黴ブログ

好きなものやことを、徒然なるまま書き散らす。

僕たちは最近の邦楽ロックが聴けない 邦ロックアイドル化問題

 

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突然ですが皆さんはロックはお好きだろうか。僕?僕はというともう滅茶苦茶好きだ。古き良きロックンロールにエモ、パンク。ポストロックにヴィジュアル系、ハードロックに。あ、ラウドロックなんかもいいですね。

 

好きなロックのジャンルを挙げたらもうキリがない。オルタナティブ全盛期の90年代のバンドも好きだし、いわゆるロキノン系と呼ばれる邦ロックも好きだ。高校の時など、毎月雑誌を買っていた位だもの。ロックはその時々の気分や状況に応じて心にぴったりと寄り添ってくれる。僕はそんなロックが大好きだ。

 

いい年こいてもロックロックいい過ぎて、将来的には街で有名な名物ロックおじさんになってしまいそうな気がする僕だが、何故だろうか。最近の若手邦ロックバンドに関してはあまり聴くことがなくなってしまった。あまりチェックしないし、聴いても「あ、ふーん」で終わっちゃう。当然全然詳しくないし、かつては毎月狂ったように読んでいたロッキングオンジャパンも、いつの間にか買わなくなってしまった。

 

何となく寂しい気もするのだが、僕と同年代位の20代後半以降のロックファンには、実はそういう人も多いのではないだろうか。そんな感じで夏も近づいた今日この頃、ふと気付いた。聴かないのではない、僕たちは最近の邦ロックが聴けないのだ、ということに。

 

・最近の邦楽ロックバンドってアイドルかのように扱われてない?

 

EDMやクラブミュージック、ヒップホップなどの流行で世界ではめっきり下火となってしまった感のあるロックだが、ここ日本ではそんな状況に反してフェスやイベントなどとにかく邦ロックシーンが盛り上がっているように思う。

 

WANIMAや米津玄師、04 Limited SazabysMy Hair Is BadにKEYTALKと、若手のロックバンドの活躍も素晴らしい限りだ。ロックバンドが次々現れてはライブイベントが多数開かれる昨今のこの状況。ロックファンとしては嬉しいはずなのだが、何だか釈然としない気持ちが残るのである。

 

このモヤモヤこそが今回のテーマであり、先程の「最近の邦ロックが聴けない発言」に繋がって来る訳なのだが、アレだよ。未来のロックおじさん的には、昨今の邦ロックバンドをまるでアイドルかのように扱う風潮に疑問を感じてしまうのだ。

 

何となく肌で感じるレベルで申し訳ないのだが、「あれ?何か若手の邦ロックバンド、アイドルみたいになってない?」と思ってしまう。まるでアイドルかのように扱う風潮といった方が正確か。この「邦ロックアイドル化問題」、どう思いますか?ぶっちゃけめちゃくちゃあると思っている。俺は。

 

・いつの間に邦楽ロックバンドがアイドルに?

 

「アイドルアイドルいってアイドルバカにしてんじゃねぇよ!」という方もおられることだろう。申し訳ない。邦ロックバンドを取り巻く現状を、分かりやすい定義としてアイドルという言葉を用いてるだけで決してアイドルをバカにしてる訳じゃない。

 

ていうかアイドル自体は僕も好きだ。ソシャゲのアイマスとかめっちゃやってるからな。高垣楓さん担当だからな。乃木坂46白石麻衣さんとかもうめっちゃファンだからな。最近はヤなことそっとミュート聴いてるからな。

 

僕がいいたいのは、「それはロックバンドじゃなくてアイドルに向けられるべき視線なんじゃないの?」ということだ。明確な線引きこそ難しいけれど、ロックバンドにはロックバンドとしての役割があって、アイドルにはアイドルとしての役割がそれぞれ存在する。近年の邦楽のロックバンドを取り巻く環境や役割なんかが、まるでアイドルかのように感じられてしまうってことだ。

 

特にその現象が顕著なのがSNSだ。特にTwitterなどは分かりやすい。試しに「邦ロック」でツイートを検索してみよう。文章は若干変えてますが、おおよそ次のような内容のツイートが続々出て来る。

 

例1「邦ロックのボーカルイケメン多くてマジヤバい。MVとか見てるともう本当ヤバい、目が幸せハート。」

 

…何か違うやん!そもそもの接し方が何か違うやん!その音楽を表現するのに適したビジュアルっていうのは確かにあるけれども、ビジュアルもとても大事な要素だけれども、それもう音楽関係ないやん!そもそもイケメンが見たいならバンドじゃなくてもええやん!

 

例2(画像ツイートと共に)「この○○マジイケメン!!!くっそタイプ過ぎてもう。。。(語彙力)」

 

…確かにイケメンだと俺も思うけれども!「~推し」みたいなのってそもそも邦ロックとか音楽とか関係なさ過ぎて語彙力!ていうかもっと他にあるやろ、あの曲のイントロのギターカッコいいとかあそこのフレーズが沁みるとかさ!せっかくカッコいいバンドなんだから、音楽の話しもしたらもっと楽しくなれるやん!

 

例3「もうすぐ夏だし邦ロック好きのイケメンでマッシュで色白で塩顔な彼氏欲しい。一緒にライブ参戦したり推しメン語り合ったりしたい」

 

…だから「推し」って何やねん!いつの間にロックバンドに「推しメン」みたいな概念出来たねん!お前絶対ライブ行ってもその人の顔面に関わる話しかしないやろ!彼氏的にそれは悲しいやん!彼氏は「もっと他の部分についても熱く語り合いたいんだけどな~」ってなるからな!あとマッシュで色白じゃなくて塩顔じゃない俺みたいなロックファンは、そういうこといわれるとちょっと寂しくなるからな!

 

熱くなり過ぎて思わず関西弁になってしまった、申し訳ない。確かにロックバンドにはアイドル的な側面もある。BEATLESなども当初はアイドル的な売り出し方をされていたというし、少年少女だけでなくグルーピー的な取り巻き・追っかけの女性ファンなんてのもロックの歴史上多く存在した。いってしまえば大昔からそうしたアイドル的な側面はあったし、事実そうしたファンにも支えられてきた部分はあると思う。

 

しかし現代。こうしたSNS上において、メンバーのビジュアルのカッコよさや他のファンとの繋がり、ライブでの一体感などについては多々語られるものの、肝心の音楽の部分にはあまりにもノータッチ過ぎるのではないだろうか。だってあくまでロックバンドである。そうした風潮に僕は「肝心の音楽はどこにいってしまったのだろうか」などと度々思ってしまうのである。

 

かつて、ロックは個人や極小規模なコミュニティで楽しむ「僕だけのロック」ともいうべきカウンターカルチャー的な存在だった。数ある音楽の中でロックが好きになった中学高校時代、何故僕がロックが好きになったかといえば、それはロック特有の「何かよく分からないけどやべぇ感じ」に当てられたからだった。

 

当時まだJpopがガンガンに売れていた2000年代中盤から後半。ロックは周りのイケイケな連中が聴いている音楽とは一味も二味も違う「何かよく分からないけどやべぇ感じ」がムンムンだった。周囲の「流行のファッションや音楽くらいは押さえとかないとだせぇよね」みたいなムードに上手く乗れず、強制的にだせぇ奴にカウントされていた僕にとって、ロックは無敵のテンションになれる最強の音楽だった。「お前はそのままでいいんだぜ」といわれているような気がした。これまでの価値観やモヤモヤしたムードがガラガラと崩れていくような気がしたのだ。

 

