黴ブログ

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あいみょんを聴くと、何故だか銀杏BOYZを思い出す

 

先日近所のブックオフへと出かけ、店内で流れる有線放送に耳を澄ませていると、ある1曲に耳を奪われてしまった。シンガーソングライター・あいみょんの「君はロックを聴かない」という曲だ。

 

まるで90年代のJ-POPのように耳なじみの良い、どこか懐かしさも感じる優しいメロディ。ロックの感動やときめきを素直に綴った歌詞。素直に「ああ良い曲だな」と思わず聴きいってしまった。今ではヘビーローテーションしている位だ。

 

しかし、このあいみょんの曲。聴いていると、僕は何だか無性に銀杏BOYZを思い出してしまうのである。

 

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あいみょんを聴くと感じる謎の銀杏BOYZ

 

銀杏BOYZに似てる?全然違うだろ」「どういう耳と感性してんだ、全然違うだろ」という声が聞こえてきそうだ。どうか落ち着いて聞いて欲しい。あ、石を投げないでえ!

 

確かに、銀杏BOYZのように叫び散らしている訳でもなければ、ガリガリに歪んだディストーションギターが鳴り響いている訳でもない。そもそも、あいみょんは女性シンガーソングライターである。音楽性どころかまず性別も違う。

 

しかし何故だろうか。聴いていると、銀杏BOYZのスピリットをたまらなく感じてしまうのだ。銀杏BOYZの、いや峯田和伸の姿が脳裏に浮かんでくるのだ。このイメージは一体何なのだろうか。僕の感性がイカれているのだろうか。

 

そんなはずはないぜ!僕の感性はまだまだ現役だい!ということで、今回はあいみょんの音楽から香るこの銀杏BOYZ感を徹底検証してみた。そこから導き出された、驚愕の事実をお届けしていこうじゃないか。

 

やっぱり僕は、あいみょんを聴くと銀杏BOYZを思い出す。 

 

あいみょんとはいったい何者?

 

あいみょんとはいったい何者なのだろうか。気になっている方も多いことだろう。

 

あいみょんは、youtubeに自作の楽曲をアップしていたことから注目を集めてデビューした、兵庫県出身のシンガーソングライターだ。インディーズでのデビュー曲となった「貴方解剖純愛歌~死ね~」の、LINEの画面を用いたmvや過激で赤裸々な歌詞が話題になったのも記憶に新しい。

 

昨年リリースした件の「君はロックを聴かない」は、有線放送で流れまくるヒットを記録し、今や女子高生を中心とした若い世代では知らないものはいない存在である。

 

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そんなあいみょんについて調べてみると、気になるのが検索ワードに「阿部真央」の名前が出てくることだ。何故に阿部真央?そんな疑問が浮かんだが、デビュー曲となった「貴方解剖純愛歌~死ね~」を聴いてみると、その理由が一発で分かった。

 

低めの声を張るようにして歌うその声や歌い方、怖いまでに赤裸々な歌詞に、ひしひしと阿部真央の音楽のエッセンスを感じるのだ。うーん確かに似ている。阿部真央のファンの方が、反応するのも分かる気がする。

 

そこで気になるのが、この赤裸々な歌詞の部分だ。考えてみればこの部分こそ、僕が銀杏BOYZを思い出す1番のポイントだったりするのだ。歌い方や声など、確かに阿部真央に似ている部分を感じられる。しかしこの剥き出しで過激で赤裸々な歌詞にこそ、僕は阿部真央というよりも銀杏BOYZのスピリットを、バイブスをたまらなく感じてしまうのだ。

 

・剥き出しの姿に感じる銀杏BOYZ・峯田のスピリット

 

例えば「貴方解剖純愛歌~死ね~」などは、

 

ねぇ どうしてそばに来てくれないの

死ね 私を好きじゃないのならば

作詞作曲:あいみょん 「貴方解剖純愛歌~死ね~」より歌詞引用

 

と、恋にのめり込んだ人間の危うさや頭のおかしさが、狂気とロマンチックの間を行ったりきたりする絶妙なバランス感覚で歌われている。何よりこの絶妙なバランス感覚にこそ、峯田和伸のバイブスを感じてしまうのだ。

 

銀杏BOYZの楽曲でいえば、「SKOOL KILL」や「あの娘に1ミリでもちょっかいかけたら殺す」「援助交際」などが当てはまるだろう。誰かに熱く恋焦がれるその時のロマンチックさと、愛するあまりに狂気を帯びてしまう恋愛にありがちな感覚を、絶妙に表現するバランス感覚があまりに上手いのである。両者に共通していえることだが、ロマンチックさと狂気。そのどちらかに振り切ったとしても、楽曲の魅力はここまで出なかったであろうと思うのだ。

 

また、話題の「君はロックを聴かない」にも同じことがいえる。男性の目線で普段ロックを聴かない相手に、

 

君はロックなんか聴かないと思うけれども

僕はこんな歌であんな歌で 恋を乗り越えてきた

 作詞作曲:あいみょん 「君はロックを聴かない」より歌詞引用

 

と、恋の喜びやロックのときめきなどを伝えるラブソングになっているが、この素直すぎる程素直な歌詞や、恋にビビりながらもロックの無敵感で立ち向かうこのフィーリング。銀杏BOYZの「エンジェルベイビー」や「ナイトライダー」における、峯田和伸の世界観やイメージとぴったり合致するではないか。

 

また「あの娘はロックなんか聴かない」という、ややマイナスな要素があっても負けずに恋に向かっていくその様は、「君に好きな人や彼氏がいても構わない」と歌う銀杏BOYZの「夢で逢えたら」のようでもある。

 

僕があいみょんに惹かれた理由が、今ならはっきりと分かる。とにかく純粋で透き通っているのだ。

 

過激と取られても構わずに歌うような純粋さが、攻撃的なまでの透明感が、心に突き刺さってくる。一歩間違うと途端にダサく、狂気的な世界観になってしまうであろうギリギリの部分を縫って、ロマンチックにキラキラと歌う様が心にグッとくるのだ。

 

その音楽や言葉は、銀杏BOYZを初めて聴いて度肝を抜かれた高校時代の、あの匂いやフィーリングを思い出させてくれるのである。

 

あいみょんを聴く若い音楽ファンにこそ銀杏BOYZをおすすめしたい

 

検索ワードの話に戻るが、検索欄に名前があることで、阿部真央のファンの方があいみょんを聴くということがあるだろう。逆にあいみょんを聴いている若いファンが、阿部真央の音楽を遡って聴く、ということもあるかと思う。

 

それも大いにアリ。好きなアーティストから、更に別なアーティストの音楽に触れていくことは、音楽を聴く上で無上の楽しみのひとつだ。その上で、どうだろう。あいみょんから阿部真央を聴き、更に銀杏BOYZの音楽を聴いてみるというのもおすすめだ。

 

過激なまでに研ぎ澄まされた、純粋で剥き出しな赤裸々に綴られた歌詞。そんな要素に惹かれた方にこそ、銀杏BOYZの音楽がおすすめしたい。「そんなの知らね」というあいみょん好きのそこのヤングアニマル達よ。今こそ銀杏BOYZも聴いてみようではないか。きっと何か感じるものがあるはずだ。そして僕と熱いロックトークを交わそうじゃないか。

 

確かに君は、あの娘はロックを聴かない。例えそうであっても少しも関係ないよね、何ていいながら。

 

青春のエキサイトメント

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本日のテーマソング

BUMP OF CHICKEN/ノーヒットノーラン