黴ブログ

好きなものやことを、徒然なるまま書き散らす。

エレファントカシマシ、紅白歌合戦出場決定 戦い続ける男たちの歌は僕を奮い立たせる

先日、ロックバンド・エレファントカシマシ紅白歌合戦初出場の知らせを聞いた。やはり好きなバンドが紅白歌合戦に出場決定すると嬉しいものですね。去年のTHE YELLOW MONKEYもそうだったけれど、今年もテレビに噛り付いて観ると思う。若手のアーティストも多数出場する中、圧倒するような貫禄と男気の演奏が観れるのを今から楽しみにしている。


出典: http://www.nhk.or.jp/kouhaku/artist/

 

そんないちファンとしてめでたいニュースを知った時、僕はというと偶然にもエレファントカシマシのアルバム「俺の道」を聴いていたところだった。何とも運命的なものを感じるじゃないか。好きなバンドを聴いている時に、好きなバンドの嬉しいニュースを聞くなんて。聴いていたのはエレファントカシマシのアルバムの中でも大好きな1枚である、「俺の道」。セールス的には余り振るわなかった東芝EMI時代の作品だけれど、クオリティの高さは並々ならぬものがある、すんげえアルバムだと思う。どうしてこうも血気迫った歌が歌えるのだろうか。そしてどうしてこうも胸に響き、猛るのだろうか。喜びはしゃぎながら、そんなことを考えていた。

 

・戦い勝負し続ける男たちのマスターピース

 

俺の道

俺の道

 

 

少年漫画における原則に「友情」「努力」「勝利」の3本柱があるが、それをこのアルバムに当てはめたなら、きっと「仕事」「人生」「勝利」の3本柱になるのだろうなあ、と思う。どのテーマをも極限まで凝縮して薄めずそのまま抽出したような、尋常ではない男臭さが漂うアルバムである。何て言うか、全編通して対象年齢が高い。正直、学生時代に聴いたとしても?マークが浮かんでいたと思う。

 

しかし時は流れ、学生の時分はとうに過ぎた。働き、時に喜びを知って、時に疲れ、眠り、そして働く。過程デハナク結果ヲ出サナケレバ。コレガ出来ナキャ俺ナンゾニ価値ハナイ。時として摩耗される日々に精魂尽き果て、そんな生きる屍と化したような気持ちになることもままある。目も段々と濁って来る。このままではいけない、どうにかしなければ。初めてこの「俺の道」を聴いたのはそんな極々な時だった。聴いて一発でぶっ飛んだ。ハロルド作石氏の漫画、BECKを知っている方はBECKのライブシーンを思い浮かべて欲しい。観客が初めてBECKのライブを観た際に、その衝撃に口を開けてビックリしてしまう描写がたくさん出て来るんだけど、その感じ。完全に打ちのめされてしまった。

 

そこには終始「俺は!俺は!」と繰り返される一人称に乗せて、人類の歴史やら生活やら人生やら仕事やらについて声高にがなり続ける歌があった。ボーカルの宮本浩次氏が当時抱えていたであろう様々な葛藤がそのまま音になっているようだった。しかししょぼくれた生活や自分自身を嘲りながら、それでも負けじと勝負して勝ちに向かっていく気合に満ち満ちているではないか。「まだまだ俺は甘ちゃんだわ」と自分の弱さと甘さを痛感したと同時に、「まだやれるわ」と背筋が伸びるような心地がした。

 

・困難が立ちはだかるからこそ、戦う男の歌がやっぱりグッと来る

 

この「俺の道」に収録されている楽曲に、ハロー人生!!という曲がある。

 

21世紀今日現在この東京じゃあ、さほどオレの出番望んじゃないようだが、かまわねぇオレはまだ生きている。

そうさオレはまだ生きている。

『ハロー人生!!』より引用 作詞作曲宮本浩次

 

こう、文面にしただけで伝わってくる気合の凄まじさよ。タイトル後の!!マークや「オレ」の一人称の多さに、サビ部分がよく見たら歌詞と言うよりも完全にひとつの文章になっていることからも分かる通り、並々ならぬ気合が伝わって来る。ガレージロックのようなガリガリとしたシングルコイルの歪みに乗せて、ディストーションをかけて高速でまくしたてるようなボーカルにこの歌詞である。段々とボルテージが上がっていくような展開もあって、こちらのテンションも徐々に上がってくる。「負けてらんねぇわ」と次第に心に火が付いていくのを感じる。気付けば身体中が、心の中が気合で満たされていくのである。何度この曲に背中を押されて来たか分からない。

 

一見すると普通にも見える生活にだって、当たり前に困難は立ちはだかって来る。そんな困難に行く手を阻まれて、立ち止まってしまうことも時にはあるけれど、そんな時はいつだって戦う男の歌にグッと来てしまう。そして僕はそんな時いつだってこの「俺の道」を聴く。そうして曲がった背筋をピンと伸ばして、「負けてらんねぇわ」と「頑張ろうぜ」と勝利の栄光をこの手にすべく、今日も明日も出掛けて行くのだ俺たちは。そうだろう、エブリバデイ。

