黴ブログ

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きのこ帝国「愛のゆくえ」を聴いた

はろー、はうろー?かーびーでござる。本日は11月2日にリリースされたばかりの、バンド・きのこ帝国の新譜・愛のゆくえについてのガチンコレビューを書きたいと思います。久々のレビュー記事でございます。レビューと言えば私、高校時代の夢のひとつが音楽雑誌・ロッキングオンジャパンの編集ライターになることでした。時代は流れ、今では全く関係の無い職に就いている訳ですが。時間の流れというものは恐ろしい。という訳で今回は、そんな憧れのロッキングオンジャパンのディスクレビュー風に記事を書いていこうと思います。それじゃいっくよー。

 

愛のゆくえ(通常盤)

愛のゆくえ(通常盤)

 

 

「愛のゆくえは、君のもとに。」聴き終えて真っ先に、そんな言葉が浮かびました。前々作・フェイクワールドワンダーランドから続いた、一連の愛の物語の到達点のような、そんな風景を見せてくれた、このアルバム。名盤と呼んで差し支えない、素晴らしいメジャーセカンドアルバムになっています。

前作の猫とアレルギーでも、その傾向は見られましたが、バラエティ豊かなアルバム内容で、どこかとっ散らかったような印象があったのも事実。そこでこのメジャーセカンドアルバム。アルバムを通して歌われるのは「君」や「あなた」に向けた真摯な、そして何かを決意し覚悟したような愛について。それを「これぞきのこ帝国!!」な楽曲と演奏で美しく鳴らされる本作。これまでの全作品を踏まえて、正に今現在のきのこ帝国にしか鳴らせない音楽になっていると思います。いちファンとして、こうした作品を完成させたメンバーに賛辞を贈りたい気持ちでいっぱいです。

初期の彼らを髣髴とさせる、どこか愁いを帯びたシューゲイザーサウンドの01.愛のゆくえから始まる本作。続く02.LAST DANCEや03.MOON WALKでは、シティな雰囲気の音像でアダルトな姿を見せます。インストゥルメンタルの04.を挟み、05.夏の影ではこれまであるようでなかった、しかしきのこ帝国節炸裂!なサイケなナンバーが飛び出します。そして音は表情を徐々に変えながら、何か悟ったような、愛の到達点とも言うべき、08.死がふたりをわかつまで、09.クライベイビーで静かな、それでいて確かなエモーションを燃やしてアルバムは幕を閉じます。

ここ数年彼らの音楽を聴いてきましたが、これまでの全作品の集大成のような作品になっているように感じます。しかしそれが過去作品の焼きまわし、又はある種の原点回帰になっているかというと、決してそんなことは無く、どこかサイケな香りのする新機軸も盛り込みながら、進化した、正真正銘の今を鳴らしているように思いました。そして今回、どの曲も素晴らしく、メロディーが良い!どの曲も、一聴してきのこ帝国と分かる、寂しいような、懐かしいような、しかし暖かくて力強い、ふと口ずさんでしまいそうな、グッドメロディが盛り沢山です。短いながらも、コンセプチュアルでまとまった印象もある、今作。

最近のボーカル・佐藤氏のパーソナルな部分もよく見えるような歌詞にもぜひ注目して頂けたらと思います。初期に見られたような毒や刺々しさは無いかもしれませんが、そうした歌詞とメロディ、演奏がよく合わさった、実に説得力のある確かな名盤になっていると思います。
メジャー進出によって離れてしまった人もいるかもしれませんが、個人的にはそういった人にこそ聴いて欲しい1枚。きのこ帝国のこれからに、目が離せません。

 

ということで今回はレビュー記事でお送りしました。きのこ帝国、とても良いバンドなので未聴の方、ぜひ聴いてみてはいかがでしょう。今月はこれからsyrup16gの新譜も出るし、来月には銀杏BOYZのトリビュートアルバムも出るとのことで、今からとても楽しみ。こちらももしかしたらレビュー記事書くかもしれません。キッズの頃から好きなバンドが今でも活動していて、新譜を聴けるというのは、活動休止や解散も多い中でとても幸せなことなのだと、最近思います。予定が合えばまた学生時代のようにバリバリライブに行ったりもしたいです。それでは今日はこの辺で。アデュー!!

 

本日のテーマソング

ClariS/ナイショの話