黴ブログ

好きなものやことを、徒然なるまま書き散らす。

秋の夜長に、センチメンタルな夜に、俺は今日もTHE USEDを聴く

熱線激しい暑かった夏も過ぎ、季節はもう既に秋。徐々に肌寒くなってまいりましたが、皆さん如何お過ごしだろうか。四季の中で秋が最も好きな僕としては、「またライダースが着れるぜ!ドクターマーチンだって履けるぜ!」と実にウキウキな気分でいる。程よく涼しくて過ごしやすいし、鍋や秋刀魚も美味しいし、良いことばかりの季節だと思う。

 

しかし嫌気がさす程の熱線地獄の夏が過ぎ、そんな賑わいも消え去ったかのように草木が色を変えて涼しい秋になる度に、一抹の寂しさを感じるのもまた事実。なんつぅかやけに寂しく、そして人恋しくなってしまうんである。ぁたし今夜ゎひとりでぃたくなぃの。。。誰かに抱かれて眠りたぃの。。。文字にすると実におぞましい、きもいね。でもそんなkimochi。何だかやけにセンチメンタル過剰。

 

 秋にはそんな心のセンチメンタリズムを加速させるような、そんな魔物が住んでいると思う。言うなれば秋の魔物だ、絶対これ住んでる。恐ろしい。うえーん。

 

そんなセンチメンタルを加速させるような秋の夜長には、THE USEDの音楽がとてもよく合う。訳もなく震える心に実にぴったりと寄り添ってくれる。そんな訳でここ最近はちょっとどうかと思う位の頻度でTHE USEDばかり聴いているぞ、俺は。

 

The Used - The Used
 

 

かつて大ブームを巻き起こしたスクリーモ系のバンドの代表格として知られている、THE USED。「ぶっ飛ばすぜ!!」と言わんばかりにガツンと来るパワーある演奏に、全曲シンガロング出来そうな位にポップでキャッチーなメロディ。そしてそれに乗る血管ブチ切れそうな程にエモーショナルなテンションで歌い、絶叫しまくるボーカル。それでいて変にカッコつけたりスカしたような感じは無く、何となく男臭いと言うか泥臭い雰囲気。こういうの大好き、とてもカッコ良いバンドだと思う。

 

THE USEDの存在を知った高校時代、「へー、こういうのスクリーモて言うんだあ、カッコ良い~!!!」と部活の練習もそっちのけでイヤフォンで聴いてたのを思い出します。(と同時にあんま関係ないけど部活の練習くらいちゃんと参加しろや!!!とも思いました、今)

高校生だった2008年辺りのエモ系のバンドというと、シュッとしたスタイリッシュなイケメンがシュッとしたスタイリッシュな曲をシュッとした黒と白を基調にしたスタイリッシュな服装でスタイリッシュに歌い演奏しているようなイメージがあって「なんだかなあ」なんて思っていたのだけれど、(だいぶひねくれた高校生だったので、多分に偏見も混じっていると思うのであしからず)2002年デビューの彼らTHE USEDの音楽にはそうしたファッション的な空気は微塵も感じられず、購入したCDのライナーを読んだらやたら怒ってるような歌詞も多いし、「歌わなきゃ気が狂いそうだぜぇ!!!」と言わんばかりのガチンコな雰囲気がほとばしっているしで夢中になって聴いていたのを思い出します。

 

しかし、活動初期にこんな風に完成度の高いアルバムと音楽性を確立すると、後々リリースする作品において、「こういうのは求めてないんだよなあ」だの「あーなんか変わっちゃったね」だの言われるのは世のロックバンドの悲しき運命。THE USEDも例外なく、作品をリリースする度に「何か違う」だの「もっと絶叫して欲しい」だのレビューで書かれているのを目にする。

 

確かに彼らの激情ほとばしるスクリームの嵐のような楽曲に魅せられた者の一人としては、ザ・スクリーモ!な血管ブチ切れ系絶叫曲を求めてしまう気持ちは勿論ある。しかし個人的に、彼らの楽曲のキモってそもそも絶叫云々の前に時にセンチメンタルで時に疾走感のある、エモくてメロディックな楽曲にこそあるんじゃないかなーと思うのだ。

 

youtu.be

 

彼らのセカンドアルバム『In Love And Death』収録のAll That I’ve Gotなんてモロにそう。綺麗で美しい美メロに、心の奥のセンチメンタルな部分をグイグイと刺激されるような感情的な展開。大好きな1曲。

 

I'll be just fine(僕はきっと大丈夫さ)

THE USED『All That I’ve Got』より引用 作詞作曲THE USED)

 

とリフレインされるサビの歌詞もとても良い。前後の歌詞を見ると 「お前全然大丈夫じゃないじゃん!!」とツッコみたくなるような内容で、個人的には「これ全然大丈夫じゃないけど、無理して自分に言い聞かせるような感じで言ってる歌詞なのかな?」なんて思っているのだけれど、そうだとしたら更にエモい。こう、無理して強がっている男の切なさのようなものを感じてならない。

 

youtu.be

 

彼らのファーストアルバム収録のBuried Myself Alive。この曲なんかもそうで、彼らの代名詞である激情の塊のような絶叫系楽曲とは少し毛色の違う、正統派エモな雰囲気の1曲。THE USEDは一般的に語られるその激しいイメージとは違って、アルバムを通して聴くとこういった正統派エモ曲やバラード的なミドルテンポの曲が意外と多い。そして俺はそんな曲達が大好きだったりする。激しいだけではなく、こうした静と動で言うところの静の部分もしっかりと聴かせてくれる。しかも良い曲ばっかり。正にワビサビの世界。

 

人恋しくなるようなセンチメンタル過剰極まる秋の夜長は、こんな風にTHE USEDの音楽に抱かれるように時にしんみりと、時にアツく過ごすのがとても良い。言い知れぬ寂しさを感じるような夜は、読書や映画鑑賞も良いけれど、こんな風にエモい楽曲に身を委ねて過ごすのもまたオツなものです。

 

本日のテーマソング

藍坊主/テールランプ