黴ブログ

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僕たちは最近の邦楽ロックが聴けない 邦ロックアイドル化問題

 

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突然ですが皆さんはロックはお好きだろうか。僕?僕はというともう滅茶苦茶好きだ。古き良きロックンロールにエモ、パンク。ポストロックにヴィジュアル系、ハードロックに。あ、ラウドロックなんかもいいですね。

 

好きなロックのジャンルを挙げたらもうキリがない。オルタナティブ全盛期の90年代のバンドも好きだし、いわゆるロキノン系と呼ばれる邦ロックも好きだ。高校の時など、毎月雑誌を買っていた位だもの。ロックはその時々の気分や状況に応じて心にぴったりと寄り添ってくれる。僕はそんなロックが大好きだ。

 

いい年こいてもロックロックいい過ぎて、将来的には街で有名な名物ロックおじさんになってしまいそうな気がする僕だが、何故だろうか。最近の若手邦ロックバンドに関してはあまり聴くことがなくなってしまった。あまりチェックしないし、聴いても「あ、ふーん」で終わっちゃう。当然全然詳しくないし、かつては毎月狂ったように読んでいたロッキングオンジャパンも、いつの間にか買わなくなってしまった。

 

何となく寂しい気もするのだが、僕と同年代位の20代後半以降のロックファンには、実はそういう人も多いのではないだろうか。そんな感じで夏も近づいた今日この頃、ふと気付いた。聴かないのではない、僕たちは最近の邦ロックが聴けないのだ、ということに。

 

・最近の邦楽ロックバンドってアイドルかのように扱われてない?

 

EDMやクラブミュージック、ヒップホップなどの流行で世界ではめっきり下火となってしまった感のあるロックだが、ここ日本ではそんな状況に反してフェスやイベントなどとにかく邦ロックシーンが盛り上がっているように思う。

 

WANIMAや米津玄師、04 Limited SazabysMy Hair Is BadにKEYTALKと、若手のロックバンドの活躍も素晴らしい限りだ。ロックバンドが次々現れてはライブイベントが多数開かれる昨今のこの状況。ロックファンとしては嬉しいはずなのだが、何だか釈然としない気持ちが残るのである。

 

このモヤモヤこそが今回のテーマであり、先程の「最近の邦ロックが聴けない発言」に繋がって来る訳なのだが、アレだよ。未来のロックおじさん的には、昨今の邦ロックバンドをまるでアイドルかのように扱う風潮に疑問を感じてしまうのだ。

 

何となく肌で感じるレベルで申し訳ないのだが、「あれ?何か若手の邦ロックバンド、アイドルみたいになってない?」と思ってしまう。まるでアイドルかのように扱う風潮といった方が正確か。この「邦ロックアイドル化問題」、どう思いますか?ぶっちゃけめちゃくちゃあると思っている。俺は。

 

・いつの間に邦楽ロックバンドがアイドルに?

 

「アイドルアイドルいってアイドルバカにしてんじゃねぇよ!」という方もおられることだろう。申し訳ない。邦ロックバンドを取り巻く現状を、分かりやすい定義としてアイドルという言葉を用いてるだけで決してアイドルをバカにしてる訳じゃない。

 

ていうかアイドル自体は僕も好きだ。ソシャゲのアイマスとかめっちゃやってるからな。高垣楓さん担当だからな。乃木坂46白石麻衣さんとかもうめっちゃファンだからな。最近はヤなことそっとミュート聴いてるからな。

 

僕がいいたいのは、「それはロックバンドじゃなくてアイドルに向けられるべき視線なんじゃないの?」ということだ。明確な線引きこそ難しいけれど、ロックバンドにはロックバンドとしての役割があって、アイドルにはアイドルとしての役割がそれぞれ存在する。近年の邦楽のロックバンドを取り巻く環境や役割なんかが、まるでアイドルかのように感じられてしまうってことだ。

 

特にその現象が顕著なのがSNSだ。特にTwitterなどは分かりやすい。試しに「邦ロック」でツイートを検索してみよう。文章は若干変えてますが、おおよそ次のような内容のツイートが続々出て来る。

 

例1「邦ロックのボーカルイケメン多くてマジヤバい。MVとか見てるともう本当ヤバい、目が幸せハート。」

 

…何か違うやん!そもそもの接し方が何か違うやん!その音楽を表現するのに適したビジュアルっていうのは確かにあるけれども、ビジュアルもとても大事な要素だけれども、それもう音楽関係ないやん!そもそもイケメンが見たいならバンドじゃなくてもええやん!

 

例2(画像ツイートと共に)「この○○マジイケメン!!!くっそタイプ過ぎてもう。。。(語彙力)」

 

…確かにイケメンだと俺も思うけれども!「~推し」みたいなのってそもそも邦ロックとか音楽とか関係なさ過ぎて語彙力!ていうかもっと他にあるやろ、あの曲のイントロのギターカッコいいとかあそこのフレーズが沁みるとかさ!せっかくカッコいいバンドなんだから、音楽の話しもしたらもっと楽しくなれるやん!

 

例3「もうすぐ夏だし邦ロック好きのイケメンでマッシュで色白で塩顔な彼氏欲しい。一緒にライブ参戦したり推しメン語り合ったりしたい」

 

…だから「推し」って何やねん!いつの間にロックバンドに「推しメン」みたいな概念出来たねん!お前絶対ライブ行ってもその人の顔面に関わる話しかしないやろ!彼氏的にそれは悲しいやん!彼氏は「もっと他の部分についても熱く語り合いたいんだけどな~」ってなるからな!あとマッシュで色白じゃなくて塩顔じゃない俺みたいなロックファンは、そういうこといわれるとちょっと寂しくなるからな!