そして時は流れ、2018年。かつてはあくまで個人や狭いコミュニティ間でそれぞれが密かに楽しむカウンターカルチャー的な存在のロックだが、時代の流れと共に「邦楽ロック」という大きな枠組みの中で、皆で手を挙げて楽しむ「僕たちのロック」的なエンターテインメント性の強いものに変わっていったように感じる。思うに、そうした変遷の中で強まった独自のエンターテインメント性に付随して、アイドル的な側面が色濃くなっていったのではないだろうか。

 

・以上アラサーのロックおじさんが好き勝手に語って来ましたが

 

こういう記事が「うるせえ!黙ってろ!」と炎上するんだろうな~と思いつつ、好き勝手に語って来た「邦ロックアイドル化問題」だが、いかがだっただろうか。批判的な切り口で書いて来たが、SNSを通じて趣味の合う音楽仲間と繋がることが出来、YouTubeを開けば簡単に音楽を聴くことが出来る現代。次々と変わっていく時代の変遷として、それも当然の流れなのかなと。

 

そして単純に対象年齢が外れて来ているのかもな~とも思います。個人的には。かねてより「ロックは若者の音楽」といわれる通り、10代や20代前半の瑞々しい感性を持った若い世代に響いてこそ、ロックだと僕は思う。現にSNSやネットを見てみれば、現代の若者に邦ロックは大人気。それはもう最大級に響いているではないか。僕らアラサー世代にとってASIAN KUNG‐FU GENERATIONやELLEGARDEN銀杏BOYZTHE BACK HORNが特別だったように、彼らにとってのWANIMAや米津玄師、04 Limited SazabysMy Hair Is BadにKEYTALKもまた特別なバンドなのだ。

 

また思い出してみて欲しい。学生時代、確かに僕たちはロックに救われていた。ロックを楽しむそうした気持ちが、彼らに全くないかといわれたらそんな風には決して思わない。むしろ、ライブや音源を聴くだけではなく、仲間やフォロワーと共有して楽しむ姿は何かもう羨ましい。すげぇピュアに音楽を楽しんでいるなあと感じる。

 

批判的な切り口で好き勝手意見を言ってきましたが、もうそれぞれ好きな音楽を好きに楽しんだらいいんじゃないかと思う。その中で「こういうもバンドあるよ~こういう聴き方もあるよ~」と好き勝手いいたいだけだ、俺は。

 

邦ロックを仲間やフォロワーと楽しむのも良し。実際にバンド組んで演奏してみるのも良し。「あのバンドのメンバーが影響受けたっていってたな~」とNUMBERGIRLミッシェル・ガン・エレファントなどに開眼するのも良し。洋楽聴いてみたりとかも良いかもしれない。ルーツを探る旅とか、ハマると思いがけない音楽に出会えて楽しいものだよ。それこそ一生の趣味になる。そもそも「ロックはこういう風に聴かなきゃダメだ!」とかそういうの定義されてる訳じゃないし、そんなのちっともロックじゃない。若者よ!!!ロックは好きに聴け!!!もしも君がルーツを探る旅に出る時は、このブログも参考にしてみてね。終わり。

 

Chicken Zombies

Chicken Zombies

 

 

 

 

本日のテーマソング

Red Hot Chili Peppers/Dosed

ロックスターにならう 上手なストレス発散方法!

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ストレス。それは現代に潜む闇。極度のストレスは頭痛や動悸に肌の不調、果ては不安やうつ状態も引き起こす。どんなに完璧でスタイリッシュに見える人でも、その裏でこいつの魔の手に非常に悩まされているということも多い。生活の中で切っても切れない存在である、ストレス。現代を生きる者にとって、ストレス程厄介で恐ろしいものはないだろう。

 

ストレスの何が恐ろしいかって、あれだよ。普段全く感じずに生活することは100%不可能だってことだよ。あなたにも、経験があるだろう。どうにかして無理やりにストレスを避けようとしても、回避した先で新たなストレスが生まれたりして。それをまた避けようとしたら、また別の要因でストレスが生まれる。「何か良い方法はないものか」と雑誌やサイトを見てみても、どうもしっくりこない。正にこの世は大ストレス時代。延々と続く堂々巡り。その姿はまさしく地獄じゃ!ストレス地獄じゃ!誰かお助け下され!!!

 

そんな大小様々なストレスがはこびる現代日本。ぼんやりと音楽を聴きながら考えていたところ、あるアイデアが浮かんだ。そのアイデアというのが「ロックスターを参考にすれば、上手なストレス発散法が浮かぶんじゃないのか」というものだ。

 

どうか笑わないで聞いて欲しい。というのも、所謂ロックスターといわれる人々。とにかくどこまで行っても、ゴーイングマイウェイなイメージがないだろうか。ふと考えてみれば、脳裏にすぐにイメージが湧いてくるだろう。腹が立つことがあれば中指を突き立て、両手に美人な姉ちゃんを連れて、やや粗暴な振る舞いながらも自分自身を貫く、そんなロックスターの姿が。

 

学生時代よりロックを愛し影響されてきた僕だが、こうした彼らの行動はストレスマネジメントとしても、ならうべき部分があるのではないか。そんな風に考えた。そこで今回はロックスターあるあるを挙げながら、彼らの行動がストレスの対処法や発散方法としてどうなのか、検証していこうと思う。各々、頭の中でロックスターをイメージしながら読んで頂けたら幸いだ。

 

・気の合う仲間と騒ぐ

 

ロックスター的行動として、まず初めに思い浮かぶのがこれだ。ロックスターの方々といえば、もう滅茶苦茶に騒いで暴れるイメージはないだろうか。

 

90年代UKロックシーンを牽引したモンスターバンド・oasisは、ライブの度に毎晩パブで暴れ騒ぎまくっていたらしいし、かの有名なLED ZEPPELINにもかつて日本公演で来日した際、騒ぎすぎて宿泊していたホテルの部屋を破壊してしまったというエピソードがある。そう、ロックスターは気の合う仲間ととにかく騒ぐのである。

 

こうした経験は、ロックスターでなくともあるだろう。気の合う仲間と騒ぐ。ストレス発散という点から見ても、これはかなり良い方法なのではないだろうか。男同士で騒いでいると、途中でテンション上がり過ぎて脱ぐ奴もいたりして。中にはそのために宴会芸用の奇抜なパンツを履いてくる猛者もいたりしてな。これがとにかく楽しかったりするんだよな。

 

友達同士時間が合いづらかったり、場のテンションに左右されるというデメリットはあるが、気の合う仲間が複数人いる場合は、これはかなり良いストレス発散方法になりそうだ。

 

・飲酒

 

ロックスターといえば、忘れてはならないのが酒だ。oasisでいうCigarettes&Alcohol。ロックスターでなくとも、酒はバンドマンとは切っても切れない関係性だ。もうマジで暇さえあれば、ガブガブ酒飲んでるあいつら。あなたのイメージするロックスターも、そのイメージの中でお酒をガブガブ飲んでいることだろう。

 

ロックスター=酒のイメージといっても過言ではない程、ロックスター感のある行動・飲酒。ストレス発散の観点からいっても、とても良いのではないだろうか、と思う。程良い量のアルコールは、気持ちを落ち着け陽気にさせる効果がある。気の合う者同士でワイワイとお酒を酌み交わしたならば、日々のプレッシャーやストレスからも解放され、ほんわかと楽しい気持ちになれることだろう。まあ、僕自身は全くお酒が飲めないので、自分の経験から語ることは出来ないんですけどね。

 

デメリットとしては飲み過ぎると身体に異変をきたしたり、周りに迷惑をかけてしまうこともある、ということが挙げられる。近年のアルコール絡みの事件の多さからもこれは明白だ。それにお金も多分滅茶苦茶かかる。気付いたら財布の中が空っぽになっていた、ということもあるだろう。あくまでも飲み過ぎず、気の合う仲間と程々に楽しむことが出来れば、これも中々優秀なストレス発散方法になりそうだ。

