BURGER NUDS 「Act2或いはAct3」を聴いた
はろー、本日は先日リリースされたBURGER NUDSの 新譜、「Act2或いはAct3」のレビューなんぞを書いていきたいと思っております。このBURGER NUDS、ファン歴自体は決して長くはないのですが個人的に非常に思い入れのあるバンドのひとつ。
先日「夏だねぇ」的な内容のブログを更新したばかりですが、僕は毎年夏になると無性にBURGER NUDSを聴きたい衝動に駆られます。友人にオススメされ激ハマりした数年前の夏。諸々の事情があり、非常にダウナーな精神状態の時に毎日狂ったように聴いていたのを覚えています。あの時と今では状況も周りにいる人たちも大きく変わったけれども、今でも夏になると聴きたくなるし、そのたびに当時考えていたこと、風景や匂いを思い出してしまう、そんなバンド。何となくノスタルジーとセンチメンタルを刺激されるような気がして、そんなところがとても好きだったりする。個人的には夏の夕暮れとかに聴きたくなります。
前置きが長くなってしまいましたが、以上レビューいっくよ!!
10数年ぶりにリリースされた新作。始めて聞いた際はどこか風刺的で批判めいた散文的な詞と、あまりに静かで淡々とした音像に「うーん、これBURGER NUDSでやる必要あるのかなあ。。。」とあまり良い感想を持てなかったのが正直なところ。僕らがよく知るあのBURGER NUDSというより、ギターボーカル・門田氏のソロ・Poet-type.Mの音楽に近いような印象でした。しかし繰り返し聴いているうちに徐々に「あれ、これめっちゃ良いじゃん!!」と印象が変わっていくという。。実にスルメな1枚だと感じるのですが、内容はこれ、めちゃんこ良いです。
全体的にスローで淡々とした印象で、バリバリにギターサウンドをかき鳴らす!といった方向性では無いが故に「何だか昔と変わってしまったなあ」なんて感想を抱きがちですが、「周りの環境やシーンに捕らわれずに、自分たちが本当にカッコ良いと思ったものを誠実に表現する」という彼らのアイデンティティはかつてと少しも変わっていないように思います。特に
皆同じ詩歌ってやがる 気持ち悪い 喜び哀しみ汚さないで
何も信じないで良い 何も許さないで良い 誰も頼らないで良い 君は独りで良い
(BURGER NUDS『Lesson』より引用 作詞作曲BURGER NUDS)
と歌う10.Lessonでは、勝手にですが「周りの声やシーンは関係ない、あなた自身の心で感じて、あなた自身でいて欲しい」と言われているようなそんなメッセージが込められているような気がしました。かつて超名曲「タネリ」で歌っていたような、初期から彼らを彼ら足らしめていたような、そうしたスタンスはかつてより力強く強固なものとなって帰って来たのだな、と感じられるような攻めの1枚だと思います。
中でもアルバム後半の08.evangelistから11.言葉と心の流れがまた素晴らしい。美しいアルペジオに優しく印象的なメロディ。そして我々リスナーに問いかけるような力強い意志を感じさせる歌。淡々としているようで、ラストに向かうにつれ徐々に盛り上がっていく演奏はもう流石!の一言です。クールなようでいて、熱く優しいメッセージが込められているような、かなり攻め攻めの1枚だと感じました。
職場や学校、さらに野外でのフェスやイベント、または各SNSサイト等、何かと共感や共有、同調を求められる昨今。周りと少しでも違えばもう完膚なきまでにギッタギッタにされるようなムードに、個人的には実に「ふぁっきんしっと!!」な気持ちで一杯だったりするのだが。そんな現代において、不特定多数の人間にではなくあくまでリスナーひとりひとりの心の底に問いかけるような、こうした音楽はとても貴重で斬新だなと。個人的に未聴の方、是非聴いて欲しい1枚だったりする。とっても良いバンドよ。
本日のテーマソング
ブラザー、今年も夏の馬鹿野郎をぶっ倒しにいこうぜ
いよいよ夏ですね。暑くなってまいりました。皆様夏はお好きでしょうか、僕はというと、夏なんぞ大嫌いです。単純に暑がりで気候的に苦手というのもありますが、学生の時分からとにかく夏に良い思い出がない。浴衣ギャルを見て鼻の下伸ばしたりひと夏の甘い思い出作っちゃいます?今年こそは勝ちに行っちゃいます?なノリで全力で参加した夏祭りでは、特に胸焦がれるようなイベントもなかった上にヤンキーやギャル男の彼氏を連れた同級生女子に遭遇しまくった挙句、男としての格の違いを見せつけられたり、好きな女子にフラれたり、好きな女子に聞きたくも知りたくもない恋バナなど聞かされたり、世間の浮かれっぷりと相反して虚無感に襲われたりとロクなことがない。そりゃ嫌いにもなるわ、てな具合ですが皆さん今年の夏の予定はいかがでしょうか。僕はというと今年も来るこの忌まわしい夏って野郎と全力で戦い勝ちに行ってやろうと思っています。
分かりますよ。どうせさ、あいつら「今日は彼氏とフェスなう~!ロッキン最高~!」だとか「今日は彼氏と花火大会~!ひろ君浴衣超イケてる~!」とか自慢げにSNS(写真付き)に投稿しまくったり、男女混合メンバーでBBQしてそれをまたSNS(写真付き)に投稿して謎のリア充アピールした挙句「センパイと付き合っちゃったはーと」とか言ったりする訳ですよ。全然良いんだけどさ。悪いことしてる訳じゃないんだけどさ。何かそういうの悔しくなっちゃうじゃない。「俺も何かやらかしてぇ」て思っちゃうじゃない。「俺も思い出作りてぇ」て思っちゃうじゃない。そんなこんなで基本夏を純粋に楽しめない僕ですが、今年も間もなくやってくるであろうそんなムードに全力で対抗していきたいと思っています。
対抗するって言っても何をするでもなく、ただ僕なりに楽しむだけですが。楽しむというか、楽しんでやるわとアクティブにやっていこうと思っています。それって最近とても大事なように思うのですが、結果的に楽しめようと楽しめなかろうと、そうやって行動したことって強く思い出に残るし失敗もそれまた楽しい思い出として記憶に残る。ようはやったもん勝ちということですよ。やりたいことやしたいこと、行きたい場所や会いたい友人もたくさんいるしな。映画やドラマのような輝かしい夏とは無縁の日々を歩んできた僕ですがそんな、やってやるわかかってこんかい精神、もといロックンロール精神で今年も夏の馬鹿野郎をぶっ倒しに行こうと思っています。夢は大きくドラマばりの楽しい夏にしたい。というか日々楽しさや幸せを噛みしめていきたい。
夏でふと思い出したのですが、この漫画、ひと夏のボーイミーツガールて感じでとてもオススメです。今書いてて読み返したくなってきた。こちらもぜひ。きっと素敵な夏にしたるわ!!とそんな気持ちになれるはず。
本日のテーマソング
エレファントカシマシ/悲しみの果て
エモーショナルでありたいって話
実に久々過ぎる更新ですが、皆様いかがお過ごしでしょうか。僕はと言うと、パソコンのブラインドタッチをマスターしようと絶賛四苦八苦なうでござる。別にブラインドタッチなど必要なかろうもん、という意見もおありでしょうが、「いっぱしの大人がブラインドタッチも出来ないでどうするねん!!俺はイケてるビジネスマンになるんや!!!これからはスタイリッシュにキメたいんや!!!」との気合(ほとんど思いつき)で最近はブラインドタッチを駆使して文字を打っています。
ほとんど思いつきで始めたこの「ブラインドタッチをマスターしよう企画」ですが、なかなか難しいですな。。打ち間違えと操作ミスが尋常じゃないもの。。もうこれいつもみたいに人差し指でパチパチ打った方が絶対早いわ。。と、何ならPC破壊したろうかな!!!くらいにはイライラしつつの今回の思いつきチャレンジ。果たして僕はブラインドタッチをマスター出来るのか。。。大人の意地と気合とロックンロール精神で何とか頑張っていこうと思っています。
大人と言えば、つい先日で26歳の誕生日を迎えました。26ともなれば、もう立派な大人である。アラサーである。仕事にも慣れ、毎日汗水垂らして働き、人によっては結婚して子どもがいる、という人もいるだろう。そろそろ転職してキャリアアップしようか。。と考えている人もいるかもしれない。そんな訳で20代も後半戦、何度目かの人生の岐路に立たされている感もある26歳。言ってもまだまだ若造の域は全然出ていないのですが、最近「あ、もうガキじゃねんだな。。」と感じることが少しずつ増えてきたのもまた事実。
軽い運動で息切れとか前髪が何か薄くなってきたとか、挙げればキリがないのですが、僕が声を大にして言いたいのはずばり「趣味に対するエモーションが年々低くなっている!!!!」。これに尽きます。私、音楽やギターが大好きで、かつてはライブがあればいってこれでもかとはしゃぎ回り、常に「熱い音楽はねぇものか!!」と雑誌やウェブサイトをチェックして回り、CDショップにいけば何時間でも見て回り、ギターなんかも何時間でも弾いていられたのが、ここ最近、生活の中にほぼそういったことが無くなっていることに気付いたのです。いや、勿論音楽は今でも好きよ?最近もTHE YELLOW MONKEYの新録ベストとBURGER NUDSの新譜を購入し、ノリノリで聴いていますが。だがしかしだ、学生時代のようなあの「昼夜問わず時間も忘れて」という感覚が趣味全般において年々薄れていっているように感じてならないのです。夢中は夢中なのだけれど、その夢中具合が数値でいったら段々と下がって来ているような。ドラクエで言えば毒に侵されて段々とHPが減っていっているあの状態に近いこの感じ。
勿論子供ではないので行動には常に責任が伴う訳で、学生時代程時間的余裕や精神的余裕があるはずもない訳で。言ってしまえば20代後半の人間としては至極正常な状態ではあるのですが。でもどこか寂しいよねえ、という感情がここ最近僕の中に渦巻いているのです。
かつて私の青春のバイブル的バンド、銀杏boyzの楽曲・青春時代において峯田氏は
あああ 僕はなにかやらかしてみたい そんなひとときを青春時代と呼ぶのだろう
と歌っていました。この感情、エモーションは青春時代は勿論、今現在でも僕の心を捕らえて離さないのです。10代のように何かに熱く焦がれたり、心から泣いたり笑ったり。そんな感情が年々薄れていってる今日この頃。だからこそそこに抗って泣いたり笑ったりドキドキしたりしてーなーと心から思うのです。だいぶ青臭いですが、要はもっとアクティブにどーん!!といかなきゃな、てことですね。受動的にではなく、能動的にね。いつまでも少年の心を忘れないアダルトの方々ってカッコ良いし憧れる。何かに夢中になっている人独特の輝きのようなものに最近は刺激を受けることが多いです。「20代後半、いよいよ後戻りは出来ねぇぜ。。」などと考えることが増えましたが、だからこそ熱くエモーショナルに行きたいもんです。
終盤若干グダグダになった気がしないでもないですが、今日はこの辺で!ばいちゃ!!!
本日のテーマソング
THE YELLOW MONKEY/プライマル。
ASIAN KUNG-FU GENERATION 「ソルファ」を聴いた
先日のsyrup16gの記事に引き続き今回も、書いてなかったけど遅ればせながらレビューしてみようじゃないか企画を実施します。そんな今回は我らがアジアンカンフージェネレーションの新録盤・ソルファ。このアルバム、僕と同世代の、20代中盤の音楽ファンなら持ってはおらずとも、恐らく高確率で聴いたことがあるんじゃないでしょうか。
中学時代におけるアジカンと言ったら、NARUTOの主題歌だった遥か彼方で火がついて、鋼の錬金術師の主題歌のリライトで一気に爆発したって感じで、影響力が半端じゃなかった記憶があります。「お前普段ロックとか全然聴かねぇべや。。」て感じの、いけ好かない感じの、イケイケで何故か調子にお乗りになっている感じの、ウェイウェイうるせぇ感じの連中まで歌ってたもんな。学校指定のジャージずり下げ過ぎて、トランクス見せまくったりしてな!!!何それ見せパンかよ、それがこの国のオシャレか、パリコレかって思ってたな!!!そういうのあんまり好きじゃなかったな俺は!!!だからジャージすらもシュッとした丈で履いてたもんね俺は!!!後半ただの逆恨みだな。若干脱線しましたが、バンプ・エルレと並んで、当時のロキノン系バンドの御三家的立ち位置で、音楽ファンは元より、そうじゃない方々にまで浸透していたような印象があります。今のバンドで言うと、どのバンドがその立ち位置にいるんでしょうね。分かりませんが、とにかく今考えるとすごいムーブメントだったなあ、と思う訳です。
そしてこのソルファ、僕自身始めて購入したアジカンの記念すべきアルバムであり、ギター始めてからはほとんどの曲をコピーした程に好きで思い入れのあるアルバムなのです。コピーバンドもやったよあたしゃ。こりゃあ文をしたためねばなるめぇ。。とPCを開いた次第。という訳で本日のガチンコレビューはアジアンカンフージェネレーションの新録ソルファでございます。それではいっくよー!!
こちらのアルバムは、元のオリジナルのソルファ(2004年リリース)から12年たった今、再レコーディングという形でリリースされた作品。あの頃聴いていたソルファとは質感もフィーリングも違いますが、楽曲のカッコ良さや素晴らしさは変わらずに、今現在のアジカンにしか鳴らせない、正に2016年の新しいソルファになっていると感じました。
アルバム全体を通して、個人的に不安を感じていた、かつてのソルファを元からひっくり返すような露骨なアレンジの変化はあまりなく、02.リライトや09.Re:Reなど、ライブでのアレンジを反映させたバージョンが基本になっております。そうした中でシンセやストリングスなど、これまであまりなかったような音色がプラスされており、それによって全体的により曲に深みや奥行きのようなものが増しているな、一聴して感じました。そして個人的に感動したのが、バスやベースなどの低音部が強調された音質の変化。かつてのソルファのシャリシャリとした渇いた音像からのそうした変化によって、特に山田氏のベースがより鮮明になっています。
これまでどこか埋もれがちな印象だったのが一転、ベーシストとしてのカッコ良さが際立っています。
それによってベースの渋いフレーズは元より、演奏自体もより強靭でグルービィになっていると感じました。
リリースから12年たって得た、プロの迫力を感じさせます。
また楽曲の細かい歌いまわしや、コーラスの乗せ方、楽器の細かいフレーズなどが所々違うのもひとつポイントかなと思います。ソルファのあのがむしゃらな、どこか青さを感じさせるようなイメージとはまた違った、今現在の円熟味を増したアジカンを感じられてとても良いなあと。
ひと通り聴いて感じたのは、収録させれている楽曲自体は、かつてのソルファと同じでも、演奏、アレンジ、質感やフィーリングは正真正銘2016年現在のアジカンだなということです。度々話題に挙がる、どちらのバージョンが好きか?という視点ではなく、我々リスナーと同じく、12年たって様々な経験の中で変化し、そして成長したバンドの姿を楽しめれば、こんなに素敵なアルバム、なかなか無いんじゃないでしょうか。かつて我々が夢中になって聴いていたこれらの楽曲、変わった部分はあるけれど、あの頃の思い出と楽曲のカッコ良さは全く変わっていないのだから。個人的にずっと聴き続けているファンの人は勿論、かつて聴いていたが離れてしまった人、逆に昔のアジカンは知らないなあ、という若いファンの人、そんな方々にこそ聴いて欲しいアルバム。今も昔もソルファはやっぱり名盤ですな、と中学生の頃と同じくそんな風に感じました。是非。
本日のテーマソング
ASIAN KUNG-FU GENERATION/海岸通り(新録ソルファのこれ、滅茶苦茶良い)
syrup16g「darc」を聴いた
はろー、はうろー?思えば約1か月くらいの間何も更新をしていなかったですな。皆さんはお元気でしたか。僕はと言えば、仕事のことで悩んだり、プライベートなことで悩んだり、元気になったり、かと思えば食欲なくなってご飯が食べられなくなったり、ええいっもう知らねえ!と遊びに出掛けて元気になったりと、気持ち的には忙しい日々を送っていました。
どんな生活だよ!!!とのツッコみも聞こえてきそうではありますが、更新をしないながらも、別なサイト方ではちょこちょことレビューを書いたりもしておった訳で。本当はリリース直後にこちらでもレビューを載せたいと考えていたのですが、完全にタイミングを逃してしまいました。。泣
まあでも俺根はパンクロッカーだし?タイミングとか知らねえし?好きな時に好きなこと書くし?というなめ切ったテンションで、本日は遅ればせながらも先月リリースされた、私の青春、syrup16gのニューアルバム・darcの真面目なレビューを投下したいと思います。それじゃ、行きまーっす!!!
それぞれのリスナーで、感じることは様々かと思いますが、個人的には今のsyrup16gのリアルな姿がそのままパッケージングされた良いアルバムだと感じました。
再結成後、HURT、krankeとリリースしての今作。内容としては、これらの作品の延長線上にありながらも、より分かりやすく際立ったメロディがとても印象的。再結成後、独特な不協和音的なコード進行を用いた楽曲が多い印象でしたが、今作ではそれらも上手く曲に溶け込ませているような気が。アルバムの曲順もあるのでしょうが、特に違和感も無くすっと入ってきました。
短いスパンでレコーディングされたとのことで、それによって今現在のバンドのモードや、五十嵐氏のパーソナルな部分もよく見えるような、ある種の生々しさも感じられる本作。酷評も多いようですが、僕はとても好き。
再結成後の楽曲と比べると、これまで難解な楽曲が多かったのに対し、曲が比較的シンプルでまとまっているような印象を受けました。そしてそんな曲に乗るメロディがどれもとても良いやん!と。独特ながらも美しいメロディに定評があるsyrup16gですが、そうした彼らの魅力が最も光っているのが今作ではないでしょうか。
ダウナーで深く沈み込んでいくような曲調ながらも、どこか開放感も感じられるようなメロの01.Cassis soda&Honeymoonに、今後のライブでのアンセムになりそうな、真空を彷彿とさせる疾走感のある02.Deathparedeと序盤から印象的なメロディで引き込まれます。
そして03.I’ll be thereに07.Murder you knowと、「普段音楽を聴かないような人も『良い曲!』と思うのではないだろうか。」なんて思いも湧き上がるような(大)名曲もしっかり収録されています。センチメンタルさと高揚感の中で
生き急いでるような景色を選んでみせたかったけど
君が側にいないのを誤魔化して来ただけなんだよ
のフレーズがリフレインされる03.I’ll be thereには思わずうるっときてしまいました。そして希望が見えるような、陽性のメロディが飛び出す07.Murder you knowも素晴らしい出来。
また今回もダブルミーニングやダジャレ的な要素を盛り込んだ、これぞ五十嵐隆!な歌詞も盛り沢山な内容になっています。「これじゃない、これじゃない感」には少し笑ってしまいましたが。しかしシロップファンとしてはそんな歌詞も魅力のひとつではないかと笑
個人的にはグッドメロディ満載で、パンチのある歌詞もとても気に入っています。今後も彼らの音楽を楽しみにしていきたいです。未聴の方、是非。
本日のテーマソング
syrup16g/生活
あえて何も選択しない説
1週間ぶりくらいの更新。ハロー、今君に素晴らしい世界が見えますか。かーびーです。最近は「選択」ってめちゃくちゃしんどいなあ、なんて考えてしょぼしょぼとテンション低空飛行な生活をしておりました。
「選択って言っても何のこっちゃ!」と思ったそこのあなた!我々の生活というのは、日々小さな選択から成り立っているのだよ!
例えば、今日のお昼は何食べようかな、とか今日はどこに遊びに行こうかな、とか、何のお酒で晩酌キメようかしら、とかそれも全部選択。我々の日常を構築しているのは、そうした日々の些細な選択の連続なのです。
でもこの選択って奴は時に残酷なもので、どちらを選択しても誰かが必ずアンハッピーになってしまう、なんてケースもままあるもので。ほら、映画とか漫画でよくあるじゃない、「窮地に追い込まれて大ピンチ!どうするの俺!右か左かどちらかを選ばねば!しかしどちらを選んでも結構リスク多い!!アカン!!」みたいな割と重要度高いやつ。
まあ、映画や漫画程ではないにしても20代半ばともなると、個人の感情で選択してしまうと、周りに大ダメージ与える恐れがあるケースとかが増えてくる訳で。何なら誰も悪いことしてないのに、どちらを選んでも誰かが必ず悲しい思いをしなくてはならないような状況があったり。「何だこの状況。。こんなんどう転んでも全員アンハッピーになる未来しかみえねえよ。。」な状況がここ最近重なりまくっていた訳です。嫌なことって何か重なるよね。そりゃテンションも低空飛行になるわいな。
選択というものは、直感で決めれば良いのか、それとも様々なケースを予想して熟考した上でベストな方で決めれば良いのか、それとも全部覚悟した上で意見を通すべきか、実にケースバイケースな要素が大きくて、未経験な事柄ともなるとさらに難しく、優柔不断気味の僕としてはとても苦手なんですけども。
でも最近、あえて何も選択しない、自然の成り行きに完全に任せる、まさにレットイットビーなスタンスも悪くないんじゃないか、なんてことをふと思ったら少し楽になれた気がしました、ほんと。
勿論、完全なるビジネスの場ではそれじゃ絶対にダメなのだけども。でもあくまでプライベートな場面、個人的な場面や感情的な部分が多い場面でなら、それがベストじゃね?と。もうどうしようもねえなら運命に身を委ねれば良いんじゃね?それが結果的に一番在るべき処に行き着くんじゃね?的なやつね。
我々人間、色々な人と関わって生きている以上、思いがけないことや、予期していなかったことが起きるのは、考えてみれば当たり前のことで。そうしたら当然自分の力や努力ではどうにもならないことが起きるのも、また当然な訳で。
ならばいっその事、「そのうちなるようになるっしょ、その時また考えたらいいっぺ!」と思考を完全にブン投げてしまうのも意外と良い手なのでは、何てことを考えた25の夜でした。
ていうかこの曲を聴いていてふと思ったってだけなんだけどもね笑
ドレスコーズ - スローガン(AUDITION VIDEO)
”ふたつにひとつ”
くらべるなら どうせその程度だ、それは!
とか
そしてかならず うまくゆく
そう さだめなら
とか
選ばない ぼくらはあきらめる
(ドレスコーズ『スローガン』より全て引用 作詞作曲志磨遼平)
とか、「あえて何も選択しない」ってモードを唄った曲なのだけれど、この人が歌うと凄い説得力があるなあ、と。毛皮のマリーズも好きだし、ドレスコーズになってからも好きです、僕は。話が脱線した気もしますが、最悪迷った時は運命的なものに任せてしまうのもまた一興かと。それでは、ばいちゃ!
本日のテーマソング
ドレスコーズ/スローガン
西加奈子「うつくしい人」を読んだ
想像を絶するレベルで寒い日が続いていますが、皆さんお元気でしょうか。休みの日には出かけたい派の僕もあまりの寒さに外出するのがはばかられる日が最近は多いです。持ち前の低血圧の影響か、気温が低いと頭痛が酷くて辛抱たまらんのですわい。そんなこんなで夜は貪るように本を読んでいます。寒くなってくると読書が捗るような気がするのは気のせいだろうか。。そんなこんなで今日は最近フェイバリットの小説家である西加奈子さんの、読み終わったばかりの小説、うつくしい人について読書感想文的に書こうかと思います。自分の気持ちを文字で表現するというのは、とても難しい、でも楽しい。さてさてそんなテンションで今日もいっくよー。
主人公は他人の目を常に気にしてびくびくと生きているOL・蒔田百合。自意識過剰過多な彼女は、会社での単純なミスがきっかけで会社を辞めてしまいます。そうした状況でほとんど衝動的に旅立った先は、瀬戸内海の離島にある、とあるリゾートホテル。そこで出会った風変わりな冴えないバーテンダー・坂崎と大金持ちでイケメンだが変わり者のドイツ人・マティアスとの交流の中で、失くしたはずの自分自身に気付き、再生していく5日間を描いたこの小説。全編通して特に大事件が起こる訳でも、熱い恋が展開される訳でもない、あらすじにするとこれだけのシンプルなストーリーなのですが、とても熱いパッションに満ちた、素敵な小説でした。
ちなみに皆さんは他人の目を気にして生きている方でしょうか。常に周りの人や友達の評価を気にして、周りの「良い」と言ったものや空気に従い、目立たないようにしよう、本当の自分なんて出さないようにしよう、上手くやっていこう、みっともない、ダメなやつ、なんて思われないようにしよう、何なら皆に羨ましがられる自分でいよう。そんな気持ちでいることはないでしょうか。現代社会で生活する上で、大なり小なりはこういった気持ちになることが、誰しもあるのではないでしょうか。しかしずっとそれだけでは、心が辛くなってしまうのもまた事実。本作の主人公は正にその典型的パターンのような人物。むしろ、それをずっと昔から続けてきた超自意識過剰なタイプで、うーむ、本当にめんどくせぇ奴。お前それはどうなのよ!?なんて言ってやりたい気もするのですが、読んでいく程に自分の中にもそんな主人公のような自分がちらほらと存在することに気付くのです。むしろかなり多く存在する、そんな「めんどくせぇ」自分自身に気付いたら、嫌悪感を抱きつつ(自己嫌悪かもしれん)夢中になって読んでいる僕がいました。
タイトルの「うつくしい人」とは一体何だろう。それは本文の言葉を借りるなら、『ただ「自分」であり続け、その「自分」の欲望に従って生きること』。大事な自己を失くしてしまった主人公が、自分を取り戻し再生するきっかけとなった、坂崎やマティアスも一見風変わりで、実に様々な問題を抱えていますが、それでも彼らはどこまでも自分自身で居続ける、「うつくしい人」でした。そして百合が最もコンプレックスを抱く、超自意識過剰の元となった姉もまた、どんなにひどい状況でもただひたすら自分自身で居続ける「うつくしい人」でした。そしてそんな「うつくしい姉」と対極の醜い空っぽの自分から全力で逃げるような、非常に重い前半から一転して、自身の本当の気持ちに気づいて、自己を取り戻していく後半のスピード感がとても気持ち良かった。涙腺をグイグイ刺激するような、まさに「美しい」シーンやセリフに引き込まれた一冊でした。3人でホテルのカートに乗って深夜に道路を疾走するシーンや、地下の図書館で写真を探すシーンなど、とても胸に響く場面がたくさんありました。
自分が誰かを美しいと思っている限り、そんな想いは巡り巡って、自分もまた、誰かにとっての「うつくしい人」なのだ。そんなことを短いながらも圧倒的説得力で書ききったこの小説、とても面白かったし、感動した。西加奈子さんの小説はどれも、「それで良いんやで、間違ってないんやで!!」と肯定し、背中を押してくれるような作品が多い気がします。まるで少年時代に夢中になって聴いていた音楽のような、そんな小説を書いている素敵な作家だと思います。まだまだ未読の作品が多いので、これからどんな小説に出会うかとても楽しみでもあります。毎日面白くないようなことも多い日々、自分自身に疲れることも嫌いになることも自信が消え失せることもままありますが、そんな僕自身もどこかの誰かにとってはきっと「うつくしい人」なのでしょうね。誰かを羨んだり、想ったりしつつも美しくただ自分自身でありたい、そんな気持ちで明日もまた駆け抜けていこうと思う次第であります。
本日のテーマソング
毛皮のマリーズ/ビューティフル