黴ブログ

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BURGER NUDS 「Act2或いはAct3」を聴いた

はろー、本日は先日リリースされたBURGER NUDSの 新譜、「Act2或いはAct3」のレビューなんぞを書いていきたいと思っております。このBURGER NUDS、ファン歴自体は決して長くはないのですが個人的に非常に思い入れのあるバンドのひとつ。

先日「夏だねぇ」的な内容のブログを更新したばかりですが、僕は毎年夏になると無性にBURGER NUDSを聴きたい衝動に駆られます。友人にオススメされ激ハマりした数年前の夏。諸々の事情があり、非常にダウナーな精神状態の時に毎日狂ったように聴いていたのを覚えています。あの時と今では状況も周りにいる人たちも大きく変わったけれども、今でも夏になると聴きたくなるし、そのたびに当時考えていたこと、風景や匂いを思い出してしまう、そんなバンド。何となくノスタルジーとセンチメンタルを刺激されるような気がして、そんなところがとても好きだったりする。個人的には夏の夕暮れとかに聴きたくなります。

前置きが長くなってしまいましたが、以上レビューいっくよ!!

 

Act 2 或いは Act 3

Act 2 或いは Act 3

 

 10数年ぶりにリリースされた新作。始めて聞いた際はどこか風刺的で批判めいた散文的な詞と、あまりに静かで淡々とした音像に「うーん、これBURGER NUDSでやる必要あるのかなあ。。。」とあまり良い感想を持てなかったのが正直なところ。僕らがよく知るあのBURGER NUDSというより、ギターボーカル・門田氏のソロ・Poet-type.Mの音楽に近いような印象でした。しかし繰り返し聴いているうちに徐々に「あれ、これめっちゃ良いじゃん!!」と印象が変わっていくという。。実にスルメな1枚だと感じるのですが、内容はこれ、めちゃんこ良いです。

全体的にスローで淡々とした印象で、バリバリにギターサウンドをかき鳴らす!といった方向性では無いが故に「何だか昔と変わってしまったなあ」なんて感想を抱きがちですが、「周りの環境やシーンに捕らわれずに、自分たちが本当にカッコ良いと思ったものを誠実に表現する」という彼らのアイデンティティはかつてと少しも変わっていないように思います。特に

皆同じ詩歌ってやがる 気持ち悪い 喜び哀しみ汚さないで

何も信じないで良い 何も許さないで良い 誰も頼らないで良い 君は独りで良い

(BURGER NUDS『Lesson』より引用 作詞作曲BURGER NUDS

 

と歌う10.Lessonでは、勝手にですが「周りの声やシーンは関係ない、あなた自身の心で感じて、あなた自身でいて欲しい」と言われているようなそんなメッセージが込められているような気がしました。かつて超名曲「タネリ」で歌っていたような、初期から彼らを彼ら足らしめていたような、そうしたスタンスはかつてより力強く強固なものとなって帰って来たのだな、と感じられるような攻めの1枚だと思います。

中でもアルバム後半の08.evangelistから11.言葉と心の流れがまた素晴らしい。美しいアルペジオに優しく印象的なメロディ。そして我々リスナーに問いかけるような力強い意志を感じさせる歌。淡々としているようで、ラストに向かうにつれ徐々に盛り上がっていく演奏はもう流石!の一言です。クールなようでいて、熱く優しいメッセージが込められているような、かなり攻め攻めの1枚だと感じました。

職場や学校、さらに野外でのフェスやイベント、または各SNSサイト等、何かと共感や共有、同調を求められる昨今。周りと少しでも違えばもう完膚なきまでにギッタギッタにされるようなムードに、個人的には実に「ふぁっきんしっと!!」な気持ちで一杯だったりするのだが。そんな現代において、不特定多数の人間にではなくあくまでリスナーひとりひとりの心の底に問いかけるような、こうした音楽はとても貴重で斬新だなと。個人的に未聴の方、是非聴いて欲しい1枚だったりする。とっても良いバンドよ。

 

本日のテーマソング

ポルカドットスティングレイ/テレキャスター・ストライプ