 

世に無数にあるロックバンドの内、「ロック」しているバンドは多いがしっかりと「ロール」しているバンドはどれ位いるだろうか。過剰過ぎる位に一切飾らず、心の中を洗いざらい晒したような「俺の道」の楽曲たちに、そんな「ロール」の部分が表れているように思った。エレファントカシマシ、「ロック」して「ロール」し続ける、最高のロックンロールバンドだと思う。

 

デビュー以来、大ヒットは勿論だがレコード契約打ち切りとセールスの低下等これまで様々な紆余曲折を経験してきたエレファントカシマシ。先に「セールス的には余り振るわなかった」と書いたが、例え一般的にセールスが振るわなかったとしても、自身の求める音楽をとことん追求して表現し続けたこうした時代があったからこそ、今現在の優しく力強い彼らがあるのではないだろうか。こうなったら、もう行ける所まで行って欲しいし、そんな光景が見てみたい。紅白歌合戦、とても楽しみだ。是非とも大晦日は彼らの雄姿を目に焼き付けたい。そうして「頑張ろうぜ」と「負けてらんねぇわ」と背筋を伸ばして行くのだ、俺たちは。

 

本日のテーマソング

MOGWAI/kids will be skeletons

チャットモンチー解散に寄せて 皆チャットの音楽が大好きだった

先日いつものようにインターネットを巡回していると、非常にショッキングなニュースが飛び込んできた。ガールズロックバンド、チャットモンチーが解散を発表したのだ。ええええ。ビックリした。バンド体制を変えながらも、積極的に活動している印象を持っていただけに驚きも大きい。

 

http://www.chatmonchy.com/info/archive/?488775より出典

 

チャットモンチー、アルバムを持っている訳ではないし、決して熱心な大ファンだったという訳でもない。しかし、沢山の曲を聴いたし、振り返ればチャットモンチーの音楽と共に思い出される懐かしいシーンなんかも沢山ある。多くの素晴らしい曲を発表してきた、偉大なロックバンドであった、と思う。

 

・全てのバンド女子の憧れ 偉大なガールズロックバンド

 

チャットモンチー、振り返れば本当に偉大なガールズロックバンドだったと思う。かつて僕が大学生だった頃、これまで男だらけであった軽音楽部に一気に女子部員が増えたことがあった。話を聞くと、どうやら彼女達の多くが「チャットモンチーを聴いて、バンドをやりたいと思った。」という。多くの女子達がチャットモンチーの音楽を聴いて、ロックに目覚めて、バンドを組むに至ったのだ。

 

これ、すげえことだと思いません?世に数あるロックバンドの内、チャットモンチーが多くの女子達の心を掴んで動かしたのだ。人ひとりを動かすことのどれ程大変なことか。そしてチャットモンチーはそれを成し遂げたのだ。確実に代々続くガールズロックバンドの歴史にその名を刻んだと思う。すげえ、といわずに何といおうか。

 

・青春の思い出が詰まったチャットモンチーの音楽

 

先程チャットモンチーの熱心な大ファンだったという訳ではない、と書いたが振り返れば大変な思い入れのあるバンドだ。多くの曲を何度も聴いたし、歌って騒いだ。そういえば「真夜中遊園地」や「ハナノユメ」に「世界が終わる夜に」を弾いてバンドで演奏もしたこともあったな。「染まるよ」を始めて聴いた時は、「何て良い曲なんだ!」とびっくりした。確か冬の日だったと思う、あまりの素晴らしさに感動して枕を濡らしたな。後、女子に「最近「染まるよ」が好きでよく聴いてるの」と言われた直後酷いフラれ方をして落ち込んだこともあった。チャットモンチーファンの後輩がギターを買いたい、というのでアツいチャットトークを交わしながら御茶ノ水に付き添って行ったこともあったっけ。結局ストラト買ってたけど。

 

思い出せば傷だらけでも美しき、青春といえる瞬間にはいつだってチャットモンチーの音楽が流れていたように思う。何が「チャットモンチーの熱心な大ファンだったという訳ではない」だ、俺のばかちんめ。僕らはみんな何度も聴いたし、何度も歌ったじゃないか。好きなバンドだよ。そう、僕ら皆チャットモンチーの音楽が好きだった。そして紛れもなく僕ら世代にとって知らない人はいない程の、大きな影響を与えたロックスター的バンドだと思う。

 

・変わっていくからこそ、いついかなる時も応援したい

 

音楽について見聞きする度に、「ファンの人はいつだって後になって『あの頃は良かった』という。」なんて声を聞くことがある。普段の活動の際には全く声を上げないのに、一切合切が過ぎ変わった後になって「実はあの頃好きだった」「実はずっと好きだった」などと好意を伝えたりするな、ということだろう。「後からいわずにその時ちゃんとそう伝えんかい!」という気持ち、確かによく分かる。これ、本当にその通りで、何ならこの記事もそうだよ。解散が決まってからあれこれ書いてるし、熱心なリスナーの方からしたらもしかして「後になって好きだったとかいうなよ!」と腹が立つ方もいるかもしれない。