 

熱くなり過ぎて思わず関西弁になってしまった、申し訳ない。確かにロックバンドにはアイドル的な側面もある。BEATLESなども当初はアイドル的な売り出し方をされていたというし、少年少女だけでなくグルーピー的な取り巻き・追っかけの女性ファンなんてのもロックの歴史上多く存在した。いってしまえば大昔からそうしたアイドル的な側面はあったし、事実そうしたファンにも支えられてきた部分はあると思う。

 

しかし現代。こうしたSNS上において、メンバーのビジュアルのカッコよさや他のファンとの繋がり、ライブでの一体感などについては多々語られるものの、肝心の音楽の部分にはあまりにもノータッチ過ぎるのではないだろうか。だってあくまでロックバンドである。そうした風潮に僕は「肝心の音楽はどこにいってしまったのだろうか」などと度々思ってしまうのである。

 

かつて、ロックは個人や極小規模なコミュニティで楽しむ「僕だけのロック」ともいうべきカウンターカルチャー的な存在だった。数ある音楽の中でロックが好きになった中学高校時代、何故僕がロックが好きになったかといえば、それはロック特有の「何かよく分からないけどやべぇ感じ」に当てられたからだった。

 

当時まだJpopがガンガンに売れていた2000年代中盤から後半。ロックは周りのイケイケな連中が聴いている音楽とは一味も二味も違う「何かよく分からないけどやべぇ感じ」がムンムンだった。周囲の「流行のファッションや音楽くらいは押さえとかないとだせぇよね」みたいなムードに上手く乗れず、強制的にだせぇ奴にカウントされていた僕にとって、ロックは無敵のテンションになれる最強の音楽だった。「お前はそのままでいいんだぜ」といわれているような気がした。これまでの価値観やモヤモヤしたムードがガラガラと崩れていくような気がしたのだ。

 

そして時は流れ、2018年。かつてはあくまで個人や狭いコミュニティ間でそれぞれが密かに楽しむカウンターカルチャー的な存在のロックだが、時代の流れと共に「邦楽ロック」という大きな枠組みの中で、皆で手を挙げて楽しむ「僕たちのロック」的なエンターテインメント性の強いものに変わっていったように感じる。思うに、そうした変遷の中で強まった独自のエンターテインメント性に付随して、アイドル的な側面が色濃くなっていったのではないだろうか。

 

・以上アラサーのロックおじさんが好き勝手に語って来ましたが

 

こういう記事が「うるせえ!黙ってろ!」と炎上するんだろうな~と思いつつ、好き勝手に語って来た「邦ロックアイドル化問題」だが、いかがだっただろうか。批判的な切り口で書いて来たが、SNSを通じて趣味の合う音楽仲間と繋がることが出来、YouTubeを開けば簡単に音楽を聴くことが出来る現代。次々と変わっていく時代の変遷として、それも当然の流れなのかなと。

 

そして単純に対象年齢が外れて来ているのかもな~とも思います。個人的には。かねてより「ロックは若者の音楽」といわれる通り、10代や20代前半の瑞々しい感性を持った若い世代に響いてこそ、ロックだと僕は思う。現にSNSやネットを見てみれば、現代の若者に邦ロックは大人気。それはもう最大級に響いているではないか。僕らアラサー世代にとってASIAN KUNG‐FU GENERATIONやELLEGARDEN銀杏BOYZTHE BACK HORNが特別だったように、彼らにとってのWANIMAや米津玄師、04 Limited SazabysMy Hair Is BadにKEYTALKもまた特別なバンドなのだ。

 

また思い出してみて欲しい。学生時代、確かに僕たちはロックに救われていた。ロックを楽しむそうした気持ちが、彼らに全くないかといわれたらそんな風には決して思わない。むしろ、ライブや音源を聴くだけではなく、仲間やフォロワーと共有して楽しむ姿は何かもう羨ましい。すげぇピュアに音楽を楽しんでいるなあと感じる。

 

批判的な切り口で好き勝手意見を言ってきましたが、もうそれぞれ好きな音楽を好きに楽しんだらいいんじゃないかと思う。その中で「こういうもバンドあるよ~こういう聴き方もあるよ~」と好き勝手いいたいだけだ、俺は。

 

邦ロックを仲間やフォロワーと楽しむのも良し。実際にバンド組んで演奏してみるのも良し。「あのバンドのメンバーが影響受けたっていってたな~」とNUMBERGIRLミッシェル・ガン・エレファントなどに開眼するのも良し。洋楽聴いてみたりとかも良いかもしれない。ルーツを探る旅とか、ハマると思いがけない音楽に出会えて楽しいものだよ。それこそ一生の趣味になる。そもそも「ロックはこういう風に聴かなきゃダメだ!」とかそういうの定義されてる訳じゃないし、そんなのちっともロックじゃない。若者よ!!!ロックは好きに聴け!!!もしも君がルーツを探る旅に出る時は、このブログも参考にしてみてね。終わり。

 

Chicken Zombies

Chicken Zombies

 

 

 

 

本日のテーマソング

Red Hot Chili Peppers/Dosed