 

・喫煙

 

ロックスターといえば、煙草。海外は勿論ここ日本でも、ロックスターと呼ばれる方々の喫煙者率は非常に高い。NIRVANAカート・コバーン氏やミッシェル・ガン・エレファントの面々など、煙草を吸うロックスターを見たことがある方も多いだろう。

 

ロックスターに限らず煙草を嗜む喫煙者にとって、これはかなりストレス発散になるだろう。気分を切り替えたい時や何となくモヤモヤした時。仲間と語らう時や、最高の一仕事を終えた時。そんなシーンで吸う1本は格別に美味いものだったりする。

 

様々な場面を美しく彩る煙草は、喫煙者にとっては最高の嗜好品のひとつだが、デメリットは非常に多い。まず、身体にとても悪い。喫煙によって癌や脳卒中心筋梗塞などのリスクは大きく高まり、健康的な観点で見れば疑問が残る。しかもこのご時世。副流煙や臭いの問題もあり、喫煙者への風当たりは強い。確かに吸わない人にとっては迷惑でしかないよなあ、と思う。THE YELLOW MONKEY吉井和哉氏やエレファントカシマシ宮本浩次など、ヘビースモーカーでもきっぱりと煙草を止めるミュージシャンも近年は多い。

 

そもそも、喫煙所自体が撤去されて吸う場所がないというケースも多く、煙草を愛する喫煙者にとっては、ストレスを解消するどころか、逆に溜めることになってしまうかもしれない。

 

・悪いお薬

 

ロックスターといえば、悪いお薬。何つぅか、やったことないから何とも言えません。というかやっちゃダメだ、絶対。ロクなことにならないぞ。悪いお薬、ダメ!ゼッタイ!倒置法だぞ。お兄さんとの約束だぞ。

 

・不純異性交遊

 

お次はロックンロールの3大原則であるセックス・ドラッグ・ロックンロールの内のひとつ、不純異性交遊だ。ロックンロールヒストリーにおいては、語られることも多いこの不純異性交遊。宿泊するホテルに若いちゃんねー連れ込みまくりーの、酒池肉林のパーティ三昧しまくーりのと、偉大なロックバンドにはこうしたシモ関係のエピソードは付き物だ。

 

恥ずかしげもなく告白すると、女の子とまともに会話することも出来なかった中学高校時代などは、女の子たちと楽し気に会話するイケイケなサッカー部などを眺めながら、「ロックスターってすげー!俺もロックスターなりてぇー!」などとひとり興奮していたものだ。若いですね。

 

しかし、歳を重ねて今現在。不純異性交遊しまくりのバリバリ不健全な20代を夢見ていた僕だったが、今も当時と変わらずに全然バリバリじゃない。未だに初対面の女の子と会話すると緊張するからね。ロックスターどころか、当時のサッカー部にも負ける我が異性とのコミュ力よ。

 

ていうかあいつらマジ何なの。10代の多感な時期に、あそこまでグイグイイケるとか逆に怖いわ。更に俺の場合、バンドやっても全然モテなかった。普段キャーキャーいってるJDも、俺の出番の時だけはキャーキャーいってくれなかったよ。でも何故か男子にはモテた。お前らあの時はありがとな。

 

まあ何がいいたいかというと、どうも僕は女の子とイチャコラするのが苦手なたちらしい。そもそも酒池肉林のパーティ三昧だからといって、それは本当に幸せなのだろうか。その場の性欲や孤独は満たせても、きっと心の奥底までは満たせはしない。それならば自身が本当に必要として心から愛せる誰かと一緒に過ごした方が、遥かに心は安らぎ、ストレスも軽減するのではないだろうか。そういった点でも、あまり良いものではないのかもしれない。

 

・ていうかロックスター自体ストレスで大勢死んでるよね?問題

 

「ロックスターにならう上手なストレス発散方法」と題して綴ってきたが、いかがだっただろうか。ストレス発散の方法に参考になれば幸いだ。ってこれあんまり参考になんねぇっすね。

 

「気の合う仲間と騒ぐ」「飲酒」辺りはストレス発散になりそうだけれど、基本的には一長一短。僕自身普段あんまりやらないことばかりなので、検証のしようがないというのもある。そして何より注目すべきは、伝説級のロックスター自体酒や薬物の過剰摂取や病気などで大勢亡くなっているという事実だ。

 

何が彼らを酒や薬物、そして死に向かわせてしまうのかといわれたら、それは常に人前に立ち、売上だけでなく最高のパフォーマンスを発揮し続けなければならないという多大なプレッシャーやストレスだろう。考えても見て欲しい。毎度のライブや音源の制作や発表に際して、常にファンの目線が付きまとうのだ。きっと並のストレスでは考えられない程の重圧だろう。

 

過剰なストレスは心身の不調だけでなく、時に人を死にも追いやってしまう。それはきっと自分らしく、伸び伸びと過ごせるようなストレス解消法を見つけるしかないってことだろう。飲酒やバカ騒ぎもたまにはいいが、そうした刹那的なストレス解消法ではなく、自分らしく過ごせるゆったりとした時間を持つことが大切なのかもしれない。

 

あの頃偉大なロックの先人たちが教えてくれたのは、自分らしくいる強さと覚悟ではなかっただろうか。僕らはただ、自分らしくいられるような時間や人たちと過ごしながら、時に泣き笑いながら、このくそったれな世界を自分だけのやり方で転がっていくしかないのだろう。まあそれが一番難しいのだけれど。数々のストレスが襲いくる、大ストレス時代。しっかりと向き合うのも投げ出すのも結局は自分次第ですね。

 

 

本日のテーマソング

DOES/修羅

俺的!最高にエモいおすすめのエモバンド10選

世の中に数多存在するロックの中でも、僕は「エモ」と呼ばれるロックが大好きだ。

 

一般的に、疾走感溢れる感情的な演奏に乗せて、情緒溢れる哀愁のあるメロディを歌ったロック、と定義されるエモ。初めて聴いた高校生以来、ふと気付けばエモを感じるバンドばかりを好んで聴くようになってしまった。例えるならば、心の空いたピースに音楽の枠がぴたっとハマる感じだろうか。僕はそんな感情的な演奏に、切ないメロディが乗っかったエモが、たまらなく好きなのだ。

 

そんな中、日々高まり続ける愛情故に、何だか無性に「エモについての熱い想いを語りつくしてえ!」「何かかっこいいバンドないかなあ、エモって一体何ぞや?って人にも、エモの魅力を伝えてえ!」「むしろ一方的におすすめしてえ!」という想いが湧き上がってきたので更新したのが今回の記事。

 

題して、俺的!最高にエモいおすすめのエモバンド10選。恒例の俺的シリーズの一環として、正統派エモにスクリーモ系、ポストハードコア系など、音楽性にエモの要素を含んだバンドを、熱く語りつつおすすめしていくつもりだ。

 

「あーこのバンド俺も好き!」「これ知らねぇや、聴いてみよう!」と読み方は自由。どのバンドも最高にかっこ良くおすすめなので、各々の見方で楽しんで頂けたら幸いだ。それでは早速いってみよう。レッツ・エモーショナル。

 

 

MY CHEMICAL ROMANCEマイ・ケミカル・ロマンス

 

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まず最初のバンドは、アメリカニュージャージー州出身の5人組バンド、MY CHEMICAL ROMANCEマイ・ケミカル・ロマンス)だ。

 

パワーコードを中心にこれでもか!と弾きまくるツインギターに、名曲「Helena」に代表される泣きのメロディは、エモの醍醐味である疾走感と叙情性を感じるのにぴったり。MY CHEMICAL ROMANCEの特徴でもあるゴス調の衣装や曲調でもって、微妙に中二病を引きずる高校時代の僕を、洋楽へ、そしてエモへと走らせた張本人的なバンドである。懐かしい。

