黴ブログ

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タイトルに「若者」が入ってる曲、全部名曲説

いえーいみんな元気ィ!?音楽聴いてるゥ!?

僕はというと、28歳となった今でも学生時代と変わらず四六時中音楽を爆音で聴いてはテンションをブチ上げている。

 

そんなノーライフノーミュージックな日々の中で気付いたのだが、タイトルに「若者」というワードが入ってる曲、全部名曲じゃないですか?

 

タイトルに「若者」が入ってる曲といえば、同世代の音楽好きならまず確実にフジファブリック若者のすべて」や、銀杏BOYZ「若者たち」を思い浮かべるだろう。変則的なパターンとして、忘れらんねぇよの「ばかもののすべて」とかもある。少し上の世代はサニーデイサービス「若者たち」を思い出すかもしれない。

 

どうですかこのラインナップ。全部めちゃくちゃ良い曲ばかりじゃないですか。

 

良い曲の特徴として、よく「カノン進行が多様されている」だの「テンポやアレンジを大幅に変えたとしても絶対にハマる」だの色々な条件が語られておるようだが、俺はそこにもうひとつ付け加えたい。タイトルに「若者」が入ってる曲は全部名曲だと。

 

youtu.be

 

なんでこんなにも良い曲ばかりなんだろーか!?と考えてみれば、答えは意外とシンプルだ。

 

「若者」のタイトルが表す通り、どの曲もモラトリアム特有の何者でもない自分自身を持て余す憂鬱感と感傷と、ただ過ぎ行く時間への焦りと怒りを歌ったものばかり。それが心の中で渦巻く感情や思想を波動のように演奏するロックに乗ったならば、そりゃバチっとハマるに決まってる。家系ラーメンにライス。カレーと福神漬け。修二と彰グフカスタムにガトリングシールド。そしてロックバンドと「若者」のキーワード。稀に見る、これ以上ないってくらいのベストマッチングである。

 

そして先日、俺の心を熱くさせる素晴らしい「若者」系のラインナップの中に、新たな名曲が追加された。

 

それが、惜しくも2012年に解散してしまったが、NUMBER GIRL直系の鋭角サウンドを武器に活躍したバンド・ハヌマーンの「若者のすべて」という1曲だ。

 

若者のすべて

若者のすべて

  • provided courtesy of iTunes

 

今頃ハヌマーンの魅力に気付くとか、お前全然音楽聴いてねぇじゃろがい!!!!と言われそうなもんだが、本当に知らなかったんだからしょうがないじゃない。許せよ。でもこれ、本当に良い曲。今まで知らなかったのが悔しくて1日5千回くらい延々とリピートして聴いてるもん。

 

まず何が良いって、まず歌詞がすげぇ。駅にて電車に身を投げ自殺した青年の姿を想像し、まるで「今日も皆さんクソみてーな毎日ご足労様です!」と青年に言わているような心地の鬱々とした「俺」が、まだ見ぬ明日に衝動と共に思いをはせる、という内容の歌なのだが、未だかつて、時点でここまで鮮明に脳裏に情景を描けるような歌詞の曲ってあっただろーか?と思ってしまう。ちなみにこの情報量でまだBメロ。サビ前にも関わらずこの描写力。ボーカル・山田亮一氏の作家性に驚かされてしまった。

 

そしてテレキャスターのジャギジャギとしたサウンドに乗せて半ばヤケクソに、しかし愁いを薙ぎ払うかのように歌われる

 

考えすぎて馬鹿になって 発狂しすぎて普通になっていく 

that’s killed me 歌うとは失望の望を怒鳴る事さ

*1

 

 

のサビ 。このカタルシスよ。

 

内臓潰されんじゃねーか?ってくらいにギュウギュウの満員電車に乗り込み、働けども暮らしは楽にならないばかりか、引くクジどれも貧乏クジばかりでそれを片付けても別段評価される事もない。既にアラサーなのに、未だにあの頃憧れた何者にもなれていない。ただただ焦る。そして派手にスッ転ぶ。抱き起してくれる友達なんぞその場にはいない。そんな鬱々とした俺のエブリデイに、これほどぶっ刺さってくる曲があるだろうか。いや、多分ない。共感するわー!とかそういう生易しい感情じゃないんですよ。あ、これもはや俺そのものだわ。とか思う訳ですよ。

 

そしてラスサビ。

 

心で歌うな 喉で歌え

オンボロになって初めて見える価値

that's killed me  歌うのだ 失望の望を怒鳴るのだ!! ぎゃー 

*2

 

これ。最後のギャアアアアアア!!!の絶叫までも正式な歌詞として表記しちゃうセンスよ。脱帽。

 

そう、俺たちは正に今、失望している。自分にも不確か過ぎる未来にも、どーにもならんことばかりのブサイクな現実にも。逆に「毎日楽しー!!!うぇ~!!!」とか心の底から思ってる人とかいるんですかね。きっとみんな、何かに耐えて、それでもにっこりと笑っているんだと思うんだ、きっと。新宿や池袋に行くたびに時々、人間てなんだろーなー人間多すぎるよなー。もののけ姫くらいの昔に戻って森の中で動物たちと静かに暮らしてぇなーはあ。とか時々考えるもの、俺。超ダウナーですね。ウケる。ワラ。

 

しかし、そんな失望の中にも漢字の通り、確かに望みは存在する。この「若者のすべて」は、失った望みの中にも確かに存在する望みを怒鳴ってやりゃあ良いじゃん、それしかねぇじゃん。甘えてんじゃねーぞ。と俺たちを鼓舞するのだ。

 

なんなん、この名曲。不覚にも私、仕事の帰りの満員電車の中で聴いてて泣くかと思いました。いやちょっと泣いてた。

 

どうでしょう、皆さん。失望することがあってもこんなに優しくて、もはや俺そのものじゃん。。となる歌が存在するんですよ。俺と一緒に明日からこの「若者のすべて」を聴きながら、これ俺じゃん。。となってみませんか?

 

本日のテーマソング

ハヌマーン/若者のすべて

 

*1:ハヌマーン 「若者のすべて」より歌詞引用 作詞作曲 山田亮

*2:ハヌマーン 「若者のすべて」より歌詞引用 作詞作曲 山田亮