれたんや。俺、ボクサーやったわ。」って言ってまた試合に出て戦おうと決意するシーン読んだ時のように。公私共に色々あって荒れていた際に、LOSTAGEのいいこと/離別って曲を聴いて「もう関係ねぇわ、好きにやったるわ」と思えた時のように。我ながらなんて自分勝手な奴だろう、と呆れる気持ちもあるけれど、それでもそんな風に自分のフィーリングで感じ取って、勝手に感動したいと思う。そんな風に作品に向き合っていきたいっす。

 

グミ・チョコレート・パイン グミ編 (角川文庫)

グミ・チョコレート・パイン グミ編 (角川文庫)

 

 

本日のテーマソング

LOSTAGE/窓

 

 

THE BACK HORNが好きな俺はムックも好き

僕が学生時代から好きなバンドのひとつに、THE BACK HORNがいる。バンドの名前は知っているけれど実際に彼らの曲には触れたことが無かった高校時代、始めてTHE BACK HORNを聴いた時に死ぬほど驚いたのを覚えています。

 

何処へ行く

何処へ行く

 

 

人間のダークな内面をこれでもか!これでもか!てな具合にブチまけ、それでいて生きる意志と優しさも孕んだ歌詞に力強くて衝動的なボーカル。そして激しくも心猛る、芯のあるメロディを含んだ楽曲。

ひねくれふてくされ悶々として攻撃的な感情を内に秘めつつ、吐き出す術を持たずに灰色の学園生活をヨギナクサレた、落ちこぼれふぁっきん高校生だった僕にとって、彼らの存在は当時めちゃくちゃセンセーショナルだった。そしてめちゃくちゃクールだった。「やっべぇ!カッコ良いいいい~!!!」と夢中になるのも無理はないし、何なら「高校卒業したらバックホーンみてぇなバンド組んでブイブイイワシたるぞぅ!!」とか割とガチで考えていた気がする。まあ結局思いの他大学でのキャンパスライフをエンジョイし過ぎてその夢は叶わなかったのだけれど。俺ったらほんとバカチン。(でもコピバン組んで中々にハードなライブが出来たので良しとする、めちゃんこ楽しかった、アレ)

 

そんな訳で最近でも過去のアルバムをヘビロテするくらいに好きなTHE BACK HORNなのだけれど、そんなバックホーンが好きな僕は実は同じベクトルでムックも好き。

 

かつてART-SCHOOLsyrup16gと並んで「三大鬱ロック」なんて呼ばれたTHE BACK HORNと、密室系とも呼ばれ00年代のヴィジュアル系シーンを牽引して来たムック。同じバンド形態で活動しているものの、界隈も音楽性も違うんじゃないの?なんて声が聞こえてきそうだけれども、声を大にして言いたい。THE BACK HORN好きな人はきっとムックも好きなはず。完全に僕の感性から独断と偏見で物を言ってるので、責任は負いかねますが、多分何かしら「おっ!」っと引っかかる部分はあると思われる。だって僕がそうだったんだもの、ブログという媒体を利用して声を大にして勝手に無理やり紹介したい。

 

 乱雑にジャンル分けするならば所謂ロキノン系の括りにいるTHE BACK HORNに片やヴィジュアル系の括りの彼らムック。こうやって書くと共通点もクソもねぇだろ、死ね!!!なんてバンド業界に根付くロックファン間の競争意識と謎の勢力に、権力的なものを利用してブチ殺されそうでおしっこ漏らしそうなのだけれど、両バンド共に初期の楽曲について言えば意外と共通点があるんじゃねぇかな~と思うのです。

先にTHE BACK HORNについて「人間のダークな内面を~etc.」等と書いたが、これらの特徴は大まかな部分で言うと彼らムックにも当てはまる。彼らの『イタイ手紙』や『絶望』、『未完の絵画』なんかのヘビィでラウドでグランジィな楽曲はアルバム・何処へ行くや人間プログラム出した辺りのバックホーンにも通じるドロドロと混沌とした衝動とエモーションを感じるし、彼らのアルバム・鵬翼なんかはイキルサイノウ辺りの衝動と優しさに加えてポップさも含んだバックホーンの空気感に通じるものがある。

また双方歌詞においても、日本語に主軸を置いて日本情緒溢れる和の香りのするメロディを時に泥臭い程に実直に歌い、奏でている点も個人的に共通して好きなポイントだったりする。

 

ていうか調べている間に知ったのだけれども、この2バンド交流あって対バンとかもしてるのね。何それ、そんなん見たいに決まってるじゃんね。活動シーン自体は違えども、こんな風に交流してライブやって双方のファン同士それぞれ音楽を共有して楽しむ。こういうの純粋に凄く良いと思います。一口にバンドと言っても、ジャンルやシーンごとにファン層って全然違って、当たり前だけれど思想的なものも違って。場合によっては「あんなもんは認めねぇ!!」と血で血を洗うような争いが起きたりすることがあったりもするけれど、ジャンルだのシーンだのに捕らわれずに「カッコ良いものはカッコ良いじゃん!!それが全てじゃん!!」と音楽を楽しむのってとても素敵なことだと思います。

 

年齢を重ねて良かったと感じることのひとつに、そんな風に音楽に対して変な偏見とか無く聴くことが出来るようになった、ていうのがある。毎日何かしら色んなバンドやアーティストを掘って聴けるのでいつも新鮮な気持ちで音楽ライフを楽しめたりする。あと友人や知り合いに「最近オススメの音楽てある?」なんて質問して聴くものまた一興。まだ見ぬジャンルやバンドに触れてダンディなロックおじさんに進化していく、というのもまた素敵。そして俺はそんな大人な音楽ファンがとても好き。そう言うの、とてもカッコ良いと思う。

 

THE BACK HORNにムック、どちらもすごいカッコ良いバンドだと思います。俺は凄い好き。聴いたことねぇわ〜て方、是非。

 

本日のテーマソング

チリヌルヲワカ/アヲアヲ