 

正式にエモなのかといわれたら微妙なところだが、感情的で切ない泣きのメロディは、ロックミュージックにおけるエモ感を十二分に体現していると思う。思えば当時、エモやスクリーモといえばマイケミ!みたいに宣伝されていた気もする。そうした思い出もあって、そこに感じた「これがエモか!かっけえ!」という気持ちは、確実に今の僕の音楽の好みやツボを形作っていると思う。

 

「Thee Cheers For Sweet Revenge」は今聴いてもかっこいい名盤。

 

スウィート・リベンジ

スウィート・リベンジ

 

 

 

The Used(ザ・ユーズド)

 

youtu.be

 

エモといえば忘れてはならないのが彼ら。スクリーモの代表選手としても語られるアメリカのポストハードコアバンド、The Used(ザ・ユーズド)だ。

 

激情系ハードコアな激しい楽曲に正統派エモ、更にはバラードなども演奏する幅広い音楽性が魅力的な彼らThe Usedだが、最大の特徴といえばやはり、ボーカリストであるバート・マクラッケン氏の生々し過ぎる絶叫ボーカルだろう。

 

こうしたスクリーモ系の絶叫には、優れたボーカルテクニックを用いた絶叫も多いけれど、The Usedの絶叫には何だろう、そうしたあざとさを全く感じない。テクニックなんか関係ねえ、叫ばなきゃ気が狂いそうさあ!とでもいうようにブチ切れまくるボーカルには、ささくれだった心に塗る、傷薬のような優しさを感じてしまう。

 

ブチ切れまくった絶叫ボーカルを体験したい方は、ぜひ1stアルバムの「The Used」と2nd「In Love And Dearth」をおすすめしたい。

 

THE USED(初回)

THE USED(初回)

 
 

 

 

The Get Up Kids(ザ・ゲット・アップ・キッズ

 

Holiday

Holiday

  • provided courtesy of iTunes

 

次におすすめするのは90年代アメリカンエモの代表、The Get Up Kids(ザ・ゲット・アップ・キッズ)だ。

 

疾走感溢れるサウンドに哀愁漂う情緒的なメロディが乗った、エモのお手本のようなサウンドが特徴のThe Get Up Kidsだが、個人的には楽曲からにじみ出る、がむしゃらな童貞感が最高に好きだ。特に2ndの「Something To Write Home About」が好き。有名なロボジャケも曲も含めて好き。

 

まず1曲目の「Holiday」から、流れが最強過ぎると思う。好きなあの娘を想って、「こんな休日に君に会えたら幸せなんだけどなぁ!!!」と叫び散らかしている曲だと勝手に解釈しているのだけれど、その歌詞からして最高じゃないですか。最高にエモーショナル(感情的)じゃないですか。誰かを一方的に好きになる度に聴きたくなる。君がいった「おやすみ」って言葉は、きっと「さようなら」って意味だったんだ、なんて切ねぇですよね。最高。

 

 

 

COPELANDコープランド

 

 

アメリカはフロリダ州にて2000年に結成されたバンド、COPELANDコープランド)。これがまた素晴らしい。雨の日やなんとなく寂しい気分の時に聴きたくなる、美しいエモを鳴らすバンドだ。

 

COPELANDの音楽の特徴といえば、エモ特有の疾走感のある楽曲に加えて、TRAVISCOLDPLAYのような、繊細で美しいメロディを奏でている点だろう。特にボーカリストである、アーロン・マーシュ氏の高音ボーカルが最大の魅力だ。すげえいい声なのだ、これが。

 

このアーロン・マーシュ氏のボーカル。ただ高音といっても、邦楽ロックにありがちな中性的な声ではなく、深みのある繊細さを感じさせる透き通ったハイトーンボイスなのである。この声の表現力のなんと高いことか。ひとたび歌えば、目の前の景色は一瞬にして変わってしまい、気付けばそこはフロリダの空の下。一瞬で曲の中に引き込まれてしまうような、そんな声。曲の素晴らしさももちろんだが、とにかく素晴らしい声のボーカル、バンドだ。

 

In Motion

In Motion

 

 

 

Sunny Day Real Estate(サニー・デイ・リアル・エステイト)

 

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次におすすめするのが、ご存じ92年にアメリカフロリダ州にて結成された90年代エモを代表するバンドのひとつ、Sunny Day Real Estate(サニー・デイ・リアル・エステイト)だ。知らない!という方には、ぜひ名盤として語られることも多い1stアルバム「DIARY」を聴いてみて欲しい。

 

冷静と情熱の間を行き来して静と動を繰り返す楽曲展開に、マイナー調で深い闇へと沈み込んで行くようなディープなサウンドが特徴のSunny Day Real Estateだが、その深い闇の如きサウンドに乗るメロディがまた素晴らしい。あまりメロディについて語られることがないように思うのだが、Sunny Day Real Estateはすげぇいいメロディを歌うバンドだと密かに思っていたりする。

 

決してポップとかメロディアスといった類いではないのだが、どれもふとした瞬間に響いて、胸に深く沁みていくようなメロディばかり。やや独特でクセがありながらも、すっと心に入り込んでいく素晴らしいメロディは、どことなくsyrup16gを彷彿させる。シロップとか好きな人は絶対好きだと思う。そんなバンド。

 

DIARY (2009 EDITION)

DIARY (2009 EDITION)

 

 

 

Taking Back Sunday(テイキング・バック・サンデイ)

 

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次におすすめしたいのが、99年にアメリカニューヨークにて結成されたロックバンド

Taking Back Sunday(テイキング・バック・サンデイ)だ。

 

疾走感溢れるパワフルな楽曲に、センチメンタルな哀愁漂うメロディと、これまた基本的なエモのお手本のようなバンドであるTaking Back Sundayだが、最大の魅力といえば、がむしゃらに演奏するがあまりににじみ出てしまう、ある種のダサさやしょーもなさだろう。過剰さ、といい換えてもいいかも知れない。

 

歌い上げるというよりも、歌い飛ばすというようなぶっきらぼうなボーカルに、WEEZER的なコーラスをひたすら重ねたセンチメンタルなメロディ。何となくいなたいビジュアルに過剰なパフォーマンスは、かつて流行った日本の青春パンクのような趣がある。

 

1stアルバム「Tell All Your Friends」で特に顕著なそうした過剰さや、「これしか出来ねぇ!」とでもいうような不器用ながむしゃらさは、正にエモーショナル。スタイリッシュにキメた、オシャレなバンドでは決して演奏出来ないであろう感情的な楽曲の数々は、エモのあるべき姿だと思う。

 

テル・オール・ユア・フレンズ

テル・オール・ユア・フレンズ

 

 

・The Appleseed  Cast(ザ・アップルシード・キャスト)

 

 

The Appleseed  Cast(ザ・アップルシード・キャスト)は、97年にアメリカカンザス州にて結成された90年代エモのバンドのひとつだ。最近知ったばかりのバンドなのだが、これがすごいかっこいい。僕の心にある、かっこいい!と感じるツボを刺激しまくってくる、素晴らしいエモを聴かせるバンドだ。

 

何がいいって、ポストロックの要素を取り入れた、そのポストハードコアなサウンドである。時にクリーンに、時に激しく、2本のギターによって構築される音の世界が、まるでオーケストラを聴いているように心に迫ってくるのだ。

 

かといって、何となく近づき難い雰囲気のポストロック一辺倒かといえばそうではなく。基本はしっかりとしたロック。もちろんエモ感もバリバリだ。そしてそもそもの基本になっているコード進行がいいのだろう、ポストロックの香りを散りばめながらも、感情を乗せて歌われるメロディがすげぇいい。最近知ったバンドの中では、ダントツにメロディが好きなバンドだ。