 

音楽、特にバンドとなると長く続く歴史の中で変わっていくことが常であり、その中でメンバーが変わったり、活動休止したり、解散してしまったり、ということが多くある。いちファン目線で、僕も好きなバンドのそうした姿をこれまでに何度も目にしてきたし、「あの時観に行っていれば!」と後悔したりしてきた。そうした気持ちが、「あの頃良かった」だの「実はずっと好きだったのに」だのといった後出しのような発言に繋がってしまうのだろうな、と感じる。

 

しかしだからこそ、だ。いち音楽ファンとして、もうそうした後悔などないようにしたい、と思う。形あるものは、時間と共にその形を変えていく。永遠などはなく、全ては有限だ。バンドもその例外ではなく、どんなバンドもいつかは終わってしまう。だからこそ、好きなバンドだからこそ純粋に応援していきたい、と思うのである。

 

まだまだライブを観れていないバンド、一度ライブに行ってみたいバンド、沢山ある。どうにも好きなバンド程、我々ファンは手厳しく斜め上から見がちな気がする。もっとこう、シンプルに純粋に楽しんでいきたい、と思う。ファンだからこそ、いついかなる時も応援していけたら良いな、と思う。そしてもっともっとそのバンドとの思い出を増やして、一緒に歳を重ねていけたら良いな、と思っている。青臭いかもしれないけれど、本当そうよ。そうした思い出は、いつだって心の中で輝き、僕らを笑顔にしてくれるのだから。

 

チャットモンチー、本当に偉大なバンドであった。数々の名曲と思い出をどうもありがとう、という気持ちでいっぱいです。いくつもの名曲が今も心に燦然と輝いております。解散までは勿論、メンバーのこれからの音楽活動も応援していきたいと思う。

 

本日のテーマソング

チャットモンチー/染まるよ

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

時には美しき轟音と静寂の世界を ポストロックバンド・65daysofstaticを聴いた

外出中や家事や作業をする際、耳にイヤホンを突っ込んで音楽を聴いていることが多い。ひとり暮らし故に日常の大半をひとりで過ごすことが多い為、とにかくお耳が寂しくなっちゃうのである。ひとりで過ごすことにあまり抵抗はない方だが、あまりにも静かだと何となく寂しさが込み上げてくる。

 

そんな時ほど音楽の出番だ!といつものようにイヤホンを耳にブチ込み、ナイスな音楽を流す訳だが、どうにもハマらない。明るい音楽を聴こう、いや何か違う。敢えてラウドな洋楽なんて良いかも、いや全然違う。何故か何を聴いてもしっくりこない。こんな状況、ないだろうか。僕は滅茶苦茶多い。音楽好きにとってはあるあるネタのひとつだと思われる、この如何ともし難い状況。どうやって打開しようか。

 

最近この全世界の音楽好きが直面する難題に、ひとつの打開策が生まれた。僕の中でだけだが。暗闇を切り裂いて一筋の光明が差した。パッと世界が開けた。そんな時こそ、ポストロックを聴くのが良い。65daysofstaticというポストロックバンドの音楽がとてもオススメだ。

 

65daysofstaticってどんなバンド?

 

The Destruction Of Small Ideas

The Destruction Of Small Ideas

 

 

65daysofstaticは2001年にイギリスはシェフィールドで結成されたポストロックバンドである。日本ではかの有名な残響レコードよりリリースされている。

 

電子音のサンプリングにブレイクビーツ、エモを彷彿とさせる重農なバンドサウンドに混ざり合ったピアノやギターを用いた美しいメロディラインがキラリと光る音楽性。「モグワイ・ミーツ・エイフェックス・ツイン」と形容される通り、カオティックなサンプリングに轟音と静寂を行き来して構築されるドラマチックな音世界が何とも美しいインストである。

 

・儚くも力強い1曲「retreat! retreat!」

 

youtu.be

 

彼らの代表曲とも言える1曲にretreat! retreat!という曲がある。ギターのオクターブ奏法を駆使した疾走感溢れる演奏に、バックでチキチキと鳴るブレイクビーツが気持ち良い。実に骨太な力強さを感じる一方で、どこかセンチメンタルで儚げな雰囲気が漂っているのも印象的だ。随所に挟まれるギターのフィードバックがまた美しく、コードを弾き切った後も鳴り響くフィードバックノイズを残して曲は終わる。この余韻の素晴らしさよ。何となく心細いような、そんな夜にこそ聴きたい1曲だ。

 

なんというか、何も見えない冷たい夜の暗闇の中で漂いながらも、半ばやけくそ気味に光を探して全力疾走するようなイメージが浮かんでこないだろうか。そのイメージの何と美しいことか。冷たい雰囲気が漂いつつも、どこか暖かいような気もする。しんと静まり返った夜の静寂の中で、一抹の寂しさを感じる心にそっと沁み込んでくるみたいじゃないか。冬将軍が肩で風を切るこんな季節に、これ程までにピッタリな音楽はないんじゃなかろうか。そんな風に思った。

 

・時には歌のない、インスト曲も良いんじゃない?

