黴ブログ

好きなものやことを、徒然なるまま書き散らす。

かつてロックンロールに心を撃ち抜かれた、全ての人たちに

ロック好き同士で会った際、「最近どんな音楽聴いてるの?」「何かアツい音楽ある?」等といった話題になることはないだろうか。何なら僕なんぞは「色々聴いてるけど最近微妙だわ。やっぱ昔はさぁ~…」とかいってたりする。まだ二十代なのに。何者だお前は、評論家気取りか。完全に将来、近所で有名なロックおじさんになる予感しかしない。怖いよう。

 

自分の周りだけかもしれないけれど、ロック好き同士集まると割とこういう話の流れになることが多い気がする。どうして聴くもの全てに感動していたあの頃のように、純粋な気持ちでいれないのだろうか。どうしてそれでも尚、心高鳴る音楽を追い求めてしまうのだろうか。

 

それはきっと、かつてロックを始めて聴いた時の、あの目から鱗と涙と何かしらが次々と零れ落ちるような、天啓のような衝撃が忘れられないからだと思う。

 

神聖かまってちゃんの楽曲にロックンロールは鳴りやまないっという曲がある。ロックンロールから貰った初期衝動について歌った名曲だが、

 

初めて気がついた あの時の衝撃を僕に 

いつまでもいつまでもいつまでも くれよ

神聖かまってちゃん 『ロックンロールは鳴りやまないっ』より引用

作詞作曲の子)

 

という歌詞にもあるように我々ロックファンは、いつだってそんなあの時の衝撃を追い求めているハンターなのだ。多分。いや、きっとそう。

 

いつだってあの時ロックンロールに心を撃ち抜かれた日のように、これまでの人生で感じたことのない最上級の衝撃に出会いたいのだ。無数の「何だこれ!?」「こんなん聴いたことないぞ!」「カ、カッコ良いいい!」に襲われる衝撃。何やら訳の分からん物で殴られ、世界が120度くらい変わってしまうような衝撃。そしてそんな衝撃にまた出会いたいが為、遺跡に秘められた秘宝を探すハンターのように、どこまでもひたすら追い求めてしまう。飽くなき探求心にハンターハンターもビックリだ。ヒソカも倒せそう。

 

僕がそんな飽くなきハンターの一員になったきっかけは、忘れもしない中学2年の夏のこと。アニメの世界ではエヴァに乗ったり魔法少女の力に目覚めたりと、何かと日常が変化しがちな年齢、中2。アニメの中の彼らと同様、現実世界の中2も何かと目覚めることが多い。周りの同級生がオシャレやワルっぽいものに目覚めていく中、そんな風潮に馴染めずにふてくされていた僕は音楽に目覚めた。

 

幼馴染の親友の家にあったスピッツのスーベニアというアルバムを何となく借りて聴いたのがきっかけだった。このスーベニア、春の歌や正夢といったこれぞスピッツ!な有名曲が収録されていると同時に、ほのほにみそかやテイタム・オニールといったロック色の強い曲も収録されている作品で、ひねくれていて優しかった。しかし最高に尖っていた。ロックだ、と思った。再生ボタンを押して、1曲目の春の歌が流れた瞬間から「あ、これすげえ良いやつだ」と夢中になって聴いたのを覚えている。

 

音楽とか、クラスのイケてる奴がイケてる連中と盛り上がる為に聴くものだと思ってたのに。俺は触れちゃいけない種類の物だと思ってたのに。何だろう、この自分の心の形に添ってストン!と全部ハマる感覚は。気付いたら、「カカカ、カッコ良い!!!!」と夢中になっていたな。

 

前述したような「色々聴いてるけど最近微妙だわ。やっぱ昔はさぁ~…」という発言、皆さんも聞いたりいったりすることはないだろうか。結局のところ、そうした発言も裏返せば音楽への愛溢れるハンター故だと思う。

 

音楽を聴いたところで、悩みや不安はなくならないし、現実に横たわる様々な問題が消える訳ではない。しかし、あの頃撃ち抜かれた「カカカ、カッコ良い!!!」に貰った奮い立つような力強さを、衝撃や勇気を忘れたくないし、追い求めていたい。いつだってそんなロックンロールの衝動を心の何処かに持っていたいのだ、僕たちは。

 

またそんな衝撃をまだ見ぬ人がいたならば、かつてロックンロールに心を撃ち抜かれた、いちロックファンとして「こんなカッコ良い音楽があるんだぜ」と、伝えたいし繋げていきたいとも思うんである。

 

「最近微妙だわ。」などと発言しがちでも、個人的には一方的に否定して押し付けるつもりは毛頭ない。それぞれ趣味嗜好があるものだし。また今現在でもカッコ良い音楽を掻き鳴らしている人たちは沢山いる。僕自身、評論家の方々のように詳しい訳ではないし、まだ見ぬ衝撃に出会う機会がまだまだあるだろうし、そんな出会いがあれば嬉しく思う。

 

かのような駄文をいつも読んでくれる方々にはいつだって感謝が尽きないです。何かしら伝わっていたら感謝感激です。伝えたいし、出会いたい。だからこそこうやって文章を綴り、ブログを書いているのかもしれない。

 

スーベニア

スーベニア

 

 久々に聴いたけれど、スーベニアはやっぱり名盤である。

 

本日のテーマソング

The Birthday/くそったれの世界