 

センチメンタルな感情をあらわにして叫び、歌い上げるそのメロディが、もうすごい泣けるのである。何を歌っているのか分からなくても、不思議と涙腺をグイグイ押してくる。ひとり寂しく膝を抱えてしまうような夜にこそ聴きたくなる。そんなバンド。

 

Mare Vitalis

Mare Vitalis

 

 

 

・COWPERS(カウパァズ)

 

斜陽

斜陽

  • COWPERS
  • ロック
  • ¥150
  • provided courtesy of iTunes

 

海外のバンドが続いたので、ここからは日本のバンドをおすすめしていこう。邦楽1発目は北の地、北海道にて結成された、知る人ぞ知る伝説のエモコアバンドCOWPERS(カウパァズ)。

 

このCOWPERSの音楽がとにかくすごい。何がすごいって、エモやポストハードコアが一般的になる前に、ここ日本でエモ的なソリッドで感情的なサウンドを鳴らしていたのが、彼らCOWPERSだ。

 

音楽的には純粋なエモというより、USハードコアを基調にしたポストハードコアに分類されるかと思うが、ツインギターによるキャッチーかつソリッドなリフや、鬱屈とした心象風景を散文的に描き出したような歌詞、哀愁漂うメロディを感情のままに叫ぶ竹林ゲンドウ氏のボーカルは、最高にエモーショナル。

 

そして何より、いいロックバンド特有の「わびさび」がある。ロック特有の危うさや肉体性、かっこ良さに、楽曲の素晴らしさが合わさったCOWPERSの音楽は、一言ではいい表せない様々な魅力に溢れている。

 

個人的に、もしバンドを組むならこんな音楽がやりたい、と思うバンドのひとつでもある。ちなみにボーカルの竹林ゲンドウ氏は、SPIRAL CHORDを経て、現在はzArAmeにて活動している。こちらもめちゃくちゃかっこいい。ライブ行きたい。

 

揺ラシツヅケル

揺ラシツヅケル

 

 

Bloodthirsty Butchers(ブラッドサースティ・ブッチャーズ)

 

ファウスト(Album Version)

ファウスト(Album Version)

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こちらもご存じ北海道出身のエモコアバンド、Bloodthirsty Butchers(ブラッドサースティ・ブッチャーズ)だ。非常に有名なバンド故に、今更僕が語る必要もないかと思うが、語らせて欲しい。

 

Bloodthirsty Butchersの何がすごいって、楽曲や各楽器のプレイひとつとっても、オリジナリティがすごいんである。仮に僕がメンバーだったとして、あの楽曲を思いつくか、弾けるかといわれたら、絶対出来ない。本当に唯一無二のバンドだと思う。

 

そのサウンドも非常に特徴的だが、何といってもこのバンドの魅力は、ボーカルギターの吉村秀樹氏の声と存在感だ。メロディが成立する、ギリギリのピッチで歌われる吉村秀樹氏の直線的なボーカルは、時に「ジャイアン」などと評されることもあるが、完成度の高い詩のように文学的な歌詞と、表情豊かな楽曲は、彼のボーカルやギターあってこそだと思う。

 

アルバム「未完成」に収録されている名曲「ファウスト」は、ここぞという勝負の時に聴きたくなる、僕にとってのファイトソングのひとつだったりする。

 

未完成

未完成

 

 

 

eastern youthイースタンユース

 

踵鳴る

踵鳴る

  • provided courtesy of iTunes

 

最後におすすめしたいのが、北海道出身で現在は東京荻窪を拠点に活動しているバンド、eastern youthイースタンユース)だ。お気付きの方もいるだろう、そう僕はこの北海道のインディーズシーンから生まれた、独自のエモ感を持ったバンドが大好きなのだ。

 

eastern youthというと、アジアン・カンフー・ジェネレーションの後藤氏やTHE BACK HORNなど、多くのミュージシャンが影響を公言しているが、そのくらい破壊力と影響力のあるバンドだと思う。

 

特に名盤として語られることの多いアルバム「感受性応答セヨ」は、泥臭さと男臭さの混じったエモの、ひとつの完成形なのではないだろうか。そのくらい好き。収録されている「踵鳴る」を始めて聴いた時などは、心臓をぶん殴られるような衝撃だったもの。

 

イントロのコード弾きから、突如として突入するオクターブ奏法のフレーズと、ツーバスで連打されるバスドラのプレイは、それだけで聴く価値があるんじゃなかろうか。胸に渦巻く感情がそのまま、歌に演奏に曲になっている。すげえ表現力だな、と聴く度に震える。

 

感受性応答セヨ

感受性応答セヨ

 

 

・まとめ

 

さて「俺的!最高にエモいおすすめのエモバンド10選」と題して、個人的に好きなおすすめのエモを厳選して紹介してきたが、いかがだっただろうか。楽しんで頂けたなら幸い。

 

こうした、衝動的かつ叙情的に、胸に渦巻く感情を歌ったエモが、僕は大好きだ。何故なら、寂しい時や悲しい時、イライラした時や恋に落ちた時、ここぞという勝負の時、様々なシーンで心の側で寄り添ってくれる素敵な歌ばかりだから。日常に潜む様々な場面で感情が揺さぶられるその時、自身も最高にエモーショナルになっているのだ。そしてそんな時こそエモは、僕らの心に優しく響き渡るのだ。

 

全てのロックファンよ、エモを聴こう。悲しいことがあっても、嬉しいことがあっても、そんな音楽たちをいつか誰かと「最高だよね!」といい合えたなら、僕ら幸せじゃないか。

 

本日のテーマソング

キウイロール/ベクトル

疲れた全ての大人たちよ、今こそ癒しのぬいぐるみを持つべし!

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実は僕には、皆様に申し上げていない秘密がある。普段この日記ではひとり暮らしを前面にアピールしているが、厳密に言えばひとり暮らしではないのである。と言うのも、ひとり暮らしに見せかけて僕の部屋には2人の同居人がいるのだ。今回はそんな僕の、秘密の同居人の話をしようと思う。

 

この2人の同居人は、ある日プレゼントとして僕のアパートにやってきた。身体は布で出来ていて、中には綿がたくさん詰まっているという、変わり者だ。すごい無口で、ロクに僕と会話をしようとしないけれど、いつも笑ったような温和な表情をしているめちゃくちゃいい奴ら。ギュッと抱きしめると、ふんわりとした優しいさわり心地なんだ。クールだろ?