 

ポストロックというと、どこか複雑で難解なイメージがないだろうか。実をいうと僕はもろにそんなイメージを持っていた。「ボーカルがいた方が俺は好きだなぁ~」などと思っていたのだけれど、俺のばかちん。めちゃんこ素敵な音楽じゃないか。こうしたインストのポストロックはこれまであまり聴いてこなかったのだけれど、65daysofstaticを聴いてそんな偏見はどこかに消えてしまった。

 

歌がないが故、楽曲自体や楽器のプレイ自体による説得力が尋常じゃないものがあるのだ。巧みな展開や構成でダレずにグイグイと聴かせる上に、その音の洪水にイマジネーションを掻き立てられてしまう。歌がなくとも、それを逆手に取るようにピアノやギターを用いたメロディが心を鷲掴みにして震わせる。こうして心に染みていく音楽に、むしろ歌詞など不要だろう。

 

65daysofstatic、それだけの力がある良いバンドだと思う。未聴の方、「何聴いてもしっくりこないんだよなぁ~」という方、是非とも聴いてみては如何でしょうか。

 

本日のテーマソング

BURGER NUDS/タネリ

 

 

嗚呼 素晴らしきフェンダー・ジャズマスター

昔のフォルダを漁っていたらめちゃんこ懐かしい画像が出てきたので、余りの部屋の汚さに若干引きつつも晒してみようと思う。画像は僕が人生で始めてローンを組んで購入した、フェンダーUSA製のジャズマスター。購入してからというもの、健やかなる時も病める時も実に多くの時間を過ごしてきた、相棒ともいえるギターだ。

 

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ジャズマスター愛が衰えるどころか、日に日に増していくのを感じている今日この頃。最近ひとつ思うことがある。ジャズマスターを使ってるギタリスト、増えてない?

 

ここ数年、ライブ会場に足を運んだり音楽をチェックしたりすると、ジャズマスター使いに遭遇することが多い。アマチュアのギタリストのみならず、前回紹介したsyrup16gの五十嵐氏や銀杏boyzの峯田氏、[Alexandros]の川上氏にストレイテナー大山純氏などのプロミュージシャンも近年ジャズマスターを弾いていたりする。その人気ぶりに、ギターマガジンにて「逆襲のジャズマスター」なる特集が組まれたのも記憶に新しい。

 

これ、絶対に増えてるよね。ジャズマスターの宝石箱や。ジャズマスターパンデミックや。そりゃまあ、著名なプレイヤーが使えば人気が出るのは当然なのだけれど、どうしてここまで多くの人を惹きつけるのだろうか。ジャズマスターをこよなく愛するものとして、ジャズマスターの魅力を一方的にアツく語っていきたいと思う。

 

素晴らしきジャズマスターの魅力

 

まずジャズマスターの何が良いって、単純に見た目がカッコ良い。レトロで左右非対称のデザイン。座って弾くとボディ横の窪みが太ももに丁度良くフィットして良い塩梅だ。通常のギターに比べると少し大きめのボディも、ぶら下げて立った時に存在感抜群でカッコ良く決まる。

 

そして何といっても最大の魅力は、その音作りの幅の広さにあると思う。のっぺりとした特徴的な見た目のシングルコイルピックアップは、少し丸みがあってどこか暖かい音がする。そうしたピックアップから繰り出される、まろやかなクリーンサウンドからジャキジャキとしたソリッドな歪み、ドスンとした重量感のある歪みまで全てカバーする守備範囲の広い音こそ、ジャズマスターの王者たる所以だろう。

 

だってリアだろうがセンターだろうがフロントだろうが、どのピックアップも使えるんだもの。出したい音やバンドの特色に合わせて、その都度適したピックアップをチョイスすることで、柔軟にサウンドを変えられるこの幸せ。その幅の広さ故に音作りは非常に難しいけれど、バンドの音にバチッとハマった時には何ともいえない気持ち良さがあるのだ。

 

少し扱いづらい、じゃじゃ馬な一面も

 

とはいってもこのジャズマスター、中々にじゃじゃ馬な面も持ち合わせている。音作りの難しさもそうだが、とにかくチューニングが安定しないのである。少し弾いて気付くとチューニングがかなりずれる。気付けばいつも不協和音。音を揺らすアームなどを使用したら、一発で大幅にチューニングが狂ってしまう。また強く弾けば、かなりの確率で弦が乗っているブリッジ側のサドルから弦がずれ落ちてしまったりもする。更にブリッジに共鳴して弾く度にキィィ~ン、、、と謎の振動が起きる始末。中々にじゃじゃ馬である。まるでワガママでお姫様気質の娘さんのよう。アニメキャラか。

