黴ブログ

好きなものやことを、徒然なるまま書き散らす。

灰色のクリスマスを余儀なくされた僕たちへ

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クリスマスが今年もやって来る。テレビを見れば、ケーキやチキンなどのCMや特集がわんさか流れ、町に出ればプレゼントを買いに賑わう人たちや、綺麗なイルミネーションに集まるカップルたちの姿を見ることができる。今年の24日は日曜日ということもあって、きっと当日は盛り上がることだろう。

 

実に楽し気で良いなあと思うのだけれども、この世ではどうしても有象無象の全ての物事において、陽と陰、または正と負、強者と弱者といった具合に、2つの勢力に分かれてしまうのが悲しいところ。クリスマスもまた然りだ。クリスマスも分かれてしまう。それも明確に。笑っている者と泣いている者に。勝ち組っぽい者と負け組っぽいものに。町がクリスマス特有のハッピーなムードに溢れるたび、そんな残酷な線引きが明確に、浮彫になってしまうのだ。

 

何故そんなことを考えていたかというと、先日ネットを見ていた際、ある記事が目が留まったからだ。幸せなクリスマスのムードに隠れ、人知れずクリスマスを憎んでいる人たちも一定数いるのだ、という内容の記事であった。そこでは何故クリスマスが嫌いなのか、その理由をそれぞれ述べていたのだけれど、その意見に心を撃ち抜かれてしまった。記憶の奥底に沈めて忘れていた、傷だらけの青春の日々を思い出して、余りのエモさに悶えてしまった。

 

そこにはおおよそこんな意見が寄せられていた。「恋人と過ごす日!みたいな世間の風潮が嫌だ」「クリぼっちって言葉がまず不快」「人混みが多すぎて嫌だ」「仕事を始めてから嫌になった」などなど。なるほど、これ全部分かるわ。分かり過ぎる程分かるし、俺は君たち全員抱きしめたいよ。

 

思い返せば子どもの頃を除いて、僕もクリスマスにあまり良い思い出がないのだ。似たような友人たちと「何がクリスマスじゃ!彼女いなくても負けてらんねぇんだよ!」と町に繰り出したは良いものの、カップルのあまりの多さに気圧され、敗北感と共に帰宅した高校時代。恋人と過ごす友人たちのツイートを眺めながらバイトを終え、ひとり負けじと愛機のフェンダージャズマスターと購入した来たケーキと共に、自撮りツイートに励んだ大学時代。就職してからは遅くまで働き、何故か頂いた1ホールのケーキをぶら下げて帰ったっけ。吉井和哉氏のバッカを聴きながらひとりで食べてて、あの時は寂しさと量の多さにちょっと本気で泣くかと思ったな。

 

それ故に、クリスマスを忌み嫌う人たちの気持ち、よく分かる。かつての僕もそうだった。しかし、だからこそ。ふてくされていてはいけないのではないか。灰色のクリスマスを余儀なくされた、僕たちにしか出来ない楽しみ方があるのだから。

 

とにかく、そんな灰色のクリスマスを受け入れるのだ。自暴自棄にならずに、そんな状況さえも笑いの種にしてしまえば良いではないか。そんなしょっぱいクリスマスという場数を多く踏んできた為、面白エピソードには事欠かないのが僕らじゃないか。友人知人や同僚などを、後で爆笑の渦に巻き込んでしまおう。最後に笑えれば、それでオールオッケーだ。そしてハッピーな人間関係を築いていこうじゃないか。

 

先日、前述したしょっぱい高校時代を共に過ごした友人から、クリスマスに会おうではないか、と久々に連絡が来た。高校時代を思い出し「今年のクリスマスはぶちかまそうぜ」と送ったところ、「とことんやってやろうよ」と返信があった。お互い、いくつになっても熱いマインドは何も変わっていない。今年もまた、どんな面白可笑しいエピソードが生まれるのか楽しみだ。

 

恋人がいようがいまいが、仕事があろうとなかろうと、予定があろうとなかろうと、好きだろうが嫌いだろうが、それぞれがハッピーな日であれば良いではないか。皆等しく笑顔のある1日になることを祈っている。少し早いけれど、メリークリスマス。

 

本日のテーマソング

吉井和哉/バッカ