 

彼らは人間ではない。というかぶっちゃけ、ぬいぐるみだ。すごいアメリカンな雰囲気の出だしで始まっておいて何だが、同居人とはぬいぐるみのことだ。僕の部屋には星のカービィと、あひるのぬいぐるみがいる。

 

枕元を定位置にして、いつも黙ってちょこんと座っている彼らだが、これが中々可愛い。彼らは僕に対して何も話さないが、その温和な表情もあって何でも受け入れてくれるような雰囲気がある。イライラした時やネガティブな感情に支配された時など、彼らの顔や身体をいじくり回しては癒されている。今では愛着も湧き、長い付き合いのマブダチのような関係性だ。

 

ストレス社会と言われる現代。テレビを付ければ、今日も悲しいニュースがわんさか流れている。そして一歩外に出れば、大きなものから小さなものまで、様々な災厄が身に降りかかる。と言っても、家でじっとしている訳にはいかない。例えストレスがあろうと多少の不調があろうと、僕らは戦っていかねばならないのだ。

 

そんな毎日。戦い、ふと疲れた身体に、心に。気付けば極々に削れた精神に。僕はぬいぐるみをおすすめしたい。大人たちよ、恥ずかしがっている場合ではない。今こそ、癒しのぬいぐるみを持つのだ。

 

え?ふざけるな?あっちに行け?いやいや、落ち着いて欲しい。頼むから「こいつ、引くわー」みたいな念を送るのはやめてくれ。確かに文章はふざけているが、心はいたって真面目だ。というのも先日、非常に興味深いある記事を目にしたのだ。

 

josei-bigaku.jp

 

上記の記事によれば、可愛いぬいぐるみと過ごすことによってリラックスやストレス解消、安眠などの効果があるらしい。意識していた訳ではないが、その効果は自分を振り返ってみても「なるほど、確かに」と頷けるものばかりだ。事実冒頭に書いたように、僕自身癒されまくりなのである。「長い付き合いのマブダチのような関係性だ」とか言っちゃってるし。

 

性別や年齢に関わらず、我々の心の中には少なからずギャルがいるものだ。「何言ってんだ、こいつ」「もうこいつのブログ読むのやめよ」と思っているであろうそこのあなたよ、待ってくれ。

 

犬や猫などの可愛い動物を見てふと癒された、という経験はないだろうか。人は少なからず、可愛いものを目にすると反応し癒されるものだ。好みや程度はあるだろうが、可愛い動物やキャラクターを見て、「あ、何かあれ可愛い!」と感じることがあるはずだ。それこそが、心の中のギャルの部分だ。ぬいぐるみは普段ひた隠しにしている、そんな心の中のギャル的な部分をビシバシと刺激してくるのである。

 

そういえば、芸能人や有名人にもぬいぐるみを愛好している方は多い。フィギュアスケート羽生結弦選手のクマのプーさん好きは有名だが、他にもミュージシャンの大槻ケンヂ氏やTOKIO長瀬智也氏、お笑いコンビ・サンドウィッチマン伊達みきお氏などもぬいぐるみ好きを公表している。

 

こうして調べてみると、いかにぬいぐるみ好きの多いことか。もうこうなったら、ぬいぐるみに癒しを求めて行くしかないだろう。多種多様な価値観が認められている今だからこそ、見えないストレスを抱えがちな現代だからこそ、僕たちは、爆発する前に癒しのぬいぐるみを持つべきなのだ。

 

え?何々?大人だし、ぬいぐるみが〜って言うのはどうなのかって?大丈夫だ。そんなこと、初めから周りの人間に話さなければいい。 あくまで自分の部屋というプライベートな空間でのことだ。そこまで周りの人間に配慮する必要はないのだ。

 

そもそも引かれるとしても、それはあなたではなくこんなことをブログで日本中に拡散している俺だけだよ。多分何人かには確実に「こいつ何言ってんだ」と思われてるからね、これ。引かれて傷つくのは俺だけだからね。読んでいるあなたは何も引かれることはないのだ。

 

だからこそ。絶え間なく続く戦いの日々に磨耗し、 傷つき、疲れた君よ。今こそふわふわした愛らしいぬいぐるみに癒されるのだ。癒しの世界に、さあ飛び込もう。

 

本日のテーマソング

brand new/The Quiet Things That No One Ever Knows

 

syrup16gが活動休止!?それでも僕はシロップが好き

遅ればせながら先日、syrup16gが活動休止するというニュースを聞いた。最新アルバム「delaidback」発売後のツアーである、COPY発売16周年記念ツアー「十六夜<IZAYOI>」にてアナウンスされたとのこと。

 

初めてその知らせを聞いた時にはぶったまげた。精力的にアルバムのリリースやツアーを行っていただけに、「マジか」と思った。何だかんだ言ってまだライブ行ったことないのに。と言うか「五十嵐氏の身に何か!?」と心配してしまった。

 

syrup16g「このへんで一休みします」。ツアー最終夜は「冥途」 (2018/02/09) 邦楽ニュース|音楽情報サイトrockinon.com(ロッキング・オン ドットコム)

https://rockinon.com/news/detail/173027

 

しかしどうやらネガティブな活動休止ではなく、あくまで「一休み」らしいですね。なるほど。一休みならば致し方ない。今までもそうだったように、またひょっこりと戻ってきそうではないか。十分に休養して戻ってきたsyrup16gが、今度はどんな曲を聴かせてくれるのか、今から楽しみだ。

 

そんな訳でここ数日は、syrup16gばかりを繰り返し聴いている。やはりsyrup16gは最高にいい。晴れた休日の昼間から聴く音楽ではないのかもしれないが、そんなん関係ないもんね。いいもんはいいもんね。久々に聴いたsyrup16gは、まるで春の日差しの暖かさのように心地良いものであった。

 

それにしても、もう何回も聴いて新鮮味などないはずなのに、何故ここまで心に沁み込んでくるのだろうか。何故聴くたびに「ああ、やっぱりsyrup16gはめちゃめちゃいいな」としみじみしてしまうのだろうか。それはきっとsyrup16gがどんな音楽よりも押し付けがましくないからじゃなかろうかと、考えていた。

 

そうsyrup16gは、いや五十嵐隆氏は、その思想も哲学も経験も、何ひとつとして我々に押し付けたりはしないのである。分かりやすく言えば、アレだ。「お前もっと頑張れよ!」みたいなマッチョイムズ極まる主張がほぼほぼないのである。「お前らもっとさ~」というマウントを取るが如き主張も、ない。

 

あるのは「君は死んだ方がいい」*1と歌う「デイパス」に代表される、圧倒的に冷めた、自身を客観視して突き放すような歌詞と、シンプルな4拍子の曲に見せかけて密かに3拍子を絡ませてくる「イエロウ」のような、何食わぬ顔でさらりと工夫したアレンジを入れてくるサラッと感。関係ないけど、これと「ニセモノ」のイントロは、バンドでコピーした時戸惑ったっけ。

 

そう全ての要素が、実にさりげないのである。思わずドキリとさせられてしまうパンチの効いた歌詞も、シンプルに見えて工夫の凝らされたアレンジの数々も、全て実にさりげなく、さらっとした質感を持っているのである。

 

そこにはロックバンドにありがちな、「俺らロックだろう~?」とも言うべきギラギラとした過剰さはない。演奏も歌も、さらっとさりげなく僕らリスナーに放ってくる。そしてそんなさりげなさは、まるでボディブローのように我々の心に刺さり、ふとした瞬間にじわじわと効いてくるのだ。

 

そうしたsyrup16gの音楽には、押し付けがましさが全くない。不思議と僕は彼らの音楽に、落ち込んだ時に何も言わずに側にいてくれる友人のような、優しい体温を感じる。そうしてsyrup16gの音楽に優しい体温を感じるたび、僕は学生時代のしょっぱいエピソード思い出してしまうのだ。

 

突然だが僕の話をしよう。大学時代、好きだった女子にフラれ、部屋でひとり不貞腐れていた時のことだ。

 

そんなある日、よくつるんでいた友人が部屋にやってきた。まあ部屋にきたと言っても、別に慰めよう会を開こうとかではない。「暇かー?」っつって遊びにきただけ。2人でタバコを吸い、くだらない話をして、コンビニの弁当を喰らう。それだけ。

 

しかし僕自身は相当酷い顔をしていたと思う。そんな僕を見かねたのだろう。ART-SCHOOLの「SWAN SONG」を流しながら、彼はポツリと「まあ別に、這いつくばったままでもいいっしょ、関係ねーよ」と呟いたのである。「この曲めっちゃいい曲だよね、お前のこと歌ってるみたいだよな」と。

 

何と返したかは覚えていないが、意見やアドバイスを語ることもせずに、何も押し付けずに、ただ「別に這いつくばったままでもいいんじゃない?」と側で笑う彼の優しさが、とにかく嬉しかったことを覚えている。