 

全て弦を固定するブリッジの構造上起きる現象なのだが、これでは実戦投入が厳しい為、少し改造する必要が出てくる。しかし改造といっても何も難しいことは無い。一般的には同じフェンダーの、ムスタングというギターに搭載されているブリッジと交換することが多い。物さえあれば、ただ外して新しいものを穴にはめるだけ。めちゃんこ簡単。

 

 

ちなみに僕は、ブリッジのサドル部分のみを上記の物に変更して使っている。更にブリッジを差し込む穴に詰め物をして、キィィ~ンと鳴る共鳴音が出ないようにしている。弦はずれること無く、チューニングも幾分か落ち着いて気持ち良く使用出来ている。

 

こんな風に随分と手のかかるギターだが、希望通りのセッティングが出来れば、その分愛情も倍増である。自らの手で少しづつ自分仕様に染め上げて、自分だけの愛機を時間を掛けて作り上げていく。そんな要素もジャズマスターを弾く楽しみのひとつだろう。

 

憧れのミュージシャンが使っている憧れのギター

 

また単純に、数多のカッコ良いプロミュージシャンが使用している点も、やはり人気の秘訣なのだろうなぁと思う。やっぱ単純に楽器を買う時って、憧れのミュージシャンが使っているギターを欲しくなるものじゃないですか。「あんな風にカッコ良く弾きてぇ!」って憧れるものじゃないですか。そういう僕も始めは完全なる憧れでジャズマスターを手に取った。NUMBER GIRL田渕ひさ子氏の影響だ。

 

今や伝説となったNUMBER GIRLのラストライブの映像を観たのが全ての始まりだった。そこでのOMOIDE IN MY HEAD田渕ひさ子氏の荒々しい、衝動の塊のようなギターを聞いて、一発で虜になってしまったのである。これぞオルタナティブ。引くところは一歩引いてバックの演奏を支え、前に出るところはとことん前に出てジャズマスターを掻き鳴らす。テクニックを超越した、ほとんど本能で弾いているかのような獣の如きギタープレイに夢中になった。上手い下手の概念を飛び越えて、単純に「カッコ良い!!」と思える、本能に直接語り掛けるようなギターを弾く人だと思う。今見てもカッコ良い。

 

やっぱり僕はジャズマスターが好き

 

何というか、弾いていて実に不思議なギターだな、と思う。音作りの難しさや、弦のテンションの低さや、チューニングの不安定さなど気になるポイントは沢山あって決して優等生タイプのギターではない。むしろとんだじゃじゃ馬ギターだ。しかしそんな部分も全部長所になってしまう、何とも不思議な魅力に溢れている。元々長い歴史の中で、オルタナ系シューゲイザー系のギタリストに好まれてきたジャズマスター。非常に尖った、エッジの効いたギタリストたちに愛されて来た魅力的なギターだと思う。

 

例えるならばちょっと変わり者の親友や彼女みたいな感覚だろうか。「お前のこと悪くいう奴もいるかもしれないけれど、俺はお前のこと好きだよ」といいたくなるような。そういう人って一度仲良くなると、何だかんだずっと仲良かったりするじゃない。離れて暮らしていても、定期的に連絡取り合ったりして。変わっているけれど面白くて、妙に優しいところがあったりしてさ。

 

ジャズマスターにも、何だかそんな雰囲気を感じてならない。実に不思議な魅力に溢れたギターである。ギターを弾く頻度は年々減って来たけれど、そんな風にジャズマスター君とは一生友達でいたい、と思う。君と僕は一生の友達なのさ。久々に弦を張り替えようではないか。

 

本日のテーマソング

エレキブラン/メルト

 

 

 

 

 

 

 

 

 

歴史の裏に隠れた珠玉の名曲たち syrup16g『delaidback』を聴いた

先日更新した記事でsyrup16gに対するアツい想いを綴ったばかりだが、遂に待望のニューアルバム・delaidbackが発売された。風邪にヤラれて寝込んでいた為に更新が遅れてしまったぜ。悔しいんだぜ。常にこめかみを襲う頭痛が気になるけれど、気を取り直して今回もアツくレビューしていきたいと思う。(先日の記事は下記リンクをクリック!)

 

kawabeko1991.hatenablog.com

 

デビュー以来続く長いsyrup16gの歴史の中で、音源化されていない楽曲を新録で収録したこちらのdelaidback。一聴して思ったが、ただの過去曲の寄せ集め、と侮るなかれ。1枚のアルバムとして、なんと完成度の高い作品だろうか。このアルバム、控えめにいって僕らがあの頃魅せられた、syrup16gの魅力がふんだんに詰まったとんでもない名盤だと思う。

 

delaidback

delaidback

 

 
今回個人的に驚いたのは、2008年のsyrup16gの解散後に始動した、犬が吠えるのライブにて演奏された収録曲、01.光のようなと07.赤いカラスの2曲。五十嵐氏の生還ライブで赤いカラスを聴いた際にも思ったのだけれど、この2曲、すんげぇ。五十嵐隆氏のキャリアの中でも上位に軽く食い込むくらいの名曲じゃないだろうか。

syrup16g解散後の虚無感と寂しさと、それでいて生を渇望するような力強さと優しさに溢れた楽曲で、美しいメロディがそっと胸に沁みる。所々叫び歌う五十嵐氏の生々しいボーカルも相まって、楽曲に込められた凄まじいまでの感情を感じてならないのである。そしてそれに加えて、

 

中央線が止まっても 最終に乗り遅れても この生活は終わらない

退屈を感じれるひとも つまらないと投げ出すことも 

とても羨ましく思えるよ

syrup16g『光のような』より引用 作詞作曲五十嵐隆

 

と、syrup16gの音楽の根底にある「果てしなく続く生活」といったテーマを抽出して、最大出力でぶっ放している光のようなの歌詞。美しいメロディにsyrup16gらしいコード感満載のソリッドな演奏に加えて、この無常感漂う歌詞である。完璧じゃなかろうか。ライブでの新たなアンセムになりそうな予感が既にプンプンじゃないか。これまでライブでのみしか聴くことが出来なかった、これらの楽曲が音源で聴けるのが僕は嬉しくてならない。

 

また古今東西、良いアルバムというものはそのアーティストの持つカラーが様々な形で魅力的に収録されているもの。こうした名曲の新録も勿論なのだが、本作delaidbackには、そんな色とりどりのクレヨンを敷き詰めたような趣がある。様々なsyrup16gの側面が垣間見えるバラエティ豊かな楽曲群が揃っていると思うのだ。


甘美なメロディに乗せてダウナーな無力感に落ちていくような02.透明な日や03.star slaveに、ポップで爽やかな曲調ながらも「何もいいことがねぇ」と五十嵐節が炸裂する11.4月のシャイボーイや08.upside down。また不協和音的な怪しげなメロディが光る05.ヒーローショーや09.ラズベリー。そしてラストの遠い希望に手を伸ばすような、光に満ちた空気感の13.光なき窓まで、どこをとっても多彩なsyrup16gの魅力に溢れた内容になっている。


未発表の楽曲の中にも、これ程までに素晴らしい名曲たちが数多くあったとは。五十嵐隆氏の才能には驚かされてばかりである。長く続く彼らの歴史の、その裏に隠れた珠玉の名曲たちが集まった、珠玉の裏ベスト盤とも言える1枚ではないだろうか。

時に落ち込み虚無感や無力感に襲われながらも、どうにか抗い生きている。五十嵐氏が歌うように、中央線が止まっても最終に乗り遅れても、この生活は終わらない。そんな、果てしない生活を送る我々のそばにふらっといてくれるような、何だかしんどい時にふと聴きたくなるような、そんな素晴らしいアルバムだと思う。

 

これまで熱心にsyrup16gの音楽を聴いてきた人は勿論、「全く知らねぇよ!」という人にもオススメしたいアルバムである。むしろ聴いたことないという人、入門編にdelaidbackから聴いても良いかもしれない。めちゃんこ良いアルバムです。是非。

 

本日のテーマソング

syrup16g/赤いカラス

かつてロックンロールに心を撃ち抜かれた、全ての人たちに

ロック好き同士で会った際、「最近どんな音楽聴いてるの?」「何かアツい音楽ある?」等といった話題になることはないだろうか。何なら僕なんぞは「色々聴いてるけど最近微妙だわ。やっぱ昔はさぁ~…」とかいってたりする。まだ二十代なのに。何者だお前は、評論家気取りか。完全に将来、近所で有名なロックおじさんになる予感しかしない。怖いよう。

 

自分の周りだけかもしれないけれど、ロック好き同士集まると割とこういう話の流れになることが多い気がする。どうして聴くもの全てに感動していたあの頃のように、純粋な気持ちでいれないのだろうか。どうしてそれでも尚、心高鳴る音楽を追い求めてしまうのだろうか。

 

それはきっと、かつてロックを始めて聴いた時の、あの目から鱗と涙と何かしらが次々と零れ落ちるような、天啓のような衝撃が忘れられないからだと思う。

 

神聖かまってちゃんの楽曲にロックンロールは鳴りやまないっという曲がある。ロックンロールから貰った初期衝動について歌った名曲だが、

 

初めて気がついた あの時の衝撃を僕に 

いつまでもいつまでもいつまでも くれよ

神聖かまってちゃん 『ロックンロールは鳴りやまないっ』より引用

作詞作曲の子)

 

という歌詞にもあるように我々ロックファンは、いつだってそんなあの時の衝撃を追い求めているハンターなのだ。多分。いや、きっとそう。

 

いつだってあの時ロックンロールに心を撃ち抜かれた日のように、これまでの人生で感じたことのない最上級の衝撃に出会いたいのだ。無数の「何だこれ!?」「こんなん聴いたことないぞ!」「カ、カッコ良いいい!」に襲われる衝撃。何やら訳の分からん物で殴られ、世界が120度くらい変わってしまうような衝撃。そしてそんな衝撃にまた出会いたいが為、遺跡に秘められた秘宝を探すハンターのように、どこまでもひたすら追い求めてしまう。飽くなき探求心にハンターハンターもビックリだ。ヒソカも倒せそう。

 

僕がそんな飽くなきハンターの一員になったきっかけは、忘れもしない中学2年の夏のこと。アニメの世界ではエヴァに乗ったり魔法少女の力に目覚めたりと、何かと日常が変化しがちな年齢、中2。アニメの中の彼らと同様、現実世界の中2も何かと目覚めることが多い。周りの同級生がオシャレやワルっぽいものに目覚めていく中、そんな風潮に馴染めずにふてくされていた僕は音楽に目覚めた。

 

幼馴染の親友の家にあったスピッツのスーベニアというアルバムを何となく借りて聴いたのがきっかけだった。このスーベニア、春の歌や正夢といったこれぞスピッツ!な有名曲が収録されていると同時に、ほのほにみそかやテイタム・オニールといったロック色の強い曲も収録されている作品で、ひねくれていて優しかった。しかし最高に尖っていた。ロックだ、と思った。再生ボタンを押して、1曲目の春の歌が流れた瞬間から「あ、これすげえ良いやつだ」と夢中になって聴いたのを覚えている。

 

音楽とか、クラスのイケてる奴がイケてる連中と盛り上がる為に聴くものだと思ってたのに。俺は触れちゃいけない種類の物だと思ってたのに。何だろう、この自分の心の形に添ってストン!と全部ハマる感覚は。気付いたら、「カカカ、カッコ良い!!!!」と夢中になっていたな。

 

前述したような「色々聴いてるけど最近微妙だわ。やっぱ昔はさぁ~…」という発言、皆さんも聞いたりいったりすることはないだろうか。結局のところ、そうした発言も裏返せば音楽への愛溢れるハンター故だと思う。

 

音楽を聴いたところで、悩みや不安はなくならないし、現実に横たわる様々な問題が消える訳ではない。しかし、あの頃撃ち抜かれた「カカカ、カッコ良い!!!」に貰った奮い立つような力強さを、衝撃や勇気を忘れたくないし、追い求めていたい。いつだってそんなロックンロールの衝動を心の何処かに持っていたいのだ、僕たちは。

 

またそんな衝撃をまだ見ぬ人がいたならば、かつてロックンロールに心を撃ち抜かれた、いちロックファンとして「こんなカッコ良い音楽があるんだぜ」と、伝えたいし繋げていきたいとも思うんである。

 

「最近微妙だわ。」などと発言しがちでも、個人的には一方的に否定して押し付けるつもりは毛頭ない。それぞれ趣味嗜好があるものだし。また今現在でもカッコ良い音楽を掻き鳴らしている人たちは沢山いる。僕自身、評論家の方々のように詳しい訳ではないし、まだ見ぬ衝撃に出会う機会がまだまだあるだろうし、そんな出会いがあれば嬉しく思う。

 

かのような駄文をいつも読んでくれる方々にはいつだって感謝が尽きないです。何かしら伝わっていたら感謝感激です。伝えたいし、出会いたい。だからこそこうやって文章を綴り、ブログを書いているのかもしれない。

 

スーベニア

スーベニア

 

 久々に聴いたけれど、スーベニアはやっぱり名盤である。

 

本日のテーマソング

The Birthday/くそったれの世界

 

 

 

 

 

 

どこまでも人間臭いそんなあなたが好き syrup16g『delaidback』発売決定

先日アマゾンにて、「お客様におすすめのニューリリース」の欄をボケーっと眺めていたところ、その中に「syrup16g」の文字を見つけた。どうやら来たる11月8日に「delaidback」という新譜が発売されるらしい。うおお、マジか。たまにはニューリリースの欄も見てみるものですね。知らずにスルーするの回避出来て良かったわい。嬉しくて思わず、うひょひょひょ!と部屋で小躍りしてしまいましたよ、ぼかぁ。

 

delaidback

delaidback

 

 

かつての名盤「delayed」や「delayedead」に次いで、「ディレイ」をタイトルに冠した本作。期待値がブチ上がる中、公式サイトをチェックしてみるとどうやらライブでのみ演奏されて、これまでCDには収録されていない楽曲を音源化したものらしい。今や伝説となった2013年の五十嵐隆氏の復活ライブ・生還で演奏された「赤いカラス」や「透明な日」といった楽曲から、古いものでは97年頃の「開けられずじまいの心の窓から」や「夢みたい」といった楽曲も収録されるとのこと。今から楽しみ過ぎる。ドキがムネムネだわいな。

 

そんな中でも特に、当時生還ライブのチケットが取れずに悔しさの中、DVDを発売当日にタワーレコードにカチ込んで入手した僕としては「赤いカラス」の収録に喜びを隠せない。syrup16g解散後に結成されて音源のリリースもないまま解散した、犬が吠える時代に作られたこの楽曲。生還ライブのDVDにて始めて聴いたのだが、哀愁が凄い。そしてビックリするくらい良い曲。

 

何も出来ないまま、無為に時間を浪費するだけの自分を嘲るように、淡々と進行するこの曲。それでいて寂しく肩を落としながら、弱音をポツリとこぼすような風景が浮かぶ美しいメロディと演奏に、DVDを観ながら友人と「この曲、すげぇや。。」と夢中になって聴いた思い出。何というか、頑張ってもダメで、上手にやれなくて、でもそれじゃ生きていけなくて。そんなしょうもないクソッタレな自分を、「ヘヘッ」と笑いながらも泣いているような哀愁を感じて、どうしようもなく心をギュッと掴まれてしまったのである。

 

しかし考えてみればこの人はいつだってそうで、自分のことを怖いくらいに冷静に客観視して「俺全然だめだなあ、ヘヘッ」と嘲りながら下向いて歩いているような、そんな気がする。いってしまえばダメ人間度合がありあまる程にバリバリなのだが、そんな姿がどこまでもリアリティがあって、「ダメだなぁ、この人」なんてどうしても笑えない。何故か心をギュッと掴まれてしまうのである。どうしてこうもsyrup16gの音楽に心惹かれてしまうのかといえば、人が誰しも蓋をしがちな暗い部分に光を当てるような、そんな圧倒的なリアリティと人間臭さがあるからなんだろうなーと思う。

 

「暗い」だの「鬱ロック」だのいわれがちだけれども、彼らの音楽の魅力はそんな表面的な部分では無くて、そうしたどこまでも人間らしい、人間臭さにあるのではないだろうか。

 

の僕の大好きな曲のひとつに、「明日を落としても」という曲がある。もしも人生で影響を受けた曲10曲挙げて、といわれたら確実にランクインする1曲だ。

 

機械みたいな声でサヨナラされて それでも何か傷ついて

誰も愛せなくて愛されないなら 無理して生きてることもない

明日を落としても 誰も拾ってくれないよ それでいいよ

syrup16g『明日を落としても』より引用 作詞作曲五十嵐隆

 

と、厭世的な気分を引きずって、どこまでも自暴自棄で突き放したような言葉を呟きながらも、曲中そんな言葉を吐くことで物事から目をそらしてごまかしてしまう自分を皮肉ったりしている。これで済ましてしまえばただ「暗い」で終わってしまう。しかし曲の後半部分、ボルテージを上げて疾走するようなギターソロの中で「Do you wanna die?」とシャウトを繰り返して曲は終わるのである。

 

「無理して生きてることもない」と突き放してごまかしながら生きる自分に、「それでお前、本当に死にたいの?」「本当にそう思ってんの?」と叫び、問いかける。そこに明確な答えは無いけれど、「かといって本当に死にたいのかよ?そうじゃ無いんじゃないの?」と葛藤する感情の揺らぎが込められている1曲だと思う。

 

「この曲はそんな曲じゃねーよ!あっちに行け!」という意見もあるかもしれないけれど、syrup16gの音楽を聴くたびに僕は、そんな一見矛盾したような、どちらにも振り切れずにもがくような、行き場の無い感情の揺らぎに突き抜けた人間臭さを感じてしまうんである。そしてどうしても心を揺さぶられてしまうのだ。

 

ネガティブかポジティブか、性格の傾向は人それぞれだけれどほとんどの人はそこまで極端ではなくて、その中間の「ネガティブな部分はあるけれどなるべくポジティブに頑張ろうとしている人」に当てはまるのではないかなーと思う。syrup16gの楽曲は僕を含めたそんな人たちの心の奥底にあって時々顔を出す、そんな部分に容赦なくグサグサと突き刺してくる音楽だと思うのだ。

 

中には痛いよぅ痛いよぅ、と拒絶する人もいるかもしれない。「そんなん気にせず上げていこうゼー!うぇーい!」という人もいるでしょう。しかし時にネガティブで時にポジティブな僕らには、テンションブチ上げ系の曲では踊れない日もある。そんな歌をやけに聴きたくなる時があるし、そんな歌がやけに優しく響く時がある。

 

そんな時彼らの音楽はいつだって、側にいてくれるような気がする。「あー分かるよ、しんどいよねぇ。。」なんて言いながら。そんなどこまでも人間臭く優しい、syrup16gの歌が僕は好き。

 

いやはやどうも長くなってしまった、乙女の手紙か。ではでは本日はこの辺で!delaidback、今からとても楽しみ。ばいちゃ。

 

本日のテーマソング

GRAPEVINE/everyman,everywhere