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黴ブログ

好きなものやことを、徒然なるまま書き散らす。

「小説 君の名は。」を読んだ

はろー、皆さんいかがお過ごしでしょうか。久々の更新でござる。

映画版の「君の名は。」に引き続き、小説版の方も最近読了したので、今回はレビューを書きたいと思うよ!それじゃ行きまーす!!

 

 以前このブログでも書きましたが、映画を先に観て、そのクオリティの高さから心に残るものがあったので、購入した本作!映画を観た後で読むことで、1度の観賞では理解し切れない部分まで知ることが出来、より深く作品に触れられるような作りになっていると感じました。

小説は基本的に映画同様、三葉視点・瀧視点で交互に綴られています。そこに新海誠氏の、分かりやすくシンプルながら、感情の機微や情景を繊細に描写した文章で描かれる本作。新海監督のファンや読書好きは勿論、普段本は読まないという方も楽しめるのではないでしょうか。また映画を観ていなくとも、小説のみでも充分楽しめる内容になっていると思いました。

 

多くのファンの方と同様、映画を観た後で、補完的に小説版を読む、というパターンでこれまで新海作品に触れてきた私。しかし今回の「君の名は。」に関しては、正直、「小説版はいいかな。。。」という気持ちでいました。これまでの、あえて全てを長々と説明しないような、監督のセリフ回しによって、登場人物の思考や気持ちを想像する余地のあった作品とは違って、思考や気持ちも視聴者に完全に伝わるように描かれていると感じたので。しかし、物は同じでも映像と文章では、その表現手法は違うわけで。「私・俺」の完全な一人称で綴られる文章は、映画の三人称視点(いわゆる神の視点てやつ!)とは違って、セリフ以外の主人公2人の感情や思考も明確になっています。それによって、「そうか、この時三葉や瀧は、こんなことを考えて、思っていたのか!」と内容自体は映画と一緒でも、二度楽しめる作りになっています。映画の後半のスピード感ある展開も、小説ならではの、場面転換を駆使した構造で表現されていて、映像・文章と表現媒体は違うものの、各媒体の美味しいポイントをしっかりと押さえた表現が「流石!」な出来。

 

また、映画で一度観ただけでは「?」になっていた箇所(どうして父である市長は三葉の言葉を信じて市民を避難させたのか、宮水の巫女とは何だったのか、何故髪の毛を唐突に切ってしまったのか等)も小説を読んで理解出来たので良かったです。これまでの監督の小説作品のように、もっと多くの人物の詳細を描いて欲しかった、という感想もあるかもしれませんが、語り手を三葉と瀧のみに限定している点も、個人的にはスピード感ある展開にマッチしていてこれもとても良かった。あえて主人公2人の視点のみを描くことで、スピード感は勿論、より映画の持つボーイミーツガールな雰囲気を強調出来ていると思ったので。映画で非常に印象的だったRADWIMPSの「前前前世」も、作中に音楽は流れないものの、「あ、ここ曲にインスパイアされて書いたのかな」と思えるような箇所があって、これもGOODでした。

 

これまで一貫して「僕と君の世界・大切な人の不在やすれ違い・心の繋がり」というべき、ボーイミーツガールの世界を圧倒的な表現力で描いてきた新海誠氏。作品の大ヒットで何となく敬遠している人も、興味のある方は映画と共に本作に触れて欲しいなと。初期から一貫して描いてきた、ボーイミーツガールの世界を、ぶれないどころかよりグレードアップしたスケールで描ききった名作だと感じました。

 

本日のテーマソング

the pillows/Funny Bunny