 

syrup16gの音楽はそんなあの時の優しい感覚と、同じ匂いがする。ただあるがままを受け入れ、「這いつくばったままでもいいんじゃない?」と笑う友人の優しさと、よく似ているのだ。

 

確かにsyrup16gは明るい音楽ではない。と言うか暗い。人間の感情の奥底に沈んだ、よどんだ部分をすくい上げるかのような、ドロドロとした生々しい曲も少なくはない。しかし、言いようのない不安や悲しみ、モヤモヤに包まれた時、僕らが本当に求めているのは「頑張れ!」や「ポジティブに行こう!」というような言葉ではない。そんな時、そういった言葉はきっと胸に響かないだろう。虚しく右から左へと流れていくだけだ。

 

そんな時こそ、むしろどこか投げやりで、何も押し付けない、しかしまるで親しい友人のように「あー分かるわ、しんどいよねぇ。。」と側で呟くように歌う、syrup16gの音楽が優しく響くのだ。

 

何も押し付けずに、ただ側にいるように、側で呟くように歌う。そんなsyrup16gの音楽が僕は大好きだ。一休みが終了して活動が再開したら、今度こそライブを観に行こうと思う。

 

delaidback

delaidback

 

 

本日のテーマソング

syrup16g/デイパス

 

*1:syrup16g:デイパス より歌詞引用 作詞作曲:五十嵐隆

やたらとマウントを取るのが大好きなバカ者たちへ

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普段の生活で交わす、上司や同僚、友人や家族とのコミュニケーションにおいて、こんな会話を経験したことはないだろうか。

 

「いや~最近忙しくて3時間しか寝てねぇよ~、お前は暇そうで羨ましいわぁ~、最近昇進して忙しくてさ~、まぁ毎日充実してっからいいんだけどさ~」

 

「やっぱこの年になったら身なりには気を使わないとね~、えまだ1000円カットで髪切ってるの?それはヤバいでしょ~普段有名サロンで切ってるからさ~そこは気を付けた方がいいよ~!」

 

書いてるだけでモヤモヤしてきた。俗にいう「マウンティング」「マウントを取る」と呼ばれるこうした行為に、何だかモヤモヤイライラで、悩んでいる人も多いのではないだろうか。ていうかそれ、俺だよ!モヤモヤイライラが果てしねえ。髪の毛抜けそう。

 

そんな訳で、ここ最近耳にする「マウントを取る」と呼ばれる行為について、ちょっと真面目に考えてみたい。

 

・「マウントを取る」って一体何だ!?

 

そもそも「マウントを取る」とは、一体どういう意味なのだろうか。

 

上記会話のように、他者に対して「俺の方が優れているんやで!」と暗に自身の優位性をアピールする行為を指す言葉で、動物のサルが群れの中で自身の立場をアピールするために行う習性に由来しているらしい。

 

いつの間にか世間にも浸透した感のある、この「マウンティング」「マウントを取る」と呼ばれる行為。個人的な感想を述べさせて頂くなら、もう俺はアレだ。マジうぜぇ!!知らねぇよバカ!ってなもんだ。アピールしたいのか何なのか知らねぇけど、俺を巻き込むんじゃねぇよ!!と思うし、言いたい。

 

そう、俺は怒っているのだ。こうした行為に、何よりこうした行為を行ってくるバカ野郎たちに。可能なことなら怒りのプンプンビームを炸裂させて、漫画「ドクタースランプ」のごとく、地球ごと破壊したい所存である。

 

・マウントを取りたがる人たちに俺はもううんざりじゃ!

 

怒っていると言ってもね、そんな1回2回ことで怒るほど気は短くないですよ。不思議なことに、中学高校大学と来て果ては大人になった今でも、そういうタイプの人間が多いなあということに気付いたのだ。

 

「来るもの拒まず、オールオッケー」なオープンマインドな僕の性格やスタンスが、そういった人たちの深層心理を刺激してしまうのだろうか。周囲の人間に恵まれているな~と感じる反面、常に一定数そういったタイプの人たちにも好かれてしまう。気付けば辺りは火の海、地獄絵図。もうマウント取られまくり、何かモヤモヤすんなあ~という状況になりがちだ。

 

マウントを取りたがる人たちは容赦がない。面白エピソードとして自身の失敗談などを話そうものなら、すかさず「もっとさ~こういうスタンスでいきゃあいいのに、そういうところほんとバカだと思うよ、俺はそんな時こんなスタンスでやってるよ、そういうのが大事だと思うよ、だからお前は~」などと、アドバイスからの説教が始まったりする。

 

こっちが「もっとさ~こういうスタンスでいきゃあいいのに」と言いたいくらいだよ、そんなん。もちろん、気心の知れた友人や上司からの純粋なアドバイスであれば、素直に受け入れるどころか、むしろ「貴重なアドバイスをありがとうございます!」てなものだが、この場合は何だか性質が違うように感じる。

 

言葉の陰に、見下しているような感情や優位性をアピールして自慢したい、というようなニュアンスをビシバシと感じてしまうのだ。これではモヤモヤイライラするなと言う方が難しい。もううんざりじゃ!と言いたい気持ちでいっぱいだ。誰か助けてくれ。

 

・俺的!マウントを取りたがる人への対処法

 

 

そんなマウントを取りたがる人たちの、執拗なマウンティング攻撃に、僕たちはどう対処すればいいのだろうか。思うに、単純にシカトかスルーが1番の対処法ではなかろうか。

 

彼らマウントを取りたがる人たちには、褒められたい、認められたい、なめられたくない、自身の優秀さを見せつけることで相手をコントロールしたい、という思いがあるのだろうと思う。

 

しかし、人の価値観はそれぞれだ。こちらとしては、何もそういったポイントで承認欲求を満たしてどうこうしようとは思っていない。何ならひとつひとつ問題をクリアして、周囲からはもちろん、自身をも認められるようになるのが1番いいんじゃねぇの?位に思っている。価値観の相違って奴だ。

 

何故執拗なマウンティング攻撃にモヤモヤイライラしてしまうかと言えば、そういった状況で、こちらとしては初めから同じ土俵で勝負しようとしていないのに、執拗に粘着・攻撃を受けてしまうからだ。

 

先ほどの会話を例に出せば、こちらはそもそも「失敗に絡めた面白エピソード」を話したいだけで、決して自身の能力に関する話しをしたい訳ではない。それに対して能力の優劣について批判のような返しをされれば、たちまち会話の質は変わり、見下され小バカにされた嫌な気分だけが残ってしまう。

 

しかし、そこで嫌な気持ちになる必要など本当にあるのだろうか。会話の中で、能力の優劣について話しているつもりなど、こちらは少しもないのだから。つまり、初めから彼らマウント取りたいマンと同じ土俵には立ってないのである。同じ土俵に立っていないのだから、勝負などする必要は初めからないのだ。よく言われるように、華麗にシカトかスルーを決めて、相手にしないのが1番だろう。

 

・時には戦う姿勢も大事!なのかも知れない

 

 

基本的にはシカトとスルーで、初めから相手にしないのがベストだと思うのだが、1番厄介なのが、その中で「こいつなめても大丈夫だわ!」と思われることだろう。

 

こうなってしまうと、もう本当に面倒くさい。会話の中で、時折マウントを取られて好き放題言われるのはまあ我慢出来たとして、完全に見下した態度・発言などを繰り返されようものなら、いかに森のくまさんの如く温厚な僕でも、ブチ切れ確定案件だ。キャメルクラッチからのキン肉バスターからのマッスルドッキング喰らわせたいっすね。出せるなら霊丸とかも撃ってあげたいですね。

 

もうさ、こうなったらコミュニケーションがどうこうって問題ではなくなってしまうのだ。美しき日本語の流れが完璧に崩壊。生まれるのは誰かの基準にのっとった、偽りの上下関係のみだ。もう意味分かんないですよね。そしてこういうのが大好きな奴って結構いますよね。

 

そんな時には、迷わず戦闘態勢に移る必要があるだろう。よく使われるシカトやスルーにも限度がある。コミュニケーションが完全に崩壊したとあらば、「あ、こりゃダメだな」と思ったのならば、そんな小手先の技に頼ることもないだろう。ていうか経験上、そうなったら無理です。シカトとスルーも、マウンティング上級者には少しも通用せんでな。持てる戦闘力を全て投下して、戦う必要が出てくるのだ。

 

ブチ切れか、徹底的に理屈で言い返すのか、相手の言葉のあらを探して同じように返すのか。クレバーに巧みな話術で丸め込んでしまうのも手だろう。霊丸やかめはめ波を放つジャンプヒーローの如く、自分だけの必殺技やファイティングポーズをととることが必要不可欠なのだ。

 

幽遊白書で言えば、マウントを取りたがる彼らは戸愚呂弟。僕らは浦飯幽助だ。全力で向かってくる戸愚呂弟に対して、幽助が全力の霊丸を放って勝利したように、僕らも戦わなければならない。ブチ切れという名の霊丸を撃つのか、かめはめ波を撃つ如く理論的に毅然と言い返すのか。そんな時、心にジャンプヒーローを。友情と努力と正義を。

 

彼らのように、自分だけの必殺技やファイティングポーズを持って立ち向かうのだ。ますます複雑さを極める現代社会。そうやって僕らは、血を血で洗うような戦場を颯爽と駆け抜けていかねばなるまい。って何だこの終わり。

 

ムカつく相手にガツンと言ってやるオトナの批判術

ムカつく相手にガツンと言ってやるオトナの批判術

 

 

 

本日のテーマソング

THE BACK HORN/戦う君よ

 

 

 

 

初めてのエレキギターこそ見た目がかっこいい1本を選ぶのだ

前回「初心者でも大丈夫!大学の軽音楽サークル入部のススメ」と題して、上から目線で好き勝手にアドバイスを語る記事を更新した。

 

kawabeko1991.hatenablog.com

 

そこで1点、楽器を始めるにあたって重要な、あるポイントを書き逃してしまったので、今回は補足としてそいつをテーマに語っていこうじゃないか。それもズバリ、初めて買うべき楽器についてである。

 

ギターにしてもベースにしても、多くのメーカーから様々なモデルが発売されており、初心者におすすめ!と謳った商品もこれまた多い。そんな中から自身が買うべき楽器は何だろうか、どれを選べば良いのだろうかと、迷うことが多いのもまた事実。

 

様々な意見があるが、個人的には、自分が一番かっこいいと思った楽器を買えばいいんじゃね?思っている。

 

「大学生になったことだし、興味のあったバンドでも始めてみようかな」と思った方々が、ひとたびインターネットで楽器について検索したとしよう。そうしてネット上に出てくるのは「初めは初心者セットがおすすめ」「いや初心者セットはおすすめしない、とにかく高い値段の楽器を買おう」「自分の身体や手にフィットした楽器を選ぶのが良い」「いや音が好きな楽器を選ぶべき」といった、数々の相反する意見。

 

鬼のように存在する意見に、心のキャパは崩壊。遺憾ともしがたい混乱状態に陥ってしまうことは確実だろう。

 

何というか、僕がそうだった。高校時代、アルバイトで貯めたお金を手に楽器屋へ向かって愕然とした。沢山ある楽器の中からどれを選べば良いのか、皆目見当もつかなかったのだ。

 

見渡せばフロアには初心者セットの安価なモデルから中古楽器ギブソンフェンダーなどのそこそこ値段のするモデルまで、所狭しとギターが並んでいた。店員さんは何だか怖そうだし、携帯電話で調べてみれば上記のような意見が乱立している。心のキャパは当然崩壊し、ギターを見に来たというのに「今晩の晩飯は何かなあ」などと考えだす始末。こりゃいかん!と逃げ帰るようにお店を後にした訳だ。

 

そこで、そんな経験を踏まえた上でいいたい。初めての楽器。様々な意見が存在する中、僕は単純に見た目がかっこいい!と感じた楽器でいいんでないか?と思うのだ。

 

僕の話をしよう。そんなこんなで僕が初めて買ったギターは、レスポールのゴールドトップモデルであった。よく分からんメーカーの、2万円でおつりがくる位のものだったと記憶している。

 

僕がレスポールに興味を持ったのは、当時ASIAN KUNG-FU GENERATIONBUMP OF CHICKENELLEGARDEN銀杏BOYZなど、レスポールをメインで使用しているバンドをよく聴いていたことがきっかけだった。

 

その中でも特に好きだったのが、スピッツ三輪テツヤ氏やASIAN KUNG-FU GENERATION喜多建介氏。一般的に、重く図太い音がするといわれているレスポールを使用しながらも、決して歪みに頼らずに、楽曲に寄り添ってそっと色を塗っていくようなギタープレイに惹かれたのだ。「俺もこんな風にギターを弾いてみてぇ!」と思った。そして何より、その見た目がかっこいい。

 

ずしりとした重量を感じさせるボディに、女性の身体にも例えられる曲線的なシェイプ。超かっこいいやん。低めに構えて掻き鳴らしたら、ロックスター感バリバリやん。そして安価なモデルでは珍しい、渋みとスタイリッシュさを共存させたようなゴールドトップのカラー。「何これかっこいい!!弾いてみてぇ!!!」と他のモデルには目もくれずに購入したのだった。

 

「見た目がかっこいい」というと、何やらバカっぽい響きもしてアレだが、単純にその方が気分が上がるのである。音や身体にフィットするか否かももちろん大事なのだが、まず初めの段階において、この「気分が上がる」というのは非常に大事な要素だと僕は思うのだ。

 

何故ならかっこいいが故に、何度でも手に取って弾きたくなるのだ。弾けないなりに練習を繰り返し、パワーコードでも弾けると嬉しかった。NIRVANAの「Smells Like Teen Spirit」のイントロとか、延々と弾いていたのを覚えている。調子に乗って、鏡の前に立ってかっこいい弾き方を研究しちゃったりしてな。右も左も分からない状態でも、気分が上がれば自然と弾く回数が増えるのである。

 

この弾く回数が増えるというのがまた大事で、何事も触れる機会が増えれば、自然と上達していくもの。そして覚えていくうちに音の好みが出てくれば、音作りや改造などにも手を出したりして。そんなひとつひとつがまた楽しかったり、技術向上に繋がったりするのだ。

 

こうした気になるポイントがまず見た目だと、ピックアップやピックガードなどはある程度変えられても、基本的には新しいギターを買う他ない。安いモデルもあるにはあるが、なかなかホイホイと買い替えるものでもないし、得策ではないだろう。コスパも良くないし。弾きやすさや身体に馴染むかなどに関しても、ある程度弾けるようになってからまた新たに吟味すれば良いのだ。

 

まずは楽しく弾けるかどうか。楽しく出来れば自然と技術はつき、段々と弾ける曲も増えて来るだろう。だからこそ初めの1本は、何度も弾きたくなるような、見た目が好みの楽器をおすすめしたいのだ。俺は。

 

楽器を始めたいと考えているそこの君よ!楽器は見た目で選ぶのだ!君がかっこいい!と思う楽器を手に入れれば、地味で退屈な練習も楽しくノリノリで行うことが出来るだろう。そして気付けば鏡の前で夢中になって弾いているはずだ。

 

 

本日のテーマソング

ASIAN KUNG-FU GENERATION/新しい世界