俺的!最高にエモいおすすめのエモバンド10選
世の中に数多存在するロックの中でも、僕は「エモ」と呼ばれるロックが大好きだ。
一般的に、疾走感溢れる感情的な演奏に乗せて、情緒溢れる哀愁のあるメロディを歌ったロック、と定義されるエモ。初めて聴いた高校生以来、ふと気付けばエモを感じるバンドばかりを好んで聴くようになってしまった。例えるならば、心の空いたピースに音楽の枠がぴたっとハマる感じだろうか。僕はそんな感情的な演奏に、切ないメロディが乗っかったエモが、たまらなく好きなのだ。
そんな中、日々高まり続ける愛情故に、何だか無性に「エモについての熱い想いを語りつくしてえ!」「何かかっこいいバンドないかなあ、エモって一体何ぞや?って人にも、エモの魅力を伝えてえ!」「むしろ一方的におすすめしてえ!」という想いが湧き上がってきたので更新したのが今回の記事。
題して、俺的!最高にエモいおすすめのエモバンド10選。恒例の俺的シリーズの一環として、正統派エモにスクリーモ系、ポストハードコア系など、音楽性にエモの要素を含んだバンドを、熱く語りつつおすすめしていくつもりだ。
「あーこのバンド俺も好き!」「これ知らねぇや、聴いてみよう!」と読み方は自由。どのバンドも最高にかっこ良くおすすめなので、各々の見方で楽しんで頂けたら幸いだ。それでは早速いってみよう。レッツ・エモーショナル。
・MY CHEMICAL ROMANCE(マイ・ケミカル・ロマンス)
まず最初のバンドは、アメリカニュージャージー州出身の5人組バンド、MY CHEMICAL ROMANCE(マイ・ケミカル・ロマンス)だ。
パワーコードを中心にこれでもか!と弾きまくるツインギターに、名曲「Helena」に代表される泣きのメロディは、エモの醍醐味である疾走感と叙情性を感じるのにぴったり。MY CHEMICAL ROMANCEの特徴でもあるゴス調の衣装や曲調でもって、微妙に中二病を引きずる高校時代の僕を、洋楽へ、そしてエモへと走らせた張本人的なバンドである。懐かしい。
正式にエモなのかといわれたら微妙なところだが、感情的で切ない泣きのメロディは、ロックミュージックにおけるエモ感を十二分に体現していると思う。思えば当時、エモやスクリーモといえばマイケミ!みたいに宣伝されていた気もする。そうした思い出もあって、そこに感じた「これがエモか!かっけえ!」という気持ちは、確実に今の僕の音楽の好みやツボを形作っていると思う。
「Thee Cheers For Sweet Revenge」は今聴いてもかっこいい名盤。
- アーティスト: マイ・ケミカル・ロマンス
- 出版社/メーカー: ワーナーミュージック・ジャパン
- 発売日: 2004/07/22
- メディア: CD
- クリック: 2回
- この商品を含むブログ (19件) を見る
・The Used(ザ・ユーズド)
エモといえば忘れてはならないのが彼ら。スクリーモの代表選手としても語られるアメリカのポストハードコアバンド、The Used(ザ・ユーズド)だ。
激情系ハードコアな激しい楽曲に正統派エモ、更にはバラードなども演奏する幅広い音楽性が魅力的な彼らThe Usedだが、最大の特徴といえばやはり、ボーカリストであるバート・マクラッケン氏の生々し過ぎる絶叫ボーカルだろう。
こうしたスクリーモ系の絶叫には、優れたボーカルテクニックを用いた絶叫も多いけれど、The Usedの絶叫には何だろう、そうしたあざとさを全く感じない。テクニックなんか関係ねえ、叫ばなきゃ気が狂いそうさあ!とでもいうようにブチ切れまくるボーカルには、ささくれだった心に塗る、傷薬のような優しさを感じてしまう。
ブチ切れまくった絶叫ボーカルを体験したい方は、ぜひ1stアルバムの「The Used」と2nd「In Love And Dearth」をおすすめしたい。
・The Get Up Kids(ザ・ゲット・アップ・キッズ)
次におすすめするのは90年代アメリカンエモの代表、The Get Up Kids(ザ・ゲット・アップ・キッズ)だ。
疾走感溢れるサウンドに哀愁漂う情緒的なメロディが乗った、エモのお手本のようなサウンドが特徴のThe Get Up Kidsだが、個人的には楽曲からにじみ出る、がむしゃらな童貞感が最高に好きだ。特に2ndの「Something To Write Home About」が好き。有名なロボジャケも曲も含めて好き。
まず1曲目の「Holiday」から、流れが最強過ぎると思う。好きなあの娘を想って、「こんな休日に君に会えたら幸せなんだけどなぁ!!!」と叫び散らかしている曲だと勝手に解釈しているのだけれど、その歌詞からして最高じゃないですか。最高にエモーショナル(感情的)じゃないですか。誰かを一方的に好きになる度に聴きたくなる。君がいった「おやすみ」って言葉は、きっと「さようなら」って意味だったんだ、なんて切ねぇですよね。最高。
・COPELAND(コープランド)
アメリカはフロリダ州にて2000年に結成されたバンド、COPELAND(コープランド)。これがまた素晴らしい。雨の日やなんとなく寂しい気分の時に聴きたくなる、美しいエモを鳴らすバンドだ。
COPELANDの音楽の特徴といえば、エモ特有の疾走感のある楽曲に加えて、TRAVISやCOLDPLAYのような、繊細で美しいメロディを奏でている点だろう。特にボーカリストである、アーロン・マーシュ氏の高音ボーカルが最大の魅力だ。すげえいい声なのだ、これが。
このアーロン・マーシュ氏のボーカル。ただ高音といっても、邦楽ロックにありがちな中性的な声ではなく、深みのある繊細さを感じさせる透き通ったハイトーンボイスなのである。この声の表現力のなんと高いことか。ひとたび歌えば、目の前の景色は一瞬にして変わってしまい、気付けばそこはフロリダの空の下。一瞬で曲の中に引き込まれてしまうような、そんな声。曲の素晴らしさももちろんだが、とにかく素晴らしい声のボーカル、バンドだ。
・Sunny Day Real Estate(サニー・デイ・リアル・エステイト)
次におすすめするのが、ご存じ92年にアメリカフロリダ州にて結成された90年代エモを代表するバンドのひとつ、Sunny Day Real Estate(サニー・デイ・リアル・エステイト)だ。知らない!という方には、ぜひ名盤として語られることも多い1stアルバム「DIARY」を聴いてみて欲しい。
冷静と情熱の間を行き来して静と動を繰り返す楽曲展開に、マイナー調で深い闇へと沈み込んで行くようなディープなサウンドが特徴のSunny Day Real Estateだが、その深い闇の如きサウンドに乗るメロディがまた素晴らしい。あまりメロディについて語られることがないように思うのだが、Sunny Day Real Estateはすげぇいいメロディを歌うバンドだと密かに思っていたりする。
決してポップとかメロディアスといった類いではないのだが、どれもふとした瞬間に響いて、胸に深く沁みていくようなメロディばかり。やや独特でクセがありながらも、すっと心に入り込んでいく素晴らしいメロディは、どことなくsyrup16gを彷彿させる。シロップとか好きな人は絶対好きだと思う。そんなバンド。
・Taking Back Sunday(テイキング・バック・サンデイ)
次におすすめしたいのが、99年にアメリカニューヨークにて結成されたロックバンド
Taking Back Sunday(テイキング・バック・サンデイ)だ。
疾走感溢れるパワフルな楽曲に、センチメンタルな哀愁漂うメロディと、これまた基本的なエモのお手本のようなバンドであるTaking Back Sundayだが、最大の魅力といえば、がむしゃらに演奏するがあまりににじみ出てしまう、ある種のダサさやしょーもなさだろう。過剰さ、といい換えてもいいかも知れない。
歌い上げるというよりも、歌い飛ばすというようなぶっきらぼうなボーカルに、WEEZER的なコーラスをひたすら重ねたセンチメンタルなメロディ。何となくいなたいビジュアルに過剰なパフォーマンスは、かつて流行った日本の青春パンクのような趣がある。
1stアルバム「Tell All Your Friends」で特に顕著なそうした過剰さや、「これしか出来ねぇ!」とでもいうような不器用ながむしゃらさは、正にエモーショナル。スタイリッシュにキメた、オシャレなバンドでは決して演奏出来ないであろう感情的な楽曲の数々は、エモのあるべき姿だと思う。
・The Appleseed Cast(ザ・アップルシード・キャスト)
The Appleseed Cast(ザ・アップルシード・キャスト)は、97年にアメリカカンザス州にて結成された90年代エモのバンドのひとつだ。最近知ったばかりのバンドなのだが、これがすごいかっこいい。僕の心にある、かっこいい!と感じるツボを刺激しまくってくる、素晴らしいエモを聴かせるバンドだ。
何がいいって、ポストロックの要素を取り入れた、そのポストハードコアなサウンドである。時にクリーンに、時に激しく、2本のギターによって構築される音の世界が、まるでオーケストラを聴いているように心に迫ってくるのだ。
かといって、何となく近づき難い雰囲気のポストロック一辺倒かといえばそうではなく。基本はしっかりとしたロック。もちろんエモ感もバリバリだ。そしてそもそもの基本になっているコード進行がいいのだろう、ポストロックの香りを散りばめながらも、感情を乗せて歌われるメロディがすげぇいい。最近知ったバンドの中では、ダントツにメロディが好きなバンドだ。
センチメンタルな感情をあらわにして叫び、歌い上げるそのメロディが、もうすごい泣けるのである。何を歌っているのか分からなくても、不思議と涙腺をグイグイ押してくる。ひとり寂しく膝を抱えてしまうような夜にこそ聴きたくなる。そんなバンド。
- アーティスト: The Appleseed Cast
- 出版社/メーカー: Deep Elm
- 発売日: 2015/12/15
- メディア: CD
- クリック: 13回
- この商品を含むブログ (3件) を見る
・COWPERS(カウパァズ)
海外のバンドが続いたので、ここからは日本のバンドをおすすめしていこう。邦楽1発目は北の地、北海道にて結成された、知る人ぞ知る伝説のエモコアバンドCOWPERS(カウパァズ)。
このCOWPERSの音楽がとにかくすごい。何がすごいって、エモやポストハードコアが一般的になる前に、ここ日本でエモ的なソリッドで感情的なサウンドを鳴らしていたのが、彼らCOWPERSだ。
音楽的には純粋なエモというより、USハードコアを基調にしたポストハードコアに分類されるかと思うが、ツインギターによるキャッチーかつソリッドなリフや、鬱屈とした心象風景を散文的に描き出したような歌詞、哀愁漂うメロディを感情のままに叫ぶ竹林ゲンドウ氏のボーカルは、最高にエモーショナル。
そして何より、いいロックバンド特有の「わびさび」がある。ロック特有の危うさや肉体性、かっこ良さに、楽曲の素晴らしさが合わさったCOWPERSの音楽は、一言ではいい表せない様々な魅力に溢れている。
個人的に、もしバンドを組むならこんな音楽がやりたい、と思うバンドのひとつでもある。ちなみにボーカルの竹林ゲンドウ氏は、SPIRAL CHORDを経て、現在はzArAmeにて活動している。こちらもめちゃくちゃかっこいい。ライブ行きたい。
・Bloodthirsty Butchers(ブラッドサースティ・ブッチャーズ)
こちらもご存じ北海道出身のエモコアバンド、Bloodthirsty Butchers(ブラッドサースティ・ブッチャーズ)だ。非常に有名なバンド故に、今更僕が語る必要もないかと思うが、語らせて欲しい。
Bloodthirsty Butchersの何がすごいって、楽曲や各楽器のプレイひとつとっても、オリジナリティがすごいんである。仮に僕がメンバーだったとして、あの楽曲を思いつくか、弾けるかといわれたら、絶対出来ない。本当に唯一無二のバンドだと思う。
そのサウンドも非常に特徴的だが、何といってもこのバンドの魅力は、ボーカルギターの吉村秀樹氏の声と存在感だ。メロディが成立する、ギリギリのピッチで歌われる吉村秀樹氏の直線的なボーカルは、時に「ジャイアン」などと評されることもあるが、完成度の高い詩のように文学的な歌詞と、表情豊かな楽曲は、彼のボーカルやギターあってこそだと思う。
アルバム「未完成」に収録されている名曲「ファウスト」は、ここぞという勝負の時に聴きたくなる、僕にとってのファイトソングのひとつだったりする。
- アーティスト: bloodthirsty butchers,吉村秀樹
- 出版社/メーカー: MCAビクター
- 発売日: 1999/07/16
- メディア: CD
- クリック: 30回
- この商品を含むブログ (34件) を見る
・eastern youth(イースタンユース)
最後におすすめしたいのが、北海道出身で現在は東京荻窪を拠点に活動しているバンド、eastern youth(イースタンユース)だ。お気付きの方もいるだろう、そう僕はこの北海道のインディーズシーンから生まれた、独自のエモ感を持ったバンドが大好きなのだ。
eastern youthというと、アジアン・カンフー・ジェネレーションの後藤氏やTHE BACK HORNなど、多くのミュージシャンが影響を公言しているが、そのくらい破壊力と影響力のあるバンドだと思う。
特に名盤として語られることの多いアルバム「感受性応答セヨ」は、泥臭さと男臭さの混じったエモの、ひとつの完成形なのではないだろうか。そのくらい好き。収録されている「踵鳴る」を始めて聴いた時などは、心臓をぶん殴られるような衝撃だったもの。
イントロのコード弾きから、突如として突入するオクターブ奏法のフレーズと、ツーバスで連打されるバスドラのプレイは、それだけで聴く価値があるんじゃなかろうか。胸に渦巻く感情がそのまま、歌に演奏に曲になっている。すげえ表現力だな、と聴く度に震える。
- アーティスト: eastern youth,吉野寿
- 出版社/メーカー: トイズファクトリー
- 発売日: 2001/08/08
- メディア: CD
- 購入: 4人 クリック: 44回
- この商品を含むブログ (109件) を見る
・まとめ
さて「俺的!最高にエモいおすすめのエモバンド10選」と題して、個人的に好きなおすすめのエモを厳選して紹介してきたが、いかがだっただろうか。楽しんで頂けたなら幸い。
こうした、衝動的かつ叙情的に、胸に渦巻く感情を歌ったエモが、僕は大好きだ。何故なら、寂しい時や悲しい時、イライラした時や恋に落ちた時、ここぞという勝負の時、様々なシーンで心の側で寄り添ってくれる素敵な歌ばかりだから。日常に潜む様々な場面で感情が揺さぶられるその時、自身も最高にエモーショナルになっているのだ。そしてそんな時こそエモは、僕らの心に優しく響き渡るのだ。
全てのロックファンよ、エモを聴こう。悲しいことがあっても、嬉しいことがあっても、そんな音楽たちをいつか誰かと「最高だよね!」といい合えたなら、僕ら幸せじゃないか。
本日のテーマソング
キウイロール/ベクトル