黴ブログ

好きなものやことを、徒然なるまま書き散らす。

かっこいいロックが聴きたいならzArAme「1」を聴くべし!!

 

f:id:kawabeko1991:20180321103730j:plain

 

時々「かっこいいロックバンドの条件って何だろう?」と考えることがある。曲のクオリティが高くてテクニカルなバンド?それとも見た目も曲の雰囲気もスタイリッシュなバンド?非常に感覚的な物のため、人それぞれで答えは違ってくるだろう。ちなみに僕は、細かい理屈など抜きにして身も心も刺激するような、衝動に満ちた音楽を掻き鳴らしていることがかっこいいロックバンドの第一条件なんじゃないだろうか、と考えている。

 

そんな身も心も刺激する、衝動に満ちた音楽を掻き鳴らしているバンドで、僕が今一番かっこいいと思うバンドがある。そのバンドが今回ご紹介するzArAmeだ。

 

そのzArAmeが先日、ニューアルバム「1」を発表した。もう死ぬほどかっこ良かった。大地は揺れ、心の火山が噴火するような心地がした。かっこいいロックが聴きたいのなら、zArAme「1」を聴けば他には何もいらないんじゃないか?と感じた。そんな訳で、今回は滅茶苦茶にかっこいいバンドzArAmeの新譜である「1」を、僕なりの視点でレビューしようと思う。

 

zarame0000.wixsite.com

 

・zArAmeって一体どんなバンドなの?

 

zArAme(ザラメ)は2014年に元COWPERS、SPIRAL CHORDの竹林ゲンドウ氏を中心に北海道の札幌にて結成されたロックバンド。the sunやmoonwalk等に在籍したギターの井齊俊行氏、初期COWPERSに在籍したドラムの戸嶋智武氏、MYCHORDの大野悠氏の4人のメンバーで、エモやハードコアにニューウェーブオルタナティブなどを基調とした、存在感のあるロックを掻き鳴らし続けている。

 

youtu.be

(動画はアルバム「11」「lastorder」収録の名曲、ラストオーダーはディスオーダー。こちらもかっこいい。)

 

今回紹介したいのが、先日発表されたzArAmeとしては初のフルアルバムとなる「1」だ。「映画を観終わった時のような感覚のあるアルバムにしたい」というコンセプトの元制作されたとのことで、正に映画のような、ドラマチックなアルバムに仕上がっている。もうね、これが本当に素晴らしいのですよ。最初から最後まで、曲の流れが良いのだ。 

 

・まるで1本の美しい映画のような名盤「1」

 

「ドラマチック?映画?一体どういうことだよ?」と言う方も多いだろう。その問いは01.lowprideを聴けば1発で分かるはずだ。アクセル全開でブチ込まれるシリアスでエッジの効いたzArAme節とも言えるエモコアサウンドが、まるで海外の名作映画のように、オープニングから我々リスナーをその世界観へと引き込んでしまうのだから。

 

その勢いは1曲目だけではとどまらない。02.スラッジから03.searchlightまで、息をつく間もなく畳み掛けるキラーチューンの連続に「何だこれ??か、かっこいい~!!」とバンドの放つロックンロールの衝動に魅せられてしまうのだ。

 

そしてこれまでのアッパーな曲調とは打って変わって、04.isolationからの落ち着いた展開も最高だ。どこか不穏な雰囲気のイントロから開かれた陽性のメロディが響く05.アネモネに、四つ打ちのディスコ感が印象的な06.coldwaverと、続くミドルチューンがどれも違ったアプローチで「次はどうなるんだろう?」と、終始ドキドキさせられる。

 

何と言うか、シンプルな構成の曲が多いのに関わらず、曲から曲への繋がりが、展開が、とにかくドラマチックなのである。楽曲それぞれの良さは勿論なのだが、聴きながら曲が紡ぎ出す物語に没入してしまうのだ。複雑なバンドアンサンブルをかっこ良くまとめる巧みさもあるのだろう。アルバムを最初から通して聴く際によくある「中だるみしてしまう」と言うことが全然ない。まるで映画を観ているように、次々と表情を変え、目まぐるしく転がっていく展開や曲たちに夢中になってしまうのである。

 

そして何と言っても、どの曲も歌われているメロディが凄まじく良い。ポップでキャッチー。しかし、ただポップと言ってもいわゆるJ-POP的な安易なポップさじゃない。印象的で耳に残る演奏やフレーズの中で、胸を締め付ける美しいメロディが、時折ハッとさせられるワンシーンのように耳に、そして心に突き刺さってくるのだ。

 

叫ぶように歌うゲンドウ氏のボーカルと、モヤモヤとした抽象的な感情を切り取ったような歌詞も相まって、どの曲のメロディも心の奥底にポトリと落ちては沁み込んでいく心地がする。

 

そんな中、ポストロックやシューゲイザーの香りもするインストの08.転生からラストへと向かっていく展開は、アルバムのハイライトのひとつだろう。暗澹たる悲しみの中からそっと手を伸ばすような、ポジティブなエナジーを感じさせる09.liquiddreamから10.微睡の流れは、「1」という美しい映画のエンディングにこれ以上ない位ふさわしいラストだと思う。

 

出来ることならアルバムを手に取って是非1曲目から順番に聴いてみて欲しい。きっと混沌とした闇の中から光が射して風景が変わっていくような、ドラマチックなカタルシスを体感することが出来るはずだ。

 

・かっこいいロックが聴きたいならzArAme「1」を聴くべし!

 

さてzArAme「1」について、つらつらと思いの丈を語ってまいりましたがいかがだったでしょうか。もしも僕が「2018年に聴いたアルバムの中で1番良かったのはどれ?」と聴かれたら迷わずにこの「1」を挙げるでしょう。個人的にその位衝撃を受けたアルバムです。

 

札幌エモコアシーンの重鎮とも言える彼らzArAmeだけれど、エモとかオルタナとかのジャンルに縛られない、素晴らしい音楽を掻き鳴らしているバンドだと思います。そう、真にかっこいいロックバンドには細かいジャンルの壁など関係なく、僕らロックファンの心に響くのだ。そうした意味でも、僕はzArAmeが今1番かっこいいバンドだと思います。

 

「最近かっこいいバンドいねぇな~」「かっこいいロックバンドが聴きたい!」と言う方に、僕は声を大にして言いたい。zArAmeが今、最高にかっこいいですよ、と。

 

本日のテーマソング

zArAme